かなり雑なので、誤字脱字の発見にご協力ください。
遠足も終わり、気づけば高校最初のテスト週間に入ろうとしていた。
中学までとは全く違う環境、そしてテスト範囲。並の生徒では頭を悩ませること必至だろう。しかし俺は違う! 春休みの頃から自分で勉強してきた俺は高校の授業にも難なくついていくことができ、いいスタートダッシュがきれること相違ないはず・・・と言いたいところだが、春休みの勉強を加えてやっと数学はついていける程度。まじか高校数学。中学数学も割と理解するまではしんどかった記憶があるが、レベルが違いすぎる。一瞬ゼミの漫画読んで、申込みかけちゃったぞ。
「あ、ヒッキー!」
ひっきー? 何そのひきこもりの愛称みたいなの。時と場所と性別と相手によってはただのいじめですよ?
「・・・」
一応振り返り、目だけで合図をし、再び前に歩き出す。周りに誰もいない棟で呼んでくれるほど、空気読めるのはさすが。戸塚も一応周りを気遣ってるけど、教室で話しかけるの止めようね。すごい注目されちゃうからね。
「何で待たないし!」
横を向くと、お団子がひょこりと現れ出でて、下にはムッとした由比ヶ浜の表情があった。
「別に同じ教室行くのにわざわざ待つ必要ねえだろ。そこで会うわけだし」
まあ会っても話は女子二人で盛り上がるわけで、俺は参加しないんですけどね。
「こうやって行く最中にも話をするのが普通じゃない?」
「お前の普通が他人にとっての、もっと言えば俺の普通と合致すると思うなよ」
「またそうやって自分は人と違うみたいなこと言う・・・」
呆れ顔の由比ヶ浜は諦めたように溜息を吐く。何勝手に諦めてんだ。俺はやればできる子なんだぞ・・・多分。
「ヒッキーもたまには一緒に話そうよ! きっとゆきのんもそう・・・思ってないかもしれないけど」
「そこで否定しないのかよ・・・」
思わず突っ込んじゃったよ。まあ雪ノ下なら否定できないどころかそれしかないまであるが。
「遠足! 遠足の話とか聞きたい!」
「お前も行ったところ一緒だろうが」
ガラリと引き戸を開け、雪ノ下の鎮座する奉仕部部室へと入室する。
「うす」
「やっはろー!」
「こんにちは、由比ヶ浜さん・・・と比企谷君」
「おい今の間はなんだ」
「ごめんなさい。少しあなたに目を背けたくなって・・・でもいけないわね。一匹見たら百匹はいると言われるものね。臭いものに蓋をせず、しっかりと諸悪の根源を潰さないと」
「怖えよ。お前なら本当に俺くらいなら潰しそうだよ。ところで俺はゴキブリかなんかなのか?」
「あら、気づいていなかったのね。可哀想に」
「その憐れむような目、毎回向けるの止めてくれませんかね」
「ちょっとストーップ!」
「・・・いきなりなにかしら、由比ヶ浜さん」
「どうした? とうとう頭でも壊れたか?」
「壊れてないし! ちょっとヒッキーとゆきのん仲よすぎない?」
「は?」
「・・・由比ヶ浜さん。冗談にも言って悪いものと、悪いものがあるのよ?」
「悪いものしかねえじゃねえか」
どんだけ俺のこと悪いものだと思ってんだよ。いや、奉仕部に入れるのも最初渋ってたけれども。
「由比ヶ浜。今のが仲のいいやり取りに見えるなら本格的に頭の病院に行った方がいいぞ」
「むー・・・」
何この子。頬を膨らませて上目遣いとかビッチすぎる。俺じゃなかったら落ちてるぞ、マジで。
取りあえずむくれる由比ヶ浜を放置して、自席に座り、今日配られたテスト範囲を見る。高校だと各教科ごとに出されるから何か失くしそう。でも見せてもらう友達いないからなくせない。
「ちょっとヒッキー! まだ話し終わってないんだけど!」
「そういや雪ノ下。テスト期間中の部活はどうするんだ?」
「平塚先生に確認はしてあるわ。さすがに禁止だそうよ」
「じゃあ今日で一先ず終わりか」
「え、終わっちゃうの!?」
「テスト勉強いいのかよ・・・」
「それは・・・まだいいし」
「由比ヶ浜さん。勉強というものは積み重ねが大事なの。一年生の最初のことができなければこの先のこともずっとできないのよ?」
「ゆきのん、先生みたい・・・」
ああ、それわかるな。赤縁の眼鏡とか似合いそう。そんで放課後とかは鞭とか持ってそう。それから一部の生徒に人気で・・・
「比企谷君、何か不快な視線を感じたのだけれど」
「・・・気のせいじゃないっすかねえ」
「まあいいわ。とにかく、テスト期間中の部活動は禁止とします」
「あ、じゃあさっ! みんなで勉強しようよ!」
「皆で勉強?」
何それおいしいの? 勉強って一人でするもんじゃないの?
「そうそう! みんなで集まって、喋りながら、わからないところを教え合って勉強するの!」
「私は特にわからないところが無いから必要ないわね・・・。それにわからないところは先生に聞けばいいと思うのだけれど」
俺も特にないしな・・・。数学は、まあなんとかなるだろう。因数分解なんてパターン暗記みたいなもんだし、二次関数はこれからもっとも重要な単元だから死ぬ気で学習したしな。
「ゆきのん・・・だめ、かな?」
あ、これ断れない奴ですわ。
「・・・まあ奉仕部のせいで成績が悪いと言われても困るわね。仕方ないので由比ヶ浜さんの勉強は私が見るわ」
何それすごいこじつけ。普段の雪ノ下なら、勉強できないのは自分の性とか言って切り捨てそうなものだが。由比ヶ浜さんマジで対雪ノ下さん性能はんぱねえ。
「やった!」
「でもここは使えねえんじゃねえの? 部活は平塚先生から禁止されてるんだろ?」
まあ誘われはしないだろうが、由比ヶ浜は予想外の動きをしてくることが多いからな。対策しとくに越したことはない。
「じゃあサイゼとか?」
・・・こいつ、いいやつだな。周りを観察していると、女にサイゼ提案した男は大抵バカにされるか苦笑交じりに断られるかしかなかったからな。サイゼの何が悪いんだ。安くておいしくて学生の味方じゃねえかよ・・・。
「サイゼリアね。じゃあ明日の放課後、そこに集合でいいかしら?」
「だから何で一緒に行くって発想が無いの!? ヒッキーもゆきのんもおかしいよ・・・」
「そこの男と一緒にされるのは非常に不愉快なのだけれど・・・」
「待つ時間が無駄だろ」
「そうね。誠に遺憾ながら、意見が一致してしまったようね」
「一々俺への暴言を挟まないとお前は碌に意見も言えないの?」
「まーた二人の世界に入るし・・・。と・に・か・く! 明日三人で校門前に集合ね!」
「いや、俺は明日あれあるし・・・」
「それゆきのんに抽象的とか言われて何も言えなくなってたやつだし! どうせ何もないんでしょ? 行こうよ!」
「その男を無理に誘うと私の負担が大きくなるでしょう? わざわざ行きたくない人を呼ぶ必要はないわ」
「そうそう。それに勉強は一人でやるもんだ。俺はパスでいい」
「えー!」
一人ぶーたれる由比ヶ浜を雪ノ下が丸め込み、明日から俺は自由の身になった。そ~ら~を自由に、とっびたっいな~! はい、立体起動装置~。使うとGに負けて腰が砕けます。どこかしら砕けます。ここのGは言っとくがゴキブリじゃないぞ? 重力のGだからな。それともう一つ。俺はゴキブリじゃあありません。これも言っとかないとな! ・・・言っとかないとゴキブリと認識されちゃうのかよ、俺。
今日ポケモンダンジョンの予約に行ってきましたが、今からwktkが止まりません。ダンジョンシリーズは今まで外れないですが、大好きなツタージャ系統初登場とかテンションがやばい。ただ赤の思い出補正がやばいからな・・・。