4月中旬のある土曜日。ついに今日はあかつきの練習を見学する日になったが・・・俺は今迷子になってしまっている。時間は6時ごろだろうか。なぜ迷ってしまったか。時間をさかのぼること1時間前。
俺はあまりにも興奮してしいて5時前に目が覚めてしまった。今日は9時にパワフル高校の校門に集合だから二度寝をしようと思ったができなっかた。普段は6時ごろに起きて30分程河川敷の周りをランニングをしている。しかし今は5時前だ。完全に目が覚めているため今日はいつもと違うコースでランニングをしようと思いジャージに着替えて一階に降りたらすでに親父が起きて新聞を読んでいた。こちらに気が付いたのか親父は俺に話しかけてきた。
親父「おう!亮。今日は早い目覚めだな。今日は雨でも降るんじゃないか。」
杉村「おはよ。ちょいとランニングしてくるから。6時半ごろには戻るからかーさんにも伝えといて。」
親父「へいへい。時間があるからといって知らない道にいって迷うなよ。」
杉村「15年この町に住んでるんだぞ。迷うはずがなかろうが。行ってくるからね。」
それからいつも通り河川敷までランニングした後に今日はいつもならUターンするところを今日は商店街の方向に行こうと思ったが今日はいつもより1つ手前の路地から入ってみたところ見事に迷ってしまった。そして今に至る。
杉村「やばいな。本当に親父の言った通りに迷ってしまったぞ。この時間は新聞配達も終わってるし仕事や学校行くには早いから人が道に誰もいない。」
河川敷ならランニングしている人やペットの散歩をしている人は多いがここは住宅街だ。運悪くここら辺には誰もいない。時間も6時を過ぎたころで本格的にあせっていたらマンションからジャージ姿の三つ編みをした女の子が出てきた。俺はその女の子にすぐ道を尋ねた。
杉村「あの。ごめん。俺、河川敷のほうに行きたいんだけど道に迷ったみたいでさ。行き方教えてくれないかな。」
女の子「えっ。君、河川敷なら次の道を右に曲がったらすぐなんだけど。ちなみに左に曲がったら商店街だよ。もしかして引っ越してきたばかり?」
杉村「まじで。いや生まれも育ちもこの近くなんだけど。ま、ありがとう。じゃあ。俺はこれで。」
女の子「待って。僕も今から河川敷のとこにランニングするついでだから途中まで一緒に行かない。」
杉村「別にかまわないよ。なら行こうか。」
女の子「うん。」
3分もしないうちに河川敷に戻ってきた俺は見知らぬ女の子に自己紹介をしていないことに気が付いてランニング中に自己紹介をした。
杉村「そういえば。自己紹介をしてなかったな。俺は杉村亮。パワフル高校の1年だ。」
女の子「杉村君なんだね。僕と同い年なんだ。僕の名前は早川あおい。恋恋高校の1年だよ。あおいでいいからね。杉村君。」
杉村「OK。あおいちゃん。よろしくね。俺も亮でいいからね。」
あおい「わかったよ。亮君。ところで亮君って部活何しての?」
杉村「俺は野球部だよ。あおいちゃんは?」
あおい「本当に?実は僕も野球部に入ろうと思ってんだ。」
杉村「あれ?でも恋恋って女子校じゃない?」
あおい「今年から共学なんだよ。だから野球ができたらいいなと思ってるんだ。」
杉村「そうなんだ。人数集まればいいね。ここから右に曲がったとこに家があるからまたいつか会おうね。」
あおい「わかったよ。また、一緒に走ろうね。じゃあね」
こうして俺は早川あおいという女の子と出会った。
家に帰りついたのは6時半をすぎていて親父に迷ったのかとからかわれたがいい出会いがあったからとくに気にもならなかった。
そして、朝食を食べて8時過ぎごろに家を出て歩いて学校にむかった。
俺が付いたころには監督とキャプテンと何人かすでに集まっていた。
大波「よし。1年全員そろったか。」
部員A「監督。矢部がまだ来てません。」
大波「あいつは何をしている。」
矢部「遅くなってすみませんでやんす。」
大波「矢部。次遅れたらグランド5週な。」
矢部「ひどいでやんす。」
こうして俺ら1年と監督とキャプテンとなぜか尾崎先輩の10名ちょっとであかつきに歩いて向かった。
あかつきまでは歩いて30分ぐらいで商店街を中心にすると真逆の位置にある。商店街をとおって、普段ランニングで使ってる河川敷沿いを通って川の向こう側に赤い橋を利用して通りそこから歩いて5分ぐらいすればあかつき高校につく。
俺らは予定通りに9時半ごろに着いた。今は校門にいる警備員に野球部に連絡をとってもらっているさいちゅうだ。
それから5分ぐらいたっただろうか。一人の女の子がこちらにやってきた。
澄香「パワフル高校の皆様でしょうか。はじめまして。あかつき高校のマネージャーをしています四条澄香です。」
矢部「はじめましてでやんす。おいらはパワフル高校の黄金ルーキーの矢部でやんす。どうかよろ」
尾崎「矢部。お前は永遠に補欠になりたくなっかたらだまれ。」
澄香「グランドで監督がお待ちになっております。こちらについてきてください。」
テクテク
『声出せよ』『サード今のとれるよ』『ナイピッチ』
石原「さすがあかつき気合が違うね」
尾崎「しかし、二宮とか主力がいない気がするな」
澄香「ここで少しお待ちください。」
『カキーン』『ビュッ。パーン』
杉村「すげー。レベルが違うよ。」
矢部「さすが全国区レベルでやんす。マネージャーも。そう思わないんでやんすか亮君も?」
杉村「・・・矢部君」
あかつき監督「どうもお待たせしました。私があかつきの監督の千石です。」
大波「どうも私がパワフル高校の監督の大波です。そしてこいつがキャプテンの石原です。」
千石「いやー。すみませんね。今、一軍はマラソン中でいないんですよ。帰ってきたらキャプテンだけでも紹介するんでそれまで2軍でも見学しといてください。」
パワフル高校1年「2軍!」
杉村「これで2軍なの」
矢部「レベルが高すぎでやんす」
千石「よし。今からフリーバッティングだ。投手は」
・・・「監督。僕が投げます。」
千石「しかし、お前は来週から一軍じゃないか」
・・・「お客さんにもあかつきのレベルを見せるのにちょうどいいじゃないでしょうか。それとも僕じゃまずいでしょうか。」
千石「わかった。お前が投げろ。」
杉村「あいつ。どこかで見覚えがあるな。」
『ビュッ。ズっバーン!』
尾崎「あいつ誰だよ。他の奴とレベルがけた違いだ。」
思い出したあいつの名前を。中学のころに一度だけ戦って完全試合をくらったんだ。そうあいつの名前は
矢部「猪狩守君でやんす。中学ナンバー1投手だった。」
尾崎「猪狩だと。あんな化け物までいるのかよ。」
石原「こりゃ。厳しいな。」
尾崎「1年度も見たか。あれが俺らの目標だ」
パワフル高校の1年(どよ~ん)
尾崎・石原(やばいな。これ)
その後、俺らはあかつきのレベルのけた違いの差にただ茫然としてた。
午前中練習見学したのちに午後からパワフル高校に戻って練習したものも全く練習にならなかった。
その日の帰り道。
矢部「じゃあねでやんす。亮君」
杉村「じゃあね。矢部君。」
俺はあかつきに行かなくて良かったと改めて思った。力の差が歴然だった。このままじゃ打倒あかつきだなんて夢もまた夢だ。どうすればあかつきに追いつき追い越せるのか考えていた時だった。ドーン。
俺は誰かにぶつかってしまったようだ。
杉村「いてて。あの大丈夫ですか。」
・・・「たく。痛いじゃないか。この華麗な僕の左手を痛めていたらどうしてくれるんだい。」
この声聞き覚えがあるぞ。
杉村「お前は猪狩。」
猪狩「なんだね。君は。もしかしたら僕のファンかい。ありがたいけどサインはできないよ。」
杉村「いや。お前のサインなんていらないし。というかファンでもない。俺はおまえから打って甲子園にいくんだ。」
猪狩「どこかで見覚えがあると思ったら今日うちの練習見学にきてたチームのやつか。ならなおさらあきらめな。君もあの場にいたら分かっただろう。君たちと僕らじゃレベルが違うんだよ。」
杉村「やってみなきゃわからないだろ。」
猪狩「やったて無駄さ。」
杉村「なら猪狩。今、俺と勝負しろ。」
猪狩「やったって無駄さ。僕は急いでるからこれで。」
杉村「へー。あの猪狩って意外にビビりなんだ。」
猪狩「なに。聞き捨てならないな。そこまで言うなら1打席勝負をしてあげようじゃないか。」
俺と猪狩は河川敷におりて1打席勝負をすることになった。
猪狩「肩はもうできているからいつでもかまわないよ。」
杉村「こっちもいつでもいいから。」
猪狩「一球目」『ビュッ。パーン』
杉村(はやーい!!打てないよ)
猪狩「どうしたんだい。さっきまでの威勢はどこに行ったんだい。まぁいい。二球目行くよ。」『ビュッ。』
杉村(さっきより遅い。よし打てる。)『シュシュッ。パーン』
杉村「カーブだと。」
猪狩「三球目。ラストだよ」『ビュッ。』杉村(ストレートか。このえい!)『カッス。パーン』
猪狩「何!」
杉村「くそ!三振か」
猪狩「ふん!だから言ったじゃないか。」(僕の球を1打席でかするとかこいつ。)
杉村「くそ。また勝負だ。」
猪狩「君。名前はなんて言うんだ。」
杉村「杉村亮だ。」
猪狩「杉村か。君の名前は覚えとくよ。今日はこれでさらばするよ。」(次から勝負するときは本気を出さないとな。)
杉村「次こそ勝つからな。覚えとけよ」
こうして俺は猪狩守と出会い、お互いを意識しあうように?なった。
高校に入学してひと月がたとうとしている。そのなかで俺は早くも猪狩とあおいちゃんと他校の野球部の奴と出会った。
猪狩とあおいちゃんが登場しましたね。
猪狩との対決は三振に倒れましたが、ここからどういう風に成長するのか楽しみですね。
また、次回作を楽しみにしていてください。