僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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遅くなってすいませんでした

試合展開に悩んだのと、仕事が忙しかったので遅くなってしまいました

では、どうぞ


Aクラス対Fクラス その1 双子

午後1時

 

場所 Aクラス教室

 

「それでは、これよりAクラス対Fクラスの代表者による一騎打ちを行います」

 

そう宣告したのは、Aクラス担任にして学年主任の高橋女史である。

 

「それでは第一回戦を始めます。両クラスの一人目、前へ!」

 

と、高橋女史が言うと

 

「それじゃあ、あたしが出るわ」

 

Aクラスからは、木下優子が

 

「ふむ、ワシが行こうかのう」

 

Fクラスからは、弟の木下秀吉が出た。

 

「教科を選択してください」

 

と、高橋女史が催促すると

 

「あんたが選んでいいわよ」

 

優子は、選択権を秀吉に譲った。

 

「む? それならば、古典をお願いするのじゃ」

 

秀吉は一瞬、眉をひそめたが、好意に甘えたのか教科を選んだ。

 

「古典承認します。召喚してください」

 

と、高橋女史が促すと二人は頷き

 

試獣召喚(サモン)!」

 

同時にキーワードを唱え、召喚獣を召喚した。

 

古典

 

Aクラス 木下優子 328点

 

VS

 

Fクラス 木下秀吉 289点

 

「な!? 秀吉、あんた! その点数は!?」

 

優子は表示された表示の点数を見て、驚いていた。

 

「なにのう。Aクラスと戦うのに、点数が低いままでは勝てないのはわかっておったのじゃ。じゃから、信繁達に教えてもらったのじゃ」

 

秀吉は自信に満ちた瞳で、優子を見ながら告げた。

 

その時

 

「試合、開始!」

 

高橋女史が、ゴングを鳴らした。

 

「先手必勝!」

 

始まると同時に、優子が即行で召喚獣の右手の突撃槍(ランス)を突き出した。

 

秀吉は、それを冷静に見極めて

 

「ふっ!」

 

短い呼気と共に、薙刀の柄で下に逸らして

 

「はぁっ!」

 

流れるような動作で、一閃した。

 

「くっ!?」

 

優子は急いで、身を捻ったが避けきれず

 

Aクラス 木下優子 287点

 

点数が減り、僅かに秀吉の点数を下まった。

 

「一つ言い忘れたのじゃが、教えてもらったのは勉強だけではないのじゃ。真田には槍術も教えてもらったのじゃ」

 

「槍術ですって?」

 

秀吉の言葉に優子は、目を細めた。

 

「うむ。あまり詳しくは言わんが、その技を応用しておるのじゃ」

 

そこまで説明すると秀吉は、薙刀を構えて

 

「無駄話はここまでじゃ、参る!」

 

気合いと共に、駆け出して

 

「はぁ!」

 

秀吉は短い気合いと共に、連続突きを放った。

 

「くっ!」

 

優子は慌てながらも、バックステップで避けた。

 

「ならば!」

 

避けられた秀吉は、薙刀を戻して

 

「せいっ!」

 

召喚獣を独楽のように回した。

 

「くっ!」

 

優子はランスを縦に構えて、薙刀を受け止めた。

 

その衝撃により、優子の召喚獣は後ろに押しとばされた。

 

秀吉の召喚獣は優子を追わず、その場で薙刀を構え直した。

 

「追撃しないなんて、随分と余裕じゃない」

 

優子は睨みつけながら、秀吉に問い掛けると

 

「無闇に深追いしすぎるなというのも、師匠の教えでのう」

 

油断無く構えながら、そう返した。

 

「やられっぱなしってのも、趣味じゃないし……行くわよ!」

 

「うむ、来るのじゃ!」

 

そこから、二人の激戦が始まった。

 

時には弾き、突きあい、拳が、なぎ払いが当たり

 

そして、数分間の激戦の結果

 

古典

 

Aクラス 木下優子 37点

 

VS

 

Fクラス 木下秀吉 35点

 

お互いに、あと一撃で決着がつきそうになった。

 

「まさか、あんたがここまでヤるなんて、思いもしなかったわ」

 

「ワシにも、男の意地があるのでのう」

 

優子の言葉に、秀吉がそう返すと

 

「後、一撃……」

 

「これが、最後の一撃じゃ……」

 

二人はそう言いながら、召喚獣の身を低くして

 

「っ!」

 

同時にお互いに向けて突撃した。

 

そして、二人の攻撃は

 

秀吉の召喚獣の薙刀は、優子の召喚獣の胸元に

 

優子の召喚獣の突撃槍(ランス)は、秀吉の召喚獣の腹部を貫通していた。

 

その結果

 

古典

 

Aクラス 木下優子 0点 戦死

 

VS

 

Fクラス 木下秀吉 0点 戦死

 

お互いに、戦死となっていた。

 

その瞬間

 

「第一回戦、引き分け!!」

 

高橋女史が、勝負の結果を宣言したのだった。


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