暑いな~。
今日は開いてる時間更新なので、1話だけの更新になります;;
さて、いよいよヴァリアーのメンツと漸くご対面です。
第1話
取り敢えず、誰も居ないとは言え、あのままあそこで放置しているわけにも行かず、琉歌は荷台を家から持ってきて、気絶しているらしい6人を家まで運んだ。
マンションがエレベーター付きで良かった。
じゃないと、どうやって6階まで運ぼうか悩んでいただろう。
「ふう。
ま、別に雑魚寝で良いでしょ」
琉歌は部屋に運び終わると、一息吐いた。
しかも、雑魚寝させているわけではなく、思いっきり畳に転がしているだけである。
一応、布団はあるが、出すのが面倒くさかったのだ。
倒れている人に向かって何とも杜撰な扱いだと思うが、琉歌の性格を考えると、マシな方である。
それにしても・・・・・・と、琉歌は考える。
この人らは、一体どうやって来たのだろうか。
姿を見た瞬間に、この6人が琉歌の知っている――――もとい、琉歌の大好きなキャラで間違いはなさそうだ。
全く信じられないが、レイヤーというわけでもなさそうだし。
証拠に、全員、髪は地毛である。
染めたとしても、髪が傷んではいないし、何より、日本人でこんなに肌が白い男性は見たことがない。
外国人のように顔の彫りだって羨ましいくらいに深いし。
何より、こんな時期に革のジャケットなんて暑苦しすぎる。
観光客だって、今の時期はタンクトップだ。
取り敢えず、色々疑問に思うことは沢山あるが、こっちも勉強をしなくては。
テストも近いし。
琉歌は、畳に転がした男性達がいつ起きても大丈夫なように、机を持ってきて、彼らに背を向けて勉強を始める。
明日はバイトが休みの為、今日は夜更かしだ。
コーラとポッキーをお供にノートにシャーペンを走らせた。
明日は数学と英語の小テストがあった筈だ。
数学はこの世で最も苦手な教科で、中学生の時に習った因数分解を、つい最近になってやっと理解した。
それは、琉歌が生まれ付き持っている障害の所為でもある。
自閉症スペクトラムとは、生まれた時から脳に何らかの障害があり、理解力や他人とのコミュニケーション能力、社会性的能力が平均よりも低く、周りと協調することが難しい障害だ。
好きなこと、興味のあることに関してはずば抜けた記憶力を発揮することもあり、琉歌としてはそこまで嫌な障害だとは思っていない。
むしろ、この障害のお陰で、興味のあることに関しては専門知識を豊富に取り込んでいる為、理科の天文学的な知識は学年で群を抜いている。
だから、理科や国語では絶対に点を落とさない自信がある。
「う゛ぉぉい、ここは何処だぁ・・・・・・」
勉強に集中していたら、不意に聞き慣れた声が聞こえた。
ケータイが鳴っているのかと思い、琉歌は手を止めてケータイを開く。
だが、ケータイには特に何もメールなどは来ていなかった。
そして、そう言えば、河川敷でヴァリアーのような奴を拾ったな、と思い出して振り向く。
振り向いた先には、先程、雑魚寝と言う名の放置をした銀髪の男性が上半身を起こしていた。
男性は頭がクラクラとする様で、頭を片手で抱えている。
起きているのは、その男性だけじゃなく、他の5人も順次に起きた。
「おい、ドカス。
説明しろ。
此処は何処だ」
黒い癖毛なのか、髪が跳ねている赤い三白眼の男性は、琉歌の姿を認めると鋭い目つきで睨んできた。
物凄く警戒しているのだろう。
恐らく自分も、目が覚めたら全く知らない場所に居た、なんて事が起これば、まずは警戒するだろう。
その前に、パニックになっているだろうが。
琉歌は、リアルに見るその人物に恐怖心を抱いた。
水田ゆきこのプロフィール1
名前:水田(みずた)ゆきこ
年齢:15歳(現時点)
誕生日:1月15日
血液型:B型
星座:山羊座
所属:市立松枝高等学校 1年