妖怪屋   作:月神白夜

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皆さん、おはこんばんちわ!作者の白夜です

「主人公の幽斗だ」

さて、今回のお話で妖怪屋の日常編ラストですね!

「そうだな、やっと終わったぜ・・・」

まぁ、小説としてはまだ始まったばかりなんですけどねw

「はぁ、考えただけでもダルい」

そう言わないで下さいよ~!話的に今までがプロローグみたいなものなんですから~

「・・・・・・・・」

ちょっと!主人公がしちゃいけない顔してますよ!

「・・・・帰っていいか?」

駄目です!ここに来たんだから最後までやっていって下さいよ~

「じゃ~もう、何時ものやって終わろうぜ~」

・・・・うわ~、物凄く投げやりになりましたね~
はぁ、わかりましたよ。では第6話、妖怪屋の日常~夜の部~ではいったいどんな物語が紡がれるのか、そして新キャラも出て来るのでどうぞ

「「お楽しみください」」



妖怪屋の日常~夜の部~

 

 

-妖怪屋事務所-

 

 

「バカかテメーは!」

 

「ひぅっ!・・・・うぅ、だって~」

 

事務所の中に二つの声が響く

声の持ち主は顔を怒りと呆れに染めた幽斗と、昼の一件の事で叱られて泣きそうな顔の小白

 

「だっても何もあるか!・・・ったく、余計な事しやがって」

 

「っ!余計な事って何よ!私は幽斗君を助けようとしただけだもん!」

 

「それが余計な事だって言ってんだ」

 

ピシャリと幽斗が言い切る

 

「いいか、お前あの時俺が間に入らなかったらどうなっていたと思う?考えるまでも無い、お前があいつらの標的になってただろうな。いや、あいつらだけじゃない、周りの奴らだってお前から離れていく。俺と同じ・・・とまではいかなくてもそういう扱いを受ける。お前はそこまで考えていたか?」

 

幽斗は、小白の目を普段からは考えられない程真剣に見つめながら語りかける

 

「・・・・・・・」

 

小白は答えなかった。否、答えられなかった

幽斗に見つめられながら小白は昼間の、幽斗が居なくなった後の事を思い出す

 

静まり返った教室、一瞬の間を置いてから広がったのは罵声と怒号の嵐。生意気な!、何様だ!、気持ち悪い!・・・そして、死ね!

クラスの中にはそんな言葉が飛び交い、溢れていた

 

「・・・・・っ」

 

そこまで思い出した小白は自分の体が震えている事に気がつく

あれが、人の憎悪の感情が、自分に降りかかる。そう思っただけで体が更に震えた。自分の体を抱き、目をギュっと瞑る

 

「・・・・それでいい。それが普通の人間の反応だ」

 

ポン、ポン

 

「・・・・っ!」

 

小白の頭を優しく叩きながら幽斗は椅子から立ち上がる

 

「人間ってのは集団を作るものだ。だから人はなるべく周りに合わせるように生きていく、じゃね~とハブられたりいじめに遭う。それが嫌だから、一人になりたくないから周りに合わせる。それは人として当たり前のことだ。だから、お前のその反応は何も間違っちゃいね~よ」

 

そう言いながら幽斗は小白の頭を叩くのを辞め、入り口の方へと歩いていく

 

「・・・・・」

 

小白は目でそれを追うことしか出来ない

まだ、震えが収まらないようで、小刻みに震えている

 

「じゃ~な、もうあんな事すんじゃね~ぞ」

 

バタンッ

 

「・・・・・・」

 

ドアが閉まる音と共に部屋の中に静けさが広がる

先ほどより震えが収まった体を抱きながら、小白はその場から動こうとはしなかった

 

 

 

 

--------

 

 

 

-町外れの公園-

 

 

「のう、主よ」

 

「なんだよ」

 

夜の公園、しかも人があまり訪れない公園

そこに若い男女の二人がベンチに座って‘何か’を待っていた

 

「あの人間の小娘はよかったのか?」

 

「知らね~よ、そんなこと。あれはあいつの問題だろ」

 

片方は言うまでも無く、先ほど妖怪屋事務所から出ていった幽斗

 

「それより華、ホントに場所はここで合ってんだろ~な!さっきから全然来ね~ぞ」

 

「焦るでない、焦る男は嫌われるとよく言うじゃろ?それにわっちの鼻はよく利く間違いはありんせん」

 

「・・・・はぁ、早く帰って寝て~」

 

片方は華と呼ばれた少女

その見た目は美しく、夜だというのに輝く銀色の髪を簪で束ね、少し着崩した和服を着こなし、瞳は黄金を思わせる様に金色に輝いていた

 

「では、わっちが一緒に寝てやろうか?」

 

「遠慮する。また氷香や命に怒られるのは面倒だ」

 

「主は釣れないのう・・・」

 

二人は何気ない会話を続ける

夜空に浮かぶ満月を見上げながら

 

チャリンッ

 

ふと硬貨が落ちる音が一つ

それと同時に、今まで出ていた月が雲に隠れたのか辺りが暗くなる

 

チャリンッ、チャリンッ

 

更に二つ落ちる音

 

「御出でになったようじゃぞ?」

 

「ふぅ・・・ようやくかよ」

 

チャリンッ、チャリンッ、チャリンッ!

 

その音は更に増えていく、一つ一つまた一つと

 

「わっちの鼻も中々有能じゃろ?主よ」

 

「まっ、今回はお手柄だな」

 

ジャラジャラッ!

 

更に増えた音は最早落ちるという音に留まらず、硬貨が大量に零れる音にまで大きくなった

その音は段々と二人に近づいてくる

 

「あちらもわっちらに気づいたようじゃが、どうするんじゃ?」

 

ジャラジャラジャラッ!

 

音は丁度二人の正面、公園の入り口から迫ってきている

 

「そうだな・・・・取りあえず、面でも拝むとしますか」

 

ジャラジャラジャラジャラッ!

 

それなのにも関わらず二人は尚もベンチに座りながら話を続ける

何の異常もないように、それが当たり前であるように

 

ガァアアアアアアアアアアアアッ!

 

異常な雄叫びが公園に響き渡る

人ではない、獣でもない、異常なモノの叫び声が

 

「ほぅ、やはり主の言った通り、あれは・・・」

 

月を覆っていた雲が静かに退け、月明かりが辺りを照らす

 

「ああ、あれは・・・金霊(キンレイ)だ」

 

それは様々な硬貨の塊、目は無く、口の周りだけがポッカリと窪んでいる

 

金霊、金の気や金玉(カネダマ)と呼ばれている金の精霊。古くからいい事をすれば金霊がくる、欲を出すと金霊が逃げると言い伝えられている(アヤカシ)の一つ

 

見た目は銭の大群や手毬ほどの赤い光の玉など諸説あり、あまり実態の掴めていないモノだがその目撃情報は世界中に存在する

曰く、蔵の窓から大量の硬貨が飛んで行った。曰く、夜道を歩いていたら足元に赤い光の玉があった等、様々な形で存在する

 

「ふぅ、銭神(ゼニガミ)とまで言われたモノの末路がコレとは・・・・いやはや、難儀なもんじゃ」

 

「別にこいつが悪い訳じゃね~よ。こうも変えちまったのは・・・・俺ら人間だ」

 

「金は天下の回りもの、というやつか?」

 

「そういうことだ」

 

ベンチから立ち上がり二人は異形と対峙する

 

「今の時代、昔よりの遥かに金が重要視される。そのせいで人間は、より貪欲に金を求めるようになった。人を騙し、人を欺き、人を落とし、人を殺し・・・どんな人間でも生きるのに金は必要だ。どんなに無欲でも、どんなに良い奴でも」

 

「そして金霊の逃げ場もどんどん無くなって、どんどん悪意に染まって、たどり着いた先が自ら人間の中に潜り、金霊を食い物にする化け物とは・・・・本当に、人間とは欲深い生き物じゃの」

 

「人間の醜い思いがこいつを変えた、ならそれを正すのも人間の役目ってか」

 

幽斗は一歩踏み出す

 

「まぁ、主が決めた事じゃ。わっちはそれに従うまでじゃよ」

 

華も幽斗と並び一歩踏み出す

 

「ふっ・・・じゃぁ~さっさとやりますか」

 

「そうじゃの」

 

二人でもう一歩踏み出す

 

ガァアアアアアアアアアアアア!

 

再び金霊が咆哮する

威嚇の為か、自分の危機を感じてか

 

「さて、妖怪屋古雅幽斗、いっちょ派手にやるぜ!」

 

幽斗は地を駆ける

明日もまた変わらない日常を送る為に

 

これが古雅幽斗の日常、昼と夜を生きる妖怪屋の日常である

 

 





はい、という訳でいかがだったでしょうか?

「ようやくわっちを出したの~」

はい、万を持してといった感じだったでしょう?

「丸々一ページじゃないのが気になる所じゃが・・・・まぁ、今回はこれでいいかの、主とも共闘できたしの」

でしょ?最初華さんを出すときどうしようか迷ったんですが、結果やっぱりこういう真面目なシーンから入って貰う事にしました!

「ふむ、今回は褒めてやろう。今日は機嫌がよいからの」

はは~ありがとうございます!ってなんで私が頭下げてるんです!?

「気にするでない、何時もの事であろう?」

そうですが・・・まぁ、考えないようにします

「そうしておけ」

では、改めてここで華さんの軽い紹介と行きましょう

尾裂狐 華(オサキ ハナ) 種族 九尾

桐ノ宮学園中等部3-C 中等部生徒会長 

っと、こんな感じですかね~

「うむ~・・・・短くないかえ?」

まぁ、どうせ次のお話は説明回にするつもりなのでこれ位でいいかと思いまして

「まぁ、そなたがそれでいいと言うならいいのだがな」

はい、大丈夫です!

「では、何時ものと言うものをやろうかの?」

そうですね。では、次のお話は丸々使って説明回にしようっと思っています!この世界や幽斗君たちが通う学園取りあえず細かいところは一通り書きますので、どうぞ

「「よろしくお願いします」」


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「ねぇ、作者私はどうなるの?」

小白さんは次の次まで放置ですw

「何それひどい!」

大丈夫ですって!ちゃんと見せ場がありますから!

「うぅ~・・・ホント?」

ホント、ホント作者嘘つかない~!

「じゃ~我慢する・・」


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