Croce World―君に呼ばれて―   作:紅 奈々

8 / 44


ついに!!彼奴らが来ますよ~!!
ふ~ぅ、長かった。
でも、最後まで気を抜かずに頑張りますよ~!!






第7話

「夏風がノックする 窓を開けてみると

何処からか迷い込んだ 鳥の声

読みかけの本を置き 「何処から来たんだい?」と笑う

目隠ししたままの 午後三時です」

 

 

満点の星が輝いて、満月が近くに見える大きな川の辺に琉歌は居た。

ここは、蒼星川。

よく、学校帰りに立ち寄る琉歌の癒やしスポットだ。

学校帰りにここに来ては、今度某動画サイトにアップする曲の練習をしている。

今度歌うのは、「空想フォレスト」という、じん(自然の敵P)氏による、カゲプロの第5話の楽曲だ。

この空想フォレストは、「目を合体さ(あわ)せる」能力を持ったメドゥーサと人間のハーフと人間の間に生まれたクォーターの少女の話になっている。

目を合わせると、目を合わせた人を石にしてしまう力の所為で、家から出ることが出来なかった少女が、突然訪ねてきた男の子と出会い、世界を知っていく話で、琉歌も一番、その曲が気に入っていた。

 

 

「目を合わせないで 固まった心

独りぼっちで諦めて 目に映った無機物(モノ)に安堵する日々は

物語の中でしか知らない世界に 少し憧れる事くらい 許してくれますか?」

 

 

誰も居ない広い川は、月明かりを反射して、キラキラと光る。

それを見ていると、たまらなく落ち着くのだ。

こうして、リラックスして声が出せる。

歌う事が好きな琉歌にとって、リラックスできる環境が何よりも大事だった。

歌以外でも、創作活動にしろ、リラックスしていないと良い案が浮かばない。

だから、琉歌には休める場所が必要だった。

 

 

「淡々と流れ出した 生まれてしまった理不尽でも

案外、人生なんで 私の中じゃ

ねぇねぇ 突飛な未來を想像して膨らむ世界は 今日か明日でもノックしてくれないですか」

 

 

そこまで歌い終わった時だった。

川に降り注ぐ月の光からプリズムを通したような淡く妖しい7色の光が流れてきて、それが浅瀬に散る。

突然の出来事に驚いて、琉歌は目を見張った。

これは、夢で見たのと同じ景色だった。

そして、その光は浅瀬に6つの人影を作る。

その光が消えると、琉歌は信じられない光景に目を見開いた。

 

 

「・・・・・・嘘・・・・・・」

 

 

1人は、銀色の長い髪に黒い服を纏った男性。

1人は、金髪の頭にティアラを付けた男性。

1人は、フードを被っていて、そのフードの隙間から藍色の髪が出ている人物。

1人は、黒い短髪の男性。

もう1人は、緑色のモヒカンに、金髪の坊主頭の男性。

そう、この6人は琉歌の知っている人物だった。

それも、ここに居る筈のない、存在し得ない人物だ。

琉歌は、暫く固まってしまった。






琉歌のプロフィール3


基本的には、訊かれたことに対してはちゃんと答える。
生返事の時は、脳内で妄想が膨らんでいる為、何を話しても聞いていない。
もっとも、二人の時だけに都合良くしつこく話し掛けてくる水田の話はこれっぽっちも聞いていない。
強いこだわり意識を持っており、少しでも物が移動していると気になるし、大切な物が常に視界に入っていないと落ち着かない為、風呂と寝る以外はヘッドフォンを着用している。
他人に自分の持ち物を触らせることに強い嫌悪感を感じるほど、潔癖な性格をしている。
根は素直で世話焼きな性格をしていたが、何処かから歪んでしまった。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。