全員「ごちそうさまでして。」
矢部「ものすごく美味しかったでヤンスね。」
杉村「そうだね。栄養バランスもしっかりしてて良かったよ。」
今は合宿の最中で初日のディナーが終わったところだ。
ディナーはとても豪華かつ栄養バランスが考えられていた。
監督「よし、今から全員トレーニングルームに移動。」
矢部「今からトレーニングとかあるんでやんすか?おいらもう、動けないでやんす。」
尾崎「レギュラーにならなくていいのなら休んでもいいんだぞ。」
矢部「頑張るでやんす…。」
トレーニングルームには我が高校と他に2校いた。
男前田「よし、野球部の皆さんようこそ。今から学校対抗の勝負を始める。今日の種目は1チーム9人のリレーだ。1位は何もなく。それ以外は罰ゲームだ。
各自自分達のコースの前に行け。
10分後に開始だ。それまでにメンバーを決めろ。」
リレーとなれば足の速い9人か。足だけなら矢部くん、尾崎先輩、2年の外野の佐久間先輩は確定だな。
あとは誰だろう。
尾崎「メンバーは既に決めている。1番は不甲斐ない矢部。」
案の定矢部くんか。不甲斐ないとは矢部くんらしいが矢部くんは「もちろんでやんすね。」とか言って調子にのっている。なにか不安だ。
リレーのメンバーは6人まで発表された。
残りは3人
尾崎「7番目は俺で、8番目は杉村。」
そうだよな。俺のはずが・・・ある?
杉村「はっ!オレですか!」
尾崎「うるさいなぁ。そうだがなにかあんのか。」
いやいや問題だらけですよ。
杉村「俺より足の速い人ならいくらでもいるじゃないですか。それも佐久間先輩の前で尾崎先輩のあととか責任重大じゃないですか。」
そうだ。俺より足の速いなら他にもいたはずだ。だが
尾崎「確かに普通のトラックや直線ならそうかもしれないが、これはダイヤモンドを一周するベーラン形式のリレーなんだよ。だから足が速いかつ周り方が上手い奴を選ぶのが良いんだ。お前は走塁と盗塁に関してはうちでも上位の方だからなぁ。だから8番手は任した。俺の期待裏切るなよ。で、最後は佐久間。お前だ。」
マジか。褒められたことは素直に嬉しいがもし最下位とかだったら…。
それに罰ゲームは嫌だ。絶対負けられない。
しかし結果は・・・
男前田「一位流星高校、二位船小屋高校そして最下位がベースを踏み損ねて二位で帰ってきたパワフル高校だ。」
先頭の矢部くんが快足で1位でバトンを2番に渡した。
その後流星高校、そして船小屋高校にも抜かれたがなんとか俺と尾崎先輩で追いつき佐久間先輩が追い越したと思ったが…。
まさかの審判が矢部くんの三塁ベースの踏み損ねを指摘。
よって俺らはめでたく最下位。
男前田「2位の船小屋高校は今使った室内練習場のダイヤモンド3つ全て整備。最下位のパワフル高校は練習用 野球グランド全てうちのスタッフと一緒に整備な。
2人か3人1組で整備にむかえ。
ちなみに矢部くんだっけ。君だけは一人で行きなさい。うちのスタッフがすでに始めてるから早く合流するように以上解散。」
なるほどここのグランドが綺麗なのは練習後にまたここのスタッフが再び整備をしてるからか。
でも確かここのグランド10面以上あった気が…。
こんなたくさんのグランドをどんな風に整備してるのだろう?
でもそれ以前に
尾崎「やーべー。お前は何してるんだよ。一位で帰ってきたと思ったらベースを踏み損ねるとか、ふざけんなよ。」
矢部「ごめんなさいでやんす。」
矢部くんがそもそもベースを踏み損ねなければ室内練習場だけで良かったのに。
まぁでもグランド整備ぐらいどうにかなるだろと思っていた俺だがこの後ここのグランド整備がどれだけ大変か俺はまだ知らなかった。
夏合宿編はまだまだ続きます。
佐久間 透 2年 外野手 2DEBCBD 内野安打 走塁4 盗塁4
俊足の外野手 1年の秋からレギュラーである いつも冷静でほとんどしゃべらない