僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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決着

二人が歩き出して、数分後。

明久と雄二の二人は、常夏コンビと相対した。

その時点で、明久と雄二からは凄まじい(プレッシャー)が放たれていた。

それに気付かず、常夏は

 

「よう、バカ共」

 

「ここで会ったがなんとやらだ」

 

と言った。

だが、二人は無視。

常夏を睨んでいた。

すると常夏は、舌打ちして

 

「本当にてめぇらは、可愛くねえ後輩だな」

 

「挨拶すらねぇとはな」

 

と言った。

そのタイミングで、明久が

 

「御託はいいから、さっさと始めましょうか」

 

と言った、

すると、それに同意するように

 

「だな。こんなバカ騒ぎ、とっとと終わらせようぜ」

 

と雄二が言った。

その発言に苛立ったのか、常夏は額に青筋を立てて

 

「このバカのクソガキ共が!」

 

「いい気になってんじゃねえぞ、役立たずのゴミクズ野郎共が! てめぇらなんざ、俺達の糧にでもなればいいんだよ!」

 

と怒鳴った。

そして、二人して

 

「試獣召喚!」

 

とキーワードを唱えた。

だが、召喚獣は現れない。

すると、常夏の二人は苛立った様子で

 

「おい、どうなってやがる!」

 

「先公! フィールド展開しろよ!」

 

と怒鳴った。

実はこの時、化学の教師はトイレに離れた直撃だったのだ。

そして、代わりの教師が向かっていた。

その教師は、空いていた教師の一人

西村だった。

西村は現れると

 

「すまんが、ここを担当していた中原先生が腹痛で離れたので、俺が代わりに来た」

 

と言った。

そして続けて

 

「それと、どうやらこの調整の影響なのか、今日俺が展開するフィールドは、教科がランダムで選ばれる」

 

と言った。

そして

 

「フィールド、展開!」

 

と言った。

それを聞いて、四人は

 

「試獣召喚!」

 

と同時にキーワードを唱えた。

そして、四人の召喚獣が現れてその上に点数が表示された。

 

古典

 

Aクラス

吉井明久  493点

Fクラス代表

坂本雄二  398点

VS

Fクラス

常村勇作  176点

Fクラス

夏川俊平  185点

 

どうやら、古典だったらしい。

表示された教科と点数を見て

 

「ちいっ! 古典だと!?」

 

「それに、なんだよ。その点数は! おい、鉄人! カンニングだ!」

 

と叫んだ。

すると西村は

 

「カンニングはありえん! この俺が立ち合っていたのだからな!」

 

と怒鳴って否定した。

それを見た明久が

 

「点数が負けてるからと、イチャモンですか? 程度が知れますね」

 

と冷ややかに言った。

すると常夏は

 

「このゴミクズ共が!」

 

「ここで、消え失せやがれ!」

 

と怒鳴りながら、駆け出した。

すると、雄二が飛び出し

 

「行くぜ……点数が低いから、宝具は使えないが!」

 

と言いながら、常夏の二人を剣で打ち上げた。

それを見た明久は、召喚獣に構えさせた。

すると、剣が光輝き

 

「宝具……発動」

 

明久の囁くような言葉を合図に、光の奔流が放たれた。

空中に居た常夏の召喚獣達に、避ける術は無かった。

二体の召喚獣は光の奔流に呑まれ、死体を残すことなく蒸発した。

それを見た二人は

 

「バカな……」

 

「あり得ねえ……優等生の俺達が、こんな役立たず共に負けた……」

 

と言って、両膝を突いた。

そんな二人に、明久は近付いて

 

「優等生ならば、誰かを助けようと考えなかったんですか? 誰かの為に、事を為そう。そう考えなかったのですか?」

 

と喋り出した。

そんな明久の目には、怒りの光が宿っていた。

 

「他人を見下し、学園の先の事を考えず、迷惑を掛けっぱなしのあんたらが、優等生? ふざけたことを言うのも、大概にしろ」

 

そこから明久の声に、怒気が含まれ始めた。

それに気付いたのか、常夏の二人は反論することすら出来ないでいた。

 

「優等生ならばな、誰かの為に事を為せ。先を見据えろ。それが出来ないあんたらは、世界に要らないんだよ」

 

この時常夏の二人には、明久が異様に大きく見えていた。

すると明久が

 

「先輩方……あんたらの内申点、最早回復不可能だろうよ……このイベントの映像、先生方も見ているからな」

 

と言った。

すると、常夏の二人が

 

「んだと!?」

 

「そんなことあるか! 俺達は、成績優等生だぞ!」

 

と怒鳴った。

すると明久は、そんな二人を睨みつけて

 

「成績が良くても人間性がクズだったら、誰も受け入れる訳がないだろ! この戯け! 少しは倫理的に考えろ! その頭は飾りか! 自分達本位で考えたから、こんなことになったんだろうが!!」

 

と怒鳴った。

そして、背中を向けると

 

「それと、先ほど泣かせただろう人達の名前を思い出せ……どっちにしろ、あんたらに先は無い……未来永劫、後悔するがいい」

 

と言って、そこから去った。

そして、少しすると

 

「……ちょっと、不味かったかな?」

 

と首を傾げた。

すると、雄二が

 

「安心しろ。勝負が終わった時に、映像は止まったらしい」

 

と明久に言った。

 

「そっか……ま、言いたいこと言えたから、スッキリした」

 

明久はそう言いながら、軽く背伸びした。

こうして、学年対抗式変則型お化け屋敷戦争は終了。

この後、内装を一部変更し、一般用に開放したのだった。

なお、この後に常夏の二人はまず停学が決定した。

更にその後、出資していた一部家の意向により、両親が呼ばれた。

呼ばれた二人の両親は、事の顛末を知ると深く謝罪した。

しかし、二人には更に霧島家と吉井家、上杉家、武田家

この家々を事実上敵に回したことにより、将来を閉ざされたと言っても過言ではなかった。

特に、吉井家から来ていた明恵の圧は凄まじいものだった。

ほんの一瞬、常夏は自分達が死んだと錯覚した程だった。

そして、明恵は

 

『今後、大学に進学することも、マトモな職に就けるとも思うな』

 

とだけ言って、学園から去った。

こうして、今回の騒動は幕を下ろした。




忘れてましたが、常夏の召喚獣の見た目はウェアウルフとスプリガンです

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