それと、短くてすいません
書き方、変えました
明久達は、覗きの真犯人が分かるまで、Fクラス男子達を止めることに注力することにした。
とはいえ、先日のことを考えると明久達だけでは戦力的に覚束ないのは明白だ。
しかも、Fクラス男子達は援軍を呼ぶだろう。
そうなったら、明久達は数の暴力に負けるのは目に見えている。
だったら、こちらも援軍を呼べばいいという結論に達した。
そのために、明久と謙信はAクラス男子達の所に訪れた。
彼らなら、明久達に協力してくれると判断したからだ。
だから、明久自ら赴いたのだ。
「なるほど…………そういうことだったのか」
明久の話を聞いて、久保は納得した様子で頷いた。
久保もどうやら、覗き騒ぎから連なる事件を知っていたようだ。
「お願い、力を貸して」
明久はそう言いながら、深々と頭を下げた。
すると久保は明久の肩に手を置いて
「頭を上げてくれ、吉井君」
と言った。
明久が頭を上げると、久保は真剣な表情で
「今回の件、僕らも無関係じゃない。真犯人が見つからない限り、僕らだって犯人扱いされかねない。だから、協力するよ」
と言った。
その言葉を聞いて、明久は嬉しそうにしながら
「ありがとう、久保くん!」
と感謝した。
こうしてAクラス男子達の協力が決まったが、問題は真犯人だった。
真犯人を見つけるためには、吉井本家からの電波探知機が必要である。
今明久達が居るのは、文月市よりも遠い場所だ。
最低でも、数時間は掛かるだろう。
そのことを危惧していたが、颯馬曰く
『なんでも、ヘリを使うとか……』
と苦笑いを浮かべていた。
それを聞いて、明久は
(頼むから、目立たないようにお願いします………)
と祈った。
それはさておき、明久達に打てる手は全て打った。
後は、バカな男子達の覗き行為を食い止めながら、真犯人を見つけ出して、なぜ覗き行為をしたのかを知るのみだ。
だから明久は、防衛戦のための作戦を練った。
Fクラス男子達は前回のことを鑑みて、増援を頼むだろう。
数の暴力に対して無策で挑んだら、あっという間に負けるのは目に見えている。
だから、作戦を練る。
その為の知将ならば、既に居る。
Fクラス代表、坂本雄二。
同じくFクラス、軍師武田信繁。
Aクラス軍師、天城颯馬。
三人の軍師は、自分達の思い付く限りの作戦を提案し、互いに修正し、そして完成した。
その作戦は、召喚獣を使った戦いだった。
確かに、数においては劣っている。
だから、自分達が勝っているので数の差を補う。
それが、点数だった。
Fクラス男子達や他のクラスよりは、自分達の点数が勝っているのは百も承知だった。
だからそれを活かすために、召喚獣を使った戦いをするのだ。
そうすれば、数の差は覆せるはずである。
なにせ、試験召喚獣での戦いに敗れたら、補習室送りなのだから。
「これなら、数の差はなんとかなるな」
「ああ……後は、覗きの真犯人だな」
「そちらは、吉井本家の隠密班が動いてます」
雄二の言葉に颯馬がそう返すと、明久が頷き
「それじゃあ、先生達に協力を頼もうか」
と言った。
すると、信繁が立ち上がって
「それに関しては、俺がやろう。西村先生と高橋女史、それと数人でいいな?」
と言った。
「お願いね、信繁」
明久がそう言うと信繁は頷いてから、部屋から去った。
今現在の時刻は、夕食が終わった午後8時少し前。
恐らく、Fクラス男子達が動くのは女子が入り始める8時半からだろう。
明久達は、動き始めた。
防衛戦のために。