翡翠の旅人 作:緑の帽子
僕は荷物の再確認をした。
食料、水、火打石、剣、服はとにかく軽く金属のほとんどついていない革製コートを選び
首には物心ついたときから一度も手放していない母の形見であるペンダントを確認する。
濁りのない翡翠色の美しい宝石が眩しいほど光り輝いている。
僕は部屋を見渡しやり残したことがないか再確認をした
「よし、支度完了!」
この家には僕以外住んでいる人はいない。
でも僕は、今までお世話になったこの家に感謝の意をこめて言った。
「いってきます。」
一章 旅立ち
僕は勇者になる。約10年間修行を積み今日、ようやく旅に出る。
なれといわれたから勇者になったのではなく、なりたいと思ったから勇者になったのだ。
正式な儀式も何も受けてはいないけれど、この世界ではどんな人でも
勇者になることができ、自分は勇者だと言っただけで優遇される、そんな世界だ。
この世界では魔物と人間が住んでいて、魔界と人間界に分かれている。
魔物は人間を脅かし、人間は魔物を恐れ村を作り、町を作り、それはやがて国となり、魔物は手も出せないような
強固な壁となる。そこに人間は集まり、いまは平和に暮らしている。
だから、魔物を一人でも多く殺す『勇者』という存在は重宝されている。
でも中には魔物と共に暮らそうとしている人間もいる。
もうすでにいくつかの国が存在し、魔物と人間が共存して生きている。
でもそれはほんの一部で、大半の人間や魔族は敵対関係にある。
僕も願わくば、魔物と争いたくはない。
修行をしていた時に、何人かの魔物と親しくなり、まだ未熟だった僕を鍛え、励ましてくれた。
その恩を忘れないためにも、魔物と人間の共存を実現したい。そう心から思っている。
いま思えばかなり過酷な毎日だった。修行といっても、何からはじめたら良いのかわからず、父さんが残したさまざまな鍛錬の方法
や剣技が記されているノート、これを見て修行し、なんとか最後のページまでを10年程で終わらせることができた。
「いま思えば無茶だったよなぁ。まだ5歳だったのに自分の何倍もある岩を殴って砕け・・・とか・・・」
辛い日々を思い出し苦笑しながら、僕は最初の目的地である『カルデチア』へと足を進めた。
でもすぐに足を止めることとなってしまった。
「あれ・・・?こんなところ地図にあったっかな?」
僕は目の前に広がる樹海に足を止めていた。
地図を再度確認するが、ここは平地と記してある。
「まさかここ20年でこんな深い森ができたっていうのか・・・?」
地図と目の前の森に視線を泳がせながら考え込んだ。
「う~ん・・・とりあえず入ってみようか。」
そう決め、僕は不思議な樹海へと足を進めた。
僕は時折聞こえる小鳥たちの声に耳を傾けながら森の中を着々と進んで行った。
しばらく進み、周りが木で完全に囲まれた頃、僕はふと足を止めた。
かなり遠くから、とても美しい歌声が聞こえてくる。
距離がどのくらいかは解らないが、誰かの歌声が風に乗り僕の耳まで届いてきている。
僕は、まだ続いている歌声の方へと進路を変えた。
皆様、始めまして。こんな自己満足の小説にお目を通していただき非常に恐縮でございます。投稿は気まぐれです!ここ重要。
自分で読み返してみてもわかりますが・・・
語力が乏しすぎて泣きそうになりますね。どうして小説かこうなんて思ってしまったんだろう。
でもはじめたことは最後までやらなければ気がすまないたちなので進められるだけ進めます!
何か意見、感想があればどんなものでもお願いします。すべて参考にさせていただきます。
これからも何卒よろしくお願いいたします!