僕と戦極姫と召喚獣   作:京勇樹

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遅くってすいません

仕事が忙しいんです

それでは、どうぞ


Bクラス戦 開戦! そして……

悲劇の昼休みを終えて、5時間目終了後にFクラスはBクラスに対して宣戦布告

 

なお、死者には須川が逝った。(両方とも誤字に非ず)

 

開戦は翌日の昼休み終了後となった。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そして、翌日の昼休み

 

「全員、補給テストご苦労!」

 

そう言ったのは、教壇の位置に立っているFクラス代表の坂本雄二である。

 

「これからBクラスと試召戦争を行うが、お前ら……気合いは十分か?」

 

「オオオオォォォ!」

 

雄二の問い掛けに、Fクラスの全員は雄叫びで答えた。

 

イレギュラーな成績上位者以外のFクラス唯一の武器である。

 

「今回の戦いは如何に、相手を教室内に押し込めるかが鍵だ! だから、渡り廊下戦は絶対に負けられない」

 

雄二はそこで一旦区切り、全員の顔を見回して

 

「今回、前線指揮官を姫路に任せる」

 

と、視線を姫路に向けた。

 

「が、頑張ります!」

 

指名された姫路は、小さくガッツポーズを取りながら意気込んだ。

 

そのタイミングで、開戦の合図(チャイム)が鳴った。

 

「よし、行ってこい! 目指すは、システムデスクだ!」

 

「おう!」

 

雄二の号令を受けて、第一陣が教室を飛び出していった。

 

場所は変わって、渡り廊下

 

Fクラス第一陣が走っていると

 

「居たぞ! Bクラスの連中だ!」

 

廊下の反対側から、Bクラスの生徒達が余裕からか、ゆっくりと歩いていた。

 

「高橋先生を連れてるぞ!」

 

歩いてるBクラスの中間辺りに、高橋先生の姿があった。

 

Fクラスとしては、Bクラスが文系が多いから、理数系の科目で戦う予定だった。

 

が、Bクラスは短期決戦を目論んでいるらしい。

 

そして、双方のクラスが交戦距離に入った瞬間

 

試獣召喚(サモン)!」

 

総数30名以上が一気に、キーワードを唱えた。

 

総合科目

 

Bクラス 御手洗一馬(みたらいかずま)  VS  Fクラス 田島宏人(たじまひろと)

 

     1568点              560点

 

数学

 

Bクラス 永田美智子(ながたみちこ)  VS  Fクラス 横溝浩二(よこみぞこうじ)

 

     160点                 75点

 

Bクラス 黒崎由利子(くろさきゆりこ)  VS  Fクラス 武藤啓太(むとうけいた)

 

     145点                 68点

 

しかし、あまりにも地力差が激しすぎた。

 

「た、助け!」

 

「誰か、誰かぁ!」

 

あっという間に、阿鼻叫喚の地獄絵図と化した。(Fクラスにとっては)

 

「見てください兄上。クラスメイト達がまるでゴミのようです」

 

「幾らなんでも、不甲斐なさ過ぎる………」

 

「まぁ、基本的にバカだしな」

 

上から信玄、幸村、信繁の順である。

 

三人はお互いの顔を見ると頷いて

 

「そんじゃあ、そろそろ助けるか」

 

「そうですね」

 

「では、先陣は私が勤めます」

 

そこまで言うと、三人は一歩前に出て

 

試獣召喚(サモン)!!」

 

同時にキーワードを唱えた。

 

すると、三人の足元に幾何学的な魔方陣が浮かび上がり、次の瞬間には軽い爆発音が響いた。

 

そして、召喚獣が現れて、点数が表示された。

 

総合科目

 

Fクラス 武田信繁  3987点

 

Fクラス 武田信玄  4057点

 

数学

 

Fクラス 真田幸村  300点

 

「な、なにーー!?」

 

Bクラスの生徒達に、動揺が走った。

 

「なんだあの点数は!?」

 

「Aクラス並だぞ!」

 

「本当にFクラスか!?」

 

と、動揺していた瞬間

 

「はぁ!」

 

幸村の召喚獣が、武器の月型十文字槍を振るった。

 

その結果

 

Bクラス 永田美智子&黒崎由利子 0点

 

二人を一撃で葬った。

 

「な……」

 

「一撃なんて………」

 

二人が呆然としていると

 

「戦死者は補習ーーーーーーー!!」

 

西村先生がロープを使って、窓から現れた。(某伝説の傭兵風の衣装)

 

「い、イヤァァァァァァァァ!!」

 

しかも、二人を担いで走り去った。

 

それを見た信繁たちは冷や汗を流して

 

「あの先生は本当に人なのか?」

 

「私にはわかりません……」

 

「あれは、私から見ても人間離れしてます……」

 

と、西村先生が走り去った方向を見て呟いた。

 

すると、そのタイミングで

 

「す、すいません………遅れました……」

 

姫路が現れた。(逃走中のナレーション風)

 

「来たぞ!」

 

「姫路瑞希だ!!」

 

Bクラスの生徒達は姫路の姿を確認すると、身構えた。

 

「え、Fクラスの姫路が数学で挑みます! 試獣召喚(サモン)!!」

 

姫路がキーワードを唱えると、先ほどと同様の現象が起きて、召喚獣が現れた。

 

すると

 

「私が相手になります!」

 

「律子、私も手伝う!」

 

姫路の前に、二人の女子が現れた。

 

試獣召喚(サモン)!」

 

数学

 

Fクラス 姫路瑞希 412点

 

VS

 

Bクラス 岩下律子(いわしたりつこ) 187点

 

Bクラス 菊入真由美(きくいりまゆみ) 152点

 

「あ。姫路さんの召喚獣、アクセサリーなんて着いてるんだね」

 

姫路の召喚獣の腕に腕輪が着いてるのに気付いた岩下が、姫路に問いかけた。

 

「あ、はい。数学は結構解けたので」

 

聞かれた姫路も、普通に答えたが

 

「ふーん………って、腕輪!? ヤバいじゃない!!」

 

「勝てるわけが!!」

 

と、二人が狼狽した瞬間。

 

「では、行きます!!」

 

そう言って、姫路の召喚獣が腕を突き出すと

 

「ま、待って!?」

 

「と、とにかく回避!!」

 

二人は慌てて回避しようとするが

 

間に合わず

 

キュドン!!

 

姫路の腕輪から放たれた熱線が、2体の召喚獣を飲み込んだ。

 

その結果

 

Bクラス 岩下律子&菊入真由美 0点

 

一撃で二体共、消え去った。

 

「い、岩下と菊入が戦死しただと!?」

 

「しかも一撃!?」

 

「ちくしょう! 噂以上に化け物だ!」

 

姫路の腕輪と点数を見たBクラスに大きく動揺が走った。

 

「み、皆さん! がんばってください!」

 

と姫路が指揮官だからか、そんな声援を送るが

 

「いや、姫路よ。指揮官としてはどうよ?」

 

「もう少しまともな指示を」

 

と、信繁と幸村が抗議した瞬間

 

「よっしゃーーー! 姫路さん最高!」

 

「マジ女神!!」

 

「愛してます!!」

 

なぜか、姫路信者急増中だった。

 

「バカばっかです………」

 

信玄は頭が痛くなったのか、額に手を当てていた。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そのまましばらく戦っていると

 

「すまぬ、ワシは一旦教室に戻るぞい」

 

と、秀吉が信繁たちに告げてきた。

 

「ん? どうした?」

 

「どうしました?」

 

「補充ですか?」

 

と信繁たちが聞くと、秀吉は首を振って

 

「いや、少し悪い情報でのぅ」

 

と苦い表情をした。

 

「悪い情報ですか?」

 

「うむ。聞いた話じゃと、Bクラスには根本が()るらしいのじゃ」

 

秀吉の言葉を聞いた信繁が唸りだして

 

「根本って……確か、明久から聞いたな……」

 

と、呟いた。

 

根本恭二(ねもときょうじ)

 

この男を一言で表すならば”卑怯”の一言に尽きるだろう。

 

<テストでカンニングは当たり前>や<喧嘩で刃物は標準装備(デフォルト)>、<球技大会では対戦相手に一服盛った>等々、自分の目標のためならば手段を問わない男なのだ。

 

「少し心配でのう。一応戻るのじゃ」

 

「なるほど。それじゃあ、俺達も行こう」

 

秀吉の言葉に、信繁たちも従い教室に向けて走り出した。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

そして、教室に到着したが

 

「これは、また………」

 

「酷い……」

 

「点数補充に響くのぅ……」

 

教室に到着した面々が見たのは、荒らされてボロボロになった教室だった。

 

とその時、信繁たちが入ってきたのとは反対側のドアが開いて、雄二と数名のFクラスの生徒達が入ってきた。

 

「これは……なにがあった?」

 

雄二も流石に、教室の荒れ模様に驚いていた。

 

すると、秀吉が近づいて

 

「恐らく、根本じゃろうな。Bクラスに根本が()るらしいのじゃ」

 

秀吉の言葉を聞いた雄二は、歯噛みして

 

「ちぃ、根本の小者か……確かに、あいつならやりそうな事だな」

 

と、頭を掻いた。

 

「それより、どうして雄二は教室を離れたのじゃ?」

 

と秀吉が問いかけると、指示をしていた雄二が振り向いて

 

「ああ、向こうの代表から協定の申し込みが来たんだ。午後4時で終わらなければ、試召戦争は一時中断して、明日に再開ってな」

 

と、気だるそうに告げた。

 

「しかし、このまま戦っていれば、我々のほうが有利では?」

 

雄二の言葉を聞いて疑問に思ったのか、信玄が首をかしげた。

 

「確かにな、だけど、姫路は違うだろ?」

 

という雄二の言葉を聞いた信繁たちは、一瞬驚いた表情をした。

 

「あいつは確かに、ウチの最強戦力の一人だが、スタミナが無い。正直言って、今回の協定はありがたかったからな。乗らせてもらった」

 

と、雄二が言った瞬間だった。

 

ドアが乱暴に開けられて、一人の男子が駆け込んできた。

 

「大変だ!」

 

「どうした?」

 

「島田が人質にとられた!」

 

男子からの報告を聞いた雄二は、視線を信繁たちに向けた。

 

すると

 

「あの女は……」

 

「指揮官代行を頼んだというのに………」

 

と、信繁と信玄が頭を抱えていた。

 

「そっちの対応は任せる。好きに処断しろ」

 

「わかった」

 

雄二の言葉に頷くと、信繁たちは走り出した。

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

場所は変わって、渡り廊下

 

「お前ら、動くなよ!? 動いたら、こいつを戦死させるからな!」

 

そこでは、島田が二人のBクラスの生徒に召喚獣ごと捕まっていた。

 

そして、それをFクラスの生徒達が囲んでいるが、島田が人質に取られているので、攻めあぐねていた。

 

すると、信繁達が到着した。

 

「島田………」

 

「あなたは、なにをしてるんですか……」

 

「指揮官代行を頼んだのに………」

 

三人は島田が捕まってるのを見ると、頭を抱えた。

 

「お前ら! なんでこいつが捕まったか、わかるか!?」

 

という、Bクラスの生徒の問いかけに三人は同時に

 

「バカだからだろう?」

 

「バカだからでしょう?」

 

と確信めいた口調で、口走った

 

「殺すわよ!?」

 

三人の言葉に、島田は逆ギレした。

 

「こいつな、Aクラスの吉井が保健室に運ばれたって情報に騙されて、ホイホイ向かったんだぜ?」

 

Bクラスの生徒の言葉を聞いた三人は、眉をひそめて

 

「それは本当か? 島田」

 

と、島田に視線を向けた。

 

「そ、そうよ……心配したのよ……悪い?」

 

島田は頬を染めて、視線をそらした。

 

「なるほど………」

 

「まぁ……知人を心配するのは、人として当然…」

 

と、幸村と信玄が呟いた瞬間

 

「吉井が上杉とかいう女のパンツを見て、鼻血を吹いて倒れたって聞いたから、オシオキしようと思ったのよ!!」

 

と、大声で叫んだ。

 

そして、その言葉を聞いた三人の雰囲気がガラリと変わって

 

「総員……突撃!」

 

と三人同時に、号令を下した。

 

「え!?」

 

「はぁ!?」

 

「な、なに!?」

 

上から、島田、Fクラス男子達、Bクラスの二名である

 

三人以外は全員、同じように驚いている。

 

「ちょ、ちょっと待て!? それでいいのか!?」

 

代表して須川が、三人に詰め寄った。

 

「ああ……すまんな。言葉が足りなかったようだな……」

 

「ですね……」

 

「ええ……」

 

と、三人が号令をしなおす様子になったので

 

「だ、だよな……ふぃー、驚いたぜ……」

 

と、須川が安心した瞬間

 

「そこの役立たず諸共、撃破しろ!!」

 

と、更に上の号令を下した

 

「な、なにーーーーー!?」

 

「な、なんでよ!?」

 

完全に予想外だったのか、全員驚いていた。

 

「明久はAクラスなんだぞ!? 今回の試召戦争には無関係だろうが!!」

 

「あなたは指揮官を任されたんですよ!? その指揮官が独断行動をしていいわけがありません!!」

 

「しかも、あなたが人質にとられたから、こちらがピンチになってるんです! 少しは反省してください!!」

 

と、三人は立て続けに言うと、最後に

 

「なにより、あの明久がそう簡単に鼻血なんて流すかーーーー!!」

 

と、口をそろえた。

 

三人に剣幕に、全員が固まっていると

 

「あなたの顔を見るのも不愉快です……」

 

「だな、幸村」

 

「はい……試獣召喚(サモン)

 

信繁の命令に従って、幸村が召喚獣を召喚した。

 

Fクラス 真田幸村

 

英語   200点

 

VS

 

Bクラス 立花司郎(たちばなしろう)

 

英語    23点

 

Bクラス 今井冬彦(いまいふゆひこ)

 

英語    34点

 

Fクラス 島田美波

 

英語    55点

 

となって

 

「この一撃……船賃の代わりとしれ」

 

と幸村が、高速の連続突きを放った。

 

その結果

 

立花司郎&今井冬彦&島田美波

 

     0点

 

となった。

 

その瞬間

 

「戦死者は補習ーーーー!」

 

と、なぜかダンボールの中から、鉄人が現れた。

 

そして、あっという間に三人を連行していった。

 

 

この後、信繁たちの指示により、Fクラスは多大な犠牲を払いながらも、Bクラスを教室内に押し込めることに成功したのだ。

 

 

そして

 

「ふむ……」

 

午後四時を回ったので、試験召喚戦争は一時中断となった

 

その教室内では、雄二が報告書を見て唸っていた

 

「どうだ、坂本。このままイケそうか?」

 

「まぁ、ちょいとばかし、被害は多いが……作戦には支障はない」

 

信繁の問いかけに、雄二は報告書を机の上に置きながら呟いた

 

すると、ムッツリーニが現れて

 

「なに? Cクラスに不穏な動きだ?」

 

「……ああ。察するに、試召戦争の準備をしているようだ」

 

ムッツリーニの言葉を聞いた雄二は悩むと

 

「狙いはAクラス? …………いや、漁夫の利を得るつもりか。いやらしい連中だな」

 

と、顔をしかめた

 

「どうする?」

 

と信繁が聞くと

 

「交渉したいが、なんでこのタイミングなのかが気になるな……ムッツリーニ、Cクラスの代表は誰だ?」

 

と雄二が聞くと

 

「……俺の調べでは、小山友香(こやまゆうか)という女子だ」

 

「小山………思い出した。確か、根本の彼女って女だ」

 

雄二はそう呟くと、髪をグシャグシャと掻いた

 

「どうすっかな……Dクラスを動かすか? いや、Dクラスはあの作戦で使うから………」

 

と、雄二はしばらくブツブツと呟くと

 

「仕方ない……迷惑は掛けたくなかったんだがな……」

 

と、雄二は嘆息すると

 

「Cクラスに関しては、俺のほうがなんとかする。今日は解散!」

 

と、雄二の一言で解散となった

 

◇   ◇   ◇   ◇   ◇   ◇

 

「なんでウチがあんなめに……」

 

と、ブツブツと呟いてるのは、島田美波である

 

どうやら、補習室送りにされたのが不本意らしい

 

「悪いのは吉井じゃない……」

 

と、島田が自宅アパートのドアノブに手をかけた時だった

 

「ん? 宅配便?」

 

ドアの隣にある不在受け取り箱に、ダンボールが入れられていた

 

島田はそれを取り出して、荷札を見た

 

「ウチ宛?」

 

それには、<島田美波様へ>

 

と書かれていた

 

島田は相手を確認しようとしたが

 

「名前が書かれてない……」

 

名前が書かれてなかった

 

そのことに首を傾げるが、島田は荷物を持って家に入った

 

そして、ダンボールを開けると中に入ってたのは

 

「腕輪?」

 

それは、赤い腕輪だった

 

赤い、紅い、赫い

 

不気味なくらい赤い腕輪だった

 

島田は、しばらくそれを見つめていたが

 

「ん? 紙?」

 

ダンボールの中には、一枚の紙が入っていた

 

「えっと……好きな相手との召喚獣戦で使うと……思いが伝わる?」

 

それを読んだ島田は、紙を握りつぶすと

 

「待ってなさいよ……吉井……」

 

と、呟いていた……


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