僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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お待たせしました
熱中症で倒れたり、仕事疲れで執筆途中で寝ちゃったりして遅れました


夏休み編
夏休み、始まる


合宿が終わった二日後。

明久は、自宅で料理の本を読んでいた。

本来は登校日なのだが、合宿が土曜日まで行われたので代休である。

しかし、覗きに参加した男子達。

更には、島田、姫路、清水の面々は親と共に学校にて学園長から合宿での覗きと盗撮事件についてお達しが通達されているだろう。

尚、後に聞いた話では、覗きに参加した男子達は全員、一週間の停学処分。

姫路と島田に関しては、一ヶ月の停学処分と週三日で放課後に三時間の道徳の補習。

そして、清水に至っては、無期限の停学処分

実質の留年である。

しかも、来年は強制的にFクラスが決定した。

この決定に、当初は清水の父親が抗議したが、それは母親によって鎮圧された。

見ていた西村曰く

 

『見事な手際だった』

 

とのことだった。

あの西村に言わせたのだから、本当だろう。

清水母、恐るべし。

そして、明久はカレンダーを見てから

 

「もうすぐ、夏休みかぁ……」

 

と呟いた。

もう、7月も半ばで来ている。

後数日もしたら、夏休みに入る。

さて、今年はどうしようか

明久はそう考えると、微笑みを浮かべた。

去年からしたら、考えられないことだった。

去年はいかに目立たずに居るか、それを考えていた。

だが今は、皆と楽しく遊べるかが気になっていた。

不思議なものである。

そして、明久が夏休みに思いを馳せていると

 

「明久。ご飯ですよ」

 

とエプロンを着けた謙信が現れた。

 

「うん。今行くよ」

 

明久はそう答えると、本を机の上に置いてから部屋を出た。

こうして、明久の日常は過ぎていく……。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

数日後

 

「……以上で、一学期を終了します。それでは皆さん、よい夏休みを」

 

高橋女史はそう言うと、ノートパソコンを持って教室から退室した。

すると、教室の至るところから楽しそうな声で会話が始まった。

内容はおおよそ、夏休みをどう過ごすかである。

明久が背伸びしていると、もはや顔馴染みのメンバーが明久の机の周りに集まって

 

「夏休みですね」

 

「……成績は、どうだった?」

 

と明久に問い掛けてきた。

明久は通知表を見せてから、夏休みはどうするか話そうとした。

その時、ポケットに入れてた携帯が震えた。

 

「ちょっとごめん」

 

明久は一言断りを入れてから、携帯を取り出した。

メールの差出人は、母親だった。

内容は

 

『今月の25日から三日間、空いてるか皆に聞いて』

 

というものだった。

皆というのは、恐らく何時ものメンバーだろう。

しかし、なんでだろう? と思いながらも、明久は

 

「皆、今月の25日から三日間、予定空いてる?」

 

と問い掛けた。

すると、翔子が直ぐに

 

「……私と雄二は空いてる」

 

と答えた。

それを聞いて、明久は

 

「なんで、雄二の予定まで?」

 

と翔子に問い掛けた。

すると、翔子は親指を立てながら

 

「……雄二の予定は、頭に入ってる」

 

と答えた。

愛が、重い………

明久がそう思っていると、他のメンバー達は空いてると答えた。

後は、雄二以外のFクラスメンバーだ。

故に明久は、ライ⚪を使った。

 

『今月の25日から三日間、空いてる? 雄二は空いてるの知ってるから』

 

と問い掛けた。

すると

 

『なんで、俺の予定を知ってるんだよ』

 

と雄二から来た。

それに対して、明久は正直に

 

『霧島さんが覚えてたんだ』

 

と答えた。

 

『なら、仕方ねえ』

 

『仕方ないのかのう』

 

『……受け入れてるのか』

 

雄二の言葉に対して、秀吉と康太から突っ込みが来た。

そして、信繁から

 

『霧島の愛が、重いと思われる件について』

 

と来た。

それに対しては

 

『慣れた』

 

『慣れたんかい!!』

 

という、やり取りがあってから少しして

 

『ワシは空いてるぞ』

 

『……俺も空いてる』

 

『俺達は全員空いてるぞ』

 

と来た。

それを受けて、明久は母親に全員空いてると返信した。

すると直ぐに

 

『だったら、朝八時に羽田空港に集合!』

 

と来た。

 

「はい?」

 

その文章を見て、明久は首を傾げた。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

当日の正午

 

「ウィーアーイン! 沖縄!」

 

明久達は、沖縄に居た。

正確には、沖縄の西表島のとある一角の砂浜だった。

 

「母さん、説明」

 

「はい」

 

明久が問い掛けると、明恵は砂浜に正座した。

今明久達が居るのは、なんと、吉井家のプライベートビーチらしい。

そして、明恵は明久の数少ない友人達に感謝を込めて、そのプライベートビーチに招待したらしい。

なお、飛行機代は全て吉井家持ち。

お土産すら、既に手配済みらしい。

なんという手際の良さだろうか。

 

「だったら、ちゃんと説明してよ! いきなり空港に召集されて、飛行機に乗せられて、気付いたら沖縄の西表島だよ!? 驚いたからね!?」

 

「ドッキリがいいかなって」

 

「ドッキリすぎだよ!?」

 

後に聞いたら、飛行機もプライベートジェット機だったらしい。

明恵は立ち上がると、全員を見渡して

 

「それじゃあ、皆! 好きに遊んでねぇ!」

 

と声を上げた。

こうして、明久達の夏休みが始まったのだった。


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