これが限界だ…………
女子達が去って数分後、明久達はまだ入浴時間にならないので談笑していた。
すると、廊下が騒がしいことに気付いた。
「なんだか騒がしいね……」
「少し聞いてきます」
明久の言葉を聞いて、颯馬は廊下へと出ていった。
そして数十秒後、颯馬が慌てて戻ってきて
「大変です! Fクラス男子達が、女子風呂を覗きに行ったみたいです!」
と叫んだ。
それを聞いて、明久は
「今、どこが入ってるっけ?」
と雄二に問い掛けた。
すると雄二は、立ち上がりながら
「AクラスとFクラスだ……」
と答えた。
それを聞いて、明久達も立ち上がった。
「騎兵隊……行こうか」
明久がそう言うと、雄二達は無言で頷いた。
「ひゃっはー! 邪魔だ教師共!」
「今の俺達は止められないぜー!!」
まるで、世紀末のやられキャラのようなセリフを言いながら、
そんなFクラス男子達を止めようと何人かの教師達が立ちふさがるが、それをFクラス男子達は数に物を言わせて集団で倒していく。
そして、一階の大広間に到着した時だった。
「そこまでだ、バカどもが」
「……行かせると思うか?」
女子風呂のある地下へ行くための階段の前に、明久達が居た。
「邪魔だ、この裏切り者達が!」
「死にさらせえ!」
Fクラス男子達はそう叫ぶと、持っていた武器を明久達へと振り下ろした。
だが、そんな粗末な攻撃を食らう明久達ではない。
「ギャアアアア!?」
次の瞬間、悲鳴を上げながら飛んでいたのはFクラス男子達だった。
「お前ら、忘れてないか?」
「俺達、めっちゃ強いぜぇ?」
そこには、阿修羅すら凌駕する存在が居た。
「確かにお前達は強いが、俺達は数が居るぞ!」
「しかも、復活も早い!」
一人がそう言うと、先ほど吹き飛んだ男子が起き上がった。
「HPが低くとも、復活は早いのう」
「どこの花札のワカメだ」
その光景を見て、秀吉と信繁は呆れた。
しかし、状況は悪くなっていった。
最初は明久達が勝っていたが、Fクラス男子達はまるでゾンビのように何度でも立ち上がってくる。
それにより、徐々に追い詰められていた。
気づけば、階段の中ほどまで後退していた。
「これ以上はヤバいぞ!」
「ここを突破されたら……」
「……女子風呂まで一直線だ」
信繁達の言葉を聞いて、明久と雄二はまた数人の男子達を倒して歯噛みした。
その直後、階段の踊場に一冊の本
辞書が落ちた。
しかも、風も無いというのにページが開き、螺旋を描くようにページが舞い上がった。
「な、なんだ!?」
「一体、何が……」
双方が驚いていると
「問題児は補習!」
と聞こえて、舞っていたページが吹き飛んだ。
そして現れたのは、神父のような服装に銃剣を両手に持った西村だった。
「アンデルセ○神父だー!?」
Fクラス男子達は驚くが、明久達は呆然としていた。
「吉井、お前達には感謝しよう……おかげで、こいつらを呼ぶのが間に合った」
西村はそう言うと、深呼吸してから
「汝らに問う! 汝らはなんぞやぁ!?」
と問い掛けた。
すると、明久達の後ろに二十人近くの男女が現れて
「我らは補習官! 問題児に補習を課す者なり!」
と返答した。
「ならば付いて来い! 十万億土を超えて行けええぇぇ!」
「はっ!!」
西村が駆け出すと、二十人近くの男女達も後に続いた。
「う、うわあぁぁぁぁ!?」
「に、逃げろおぉぉぉ!?」
Fクラス男子達は一斉に逃げ出すが、次々と捕まっていった。
そして、Fクラス男子達は全員、補習官へと連行されていった……