この後くらいにヴァリアー出せそうな気がしないでもないな。
そろそろ出さなきゃ、いつまで話引っ張ってんねん!と読んでいる方も面白くないですよね;;
今日もまた、始業のチャイムは鳴る。
その時には既に、琉歌は教室に着いていて、最早定位置となっている廊下側の一番後ろの席に座っている。
教師が教室に入ってきて、授業を始めるが、琉歌は教科書の重要な所をノートに纏めているだけで黒板の説明をノートに書いてない。
ちなみに今は、社会の授業中だ。
黒板を見ると、何て書いてあるか解らないレベルに汚い字や酷すぎる絵が描かれている。
しかも、教師は自分の言った出来事や人物名をそのまま、黒板に書き込んでいるだけで、それに対しての説明文が書かれていない。
そう、琉歌は黒板を見ると書く事が必死になって、説明が疎かになるから、後でノートを見返した時に「何のこっちゃ?」と首を傾げることを防ぐ為、教師の黒板を後回しに教科書の要点を纏めているのだ。
それに気付いたのは、中間テストの前の事だった。
それで、中間テストは社会がずば抜けて最低だったのだ。
それが結構来ているから、黒板の内容は書かないようにしていた。
「安藤さん、リンカーンが独立宣言を出した時のセリフを答えて下さい」
「私がですか。
前のテストボロボロだった私が?」
教師にいきなり指名されて、あからさまに嫌だという表情を教師に向けて訴える。
そんな苦情も、教師は笑って流した。
「ボロボロだったのは、地理じゃないですか。
歴史は得意なんでしょ。
ほら、早く」
嫌な奴だぜ。
琉歌は舌打ちする。
ここで地理がクソだったのをバラさなくたって良いじゃないか。
しかも、何で歴史が得意なこと知ってるし。
琉歌は、脳天気に笑っている教師の蛍光灯を良く反射している、前髪が曾てはあったであろう場所のように、残りの希望も毟り取ってやりたくなった。
面倒くさいと思いつつ、琉歌は答える。
「government of the people, by the people, for the people, shall not perish from the earth.」
「なんだ、知ってるんじゃないですか。
しかも、発音が良いですね。
はい、今のを訳してもう一度、どうぞ」
誰もが一度は聞いたことがあるであろう、「人民の人民による人民の為の政治を~」という言葉を中学で教えられたとおりに答える、琉歌。
意味は一応解っているらしい、教師はにっこりと笑って、更に翻訳も求める。
今度こそ、ノートに纏める作業を再開したい琉歌は、こう答えた。
「俺様の俺様による俺様の為の政治だ、逆らう奴はカッ消す」
勿論、琉歌はちゃんと理解している。
琉歌の眉一つ動かさない回答に教師は苦笑した。
勿論、琉歌がこのセリフの翻訳を知っていることを教師は知っている。
テストに出していて、そこを埋めていたから。
それなのに、こんな巫山戯た回答をするのは、余程発表が嫌いと見た。
「はい、安藤さんを大統領にすると危ないと言う事が解ったので、皆さん、安藤さんが選挙に出てても、投票したらダメですよ」
教師が場を和ませるようにそんな事を言うが、そんな必要は最初からない。
琉歌の発表は、聞かれていないのだから。
その証拠に、生徒は無反応だ。
別の授業では喧しいクセに。
教師を放置して、琉歌はノートにシャーペンを走らせる。
そして、琉歌が本日の内容をノートに纏め終わったところで授業は終わった。
琉歌のプロフィール その1
名前:安藤 琉歌
年齢:15歳(現時点)
血液型:A型
誕生日:8月15日(自分の誕生日とカゲロウデイズの日が重なって、運命を感じたりとかしてる)
星座:獅子座
所属:市立松枝高等学校 1年