僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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短くてすいません
ネタが浮かばないんです


水族館エリア

「本当に凄いな……ここ」

 

「……父さんの肝いりだって」

 

感心したような雄二の言葉に、翔子はそう言った。

二人が居るのは、水族館エリアである。

その水族館エリアは、暖かい地域の魚や寒い地域の魚が泳いでいた。

その数は、関東随一らしい。

それだけの数、集めるのはかなりの金額が掛かっただろうことは明らかである。

 

「義父さんの?」

 

「……うん。このエリアは、御父さんが自ら監修したんだって」

 

雄二が問い掛けると、翔子はそう答えた。

その理由を翔子は知らなかったが、それは夫婦の思い出からだった。

二人は見合いをして結婚することにしたのだが、翔太は最後のプロポーズをある水族館で行ったのだ。

しかしその水族館は、不況の煽りを受けて閉館。

それを覚えていた翔太は、その思い出の水族館を再現することを決意していた。

そして漸く、そのチャンスが訪れたのだ。

故に翔太は、自身の記憶の中から出来る限り思い出の水族館を再現。

完全ではないが、思い出の水族館を甦らせたのだ。

そのエリアに、翔子と雄二は来ていた。

二人の他には、数人しか居ない。

だが魚達は、関係ないと優雅に泳いでいる。

時折、魚に反射しているのだろう、床や天井に光りが乱反射している。

それが天井の色と相まって、不思議なコントラストを奏でている。

雄二ですら、思わず

 

(ロマンチックだな)

 

と思ったほどだ。

確かに、こういう状況下でプロポーズすれば、成功率は高いだろう。

雄二は翔子の手を掴み、ゆっくりと水槽の前を歩いた。

水槽の中では、ダイバースーツを着たダイバーが魚にエサを与えていた。

二人が見ていると、そのダイバーが手を振ってきた。

翔子が振り返すと、そのダイバーはゆっくりと上がっていった。

それを見送った二人は、更に先に進んだ。

その先にあったのは、トンネル式の水槽だった。

前後で区分けされているらしく、前半にはアザラシやカメが泳いでいた。

そして後半には、小さい種類のサメが泳いでいた。

床は移動式になっていて、上を見ることに意識を集中出来るように配慮されている。

そのエリアを越えると、次は小さい水生物のエリアだった。

 

「これは、タツノオトシゴか」

 

「……こっちは、グッピー」

 

二人はゆっくりと歩きながら、様々な水槽を見た。

 

「うお、こいつ気色悪いな」

 

「……ダイオウグソクムシ。百年近く生きる生物」

 

雄二が少し驚くと、翔子がそう補足した。

そして更に歩くと、イルカを見れるエリアに入った。

一つの大きな水槽の中に、四種類程のイルカが泳いでいた。

 

「やっぱ、人に慣れてるんだな。窓ガラス越しとは言え、近寄ってくるな」

 

「……元々、イルカはコミュニケーションが得意らしいから」

 

雄二が窓ガラスに手を突くと、そこにイルカが集まってきた。

それは、どこか愛くるしさを覚える。

そのエリアを抜けると、ペンギンが見えるエリアに入った。

ペンギンがヨチヨチと岩場を歩き、プールに飛び込んだ。

 

「ペンギンって、本当は足の骨、長いんだよな」

 

「……約二倍近くある」

 

二人はそう会話しながら、様々な種類のペンギンを見た。

すると、飼育員がエサを持ってきた。

ペンギンがその飼育員の周りに集まり、エサをねだっている。

飼育員はバケツの中から小魚を取り出すと、一羽ずつに与えていった。

ペンギンは鳴きながら、その小魚を丸飲みにしていった。

二人はそれを見ながら、歩き続けた。

そして二人は、次の場所に向かった。


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