不良八幡の学校生活   作:雨雪 東吾

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テニス 2

  俺の教えたおかげか、三時間もすれば材木座は来た球をコート内に打ち返すことは概ねできるようになった。だが・・・

  

「翔天御剣流抜刀術・天飛龍閃!」

 

 材木座は腰にラケットを添え、勢いよく振り上げる。所謂抜刀術のようなことをやっている。元ネタもそうなってるしな。でも足が逆なんだよなあ・・・。それと、誰がボール取りに行くと思ってんだ。

 

「トップスピンかけろって言ったじゃん? 何でこんなことすんの?」

 

「あ、い、いや。師匠に近づこうと・・・」

 

「俺がいつそんなふざけた打ち方したんだ・・・」

 

 それに俺は比古さんほどすごくねえっつの。

 

「取りあえずやるにしても基礎できるまでやんな。取りに行くのが面倒だ」

 

「わかりました」

 

 しかし聞き分けいいな。既に怖がってる様子は見られないが、ただの同級生だぞ。普通に日常でも話しかけてくるしな・・・。師匠と呼ばれて奇異の目に晒される俺の身にもなってみろ。・・・まあ普段から見られてるが。

 

 しかし、材木座という存在がさらにそれを強めてることは否めない。それに加え、こいつ面倒だからあんま関わりたくないんだよな。

 

「取りあえず散らしていくから俺に正確に返して来い」

 

「了解しかまつった!」

 

 こいつは喋り方がおかしい。それは何故かと言うと、所謂中二病というやつだからだ。自分を剣豪将軍? かなんかだという設定らしい。詳しいことは俺もしらない。知りたくもない。

 

 取りあえず今までは材木座が打ちやすいところに打っていたため、返すこと自体は容易だろう。回転も素直なものにしている。それでもネットにかけたり、ホームランはなくならない。仕方のないことでもあるが。俺も最初はそうだった。家での度重なる壁打ちのおかげで俺はある程度打てるようになったのだ。

 

 いや~、壁は強かった。どんだけ打っても打ち返してくるからね。意思もない機械的な相手だが、俺は一度も勝ったことはない。そもそも壁に勝つと言うのもおかしな話だが、俺のシミュレートする壁君は恐ろしく強かった。あの一時間にわたるラリーの応酬があるから今の俺があるんだよな・・・。何か涙出てきた。これはあれだからな! 別に悲しくてとか寂しくてとかじゃあなくて、過去を懐かしんでのことだからな!

 

 などと無駄に思考を展開している間に既に材木座はミスりまくっている。少し打ちにくいとこ打っただけでこれかよ。先が思いやられるな・・・。ま、トップスピンかけることは丁寧に教えたからホームランは少なくてまだましか。




この間大学のバドミントンの授業でぼっちだったので俺ガイル読んでたら先生に話しかけられた上に、友達と打ってきなよ! と言われました。しかし、俺は比企谷の教え通り壁打ちしてやったぜ(話しかけられなかったとかそういうんじゃありません、断じて。真剣と書いてマジで)

今回1000文字ちょっとというギリギリですが、書きたいとこの繋ぎ回ってモチベ上がんないんですよね・・・。文字数少ない時は、「あ、こいつの書きたいとこじゃないないな」って思ってください。

そして、今回書いたシミュレーションなんですが、”シュミレーション〟と間違いやすいので気を付けましょう。シミュレートもそうです。

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