合宿初日の夜のお話です。
杉村「き、きつい。」
清掃員A「おい、そこもっと腰を落とさんかい。」
杉村「はい」
ただいまパワフル高校は罰ゲームのグランド整備をしている最中だ。
それもただのグランド整備ではなく甲子園おなじみの阪神園芸風だ。
ここからも甲子園に何人かグランド整備をしているようだ。
だから夏はこうやって高校生に罰ゲームを兼ねて手伝わせている。
今日は3面しか使用してないが明日から2校増え、さらに明後日には今年の夏の甲子園出場校で惜しくも一回戦で負けたチームがやってくるようだ。
そうなるとグランド整備は6面になり、後半は試合用グランドも2面使うため計8面のグランド整備をしなくてはならなくなる。
使用してないグランドはスタッフのみで軽く整備と点検をするみたいだ。
清掃員A「よし、高校生は上がっていいぞ。あとは俺らが点検するから先に上がれ。」
杉村「や、やっと終わった。」
滝「杉村ー。早く宿舎に帰って風呂入ろうぜ。」
杉村「うん。そうだね。そうしようか。」
宿舎は冷房が効いてとても涼しかった。
俺らは一旦部屋に戻った。
吉田「お前ら遅かったな。」
滝「あぁ。グランド整備ひとつでこんなに体力を奪われるとか思いもしなかったぜ。」
吉田「確かに。グランドが綺麗な理由も裏でこんな大変な整備をしていれば綺麗になるな。俺らも雑には扱えないな。」
確かにここのグランドそれどころか設備全てが綺麗だ。
俺らも学校に帰ったら大事にグランドを扱わないとな
杉村「さてとそろそろお風呂に入りに行かない?」
吉田「そうだな。俺はお前らが帰ってくるまで待っていたからな。ところで矢部は?」
滝「さあ。まだやっているんじゃないか?どうせすぐ来るだろう。」
吉田「そうだなぁ。行くか。あいつがいるとややこしくなるしな。」
カコーン
5階建ての野球宿舎は1階に大浴場がある。先ほどの室内練習場に行く最中にあるのだ。
ここの温泉は天然温泉の上掛け流しのようだ。それも朝の10時から12時の清掃時間以外はいつでも入って良いらしい。
中風呂、露天風呂、水風呂、サウナまでキッチリある。食事といい、風呂といい合宿のことを忘れそうだ。
カコーン
滝「良い湯だなぁー。」
杉村「本当に良い湯だねー。」
俺と滝は露天風呂で満天の夜空を眺めなならゆっくり体を癒していた。
滝「そういえば知ってるか?この露天風呂の柵の向こうは女湯らしいぜ。」
杉村「へー。それで。」
滝「お前なぁ。『それで』じゃないだろう。うちのマネージャーや他校のマネージャーの裸が拝めるチャンスなんだぞ。」
杉村「はいはい。確かにそれは事実だし興味がないわけではないけど。見つかったら大変だろ。それにいくら向こうが女子風呂だからと言えどうやって覗くんだよ。俺はしないからね。」
滝「それは今からゆっくり考える。時間もあるしな。」
杉村「はいはい。俺あがるから。」
滝「おう。俺も吉田がサウナから出たら部屋に戻るから。」
ガラッ
杉村「ふー。良い湯だった。牛乳でも買って帰るか。」
ガラッ
栗原「あれ、亮くん?」
杉村「舞ちゃん。」
俺が自販機で牛乳を買おうとしたら丁度女湯から舞ちゃんが出てきた。
髪が濡れてて少しドキッとした。
栗原「すごいね。ここの温泉。私うっかり長風呂しちゃった。私も牛乳買おー。」
舞ちゃんが牛乳を買うために自販機に近づいたときに髪からシャンプーの良い匂いがした。ヤバい。ものすごく良い匂い
栗原「どうしたの亮くん?少し顔赤いよ?のぼせた?」
杉村「なんでもなないよ。舞ちゃん湯冷めしないように気をつけてね。じゃあ、おやすみ。」
栗原「あっ。うん。お休み。」
もう少しで理性が飛びそうになった〜。
こんなところで理性が飛んだりしたらヤバいぞ。危なかった。それにしても本当に女の子の風呂上りってあんな感じがするかー。あいつでそんなこと思ったかなとないけどやっぱり家族と他の子だとあんなに違うとは恐ろしいなぁ。
合宿もまだ初日。明日から本格的な練習が始まる。
この合宿で俺はさらなる進化をして、秋からレギュラーになれるよう頑張るぞ。
初日で3話と長々しすぎました。2日目からがようやく本当の野球の練習。
もう少し短く分かりやすくかけるよう努力します。
滝 雄太 捕手 1年 2EFEEEF バント○ 悪球打ち 流し打ち
吉田と中学からバッテリーを組んでる 比較的器用なタイプ そこそこのスケベだが男女関係なしにフレンドリーのため女友達も多い