脳内では内容量がパンパンになるくらい、色んな話が出てくるのにねぇ。
しかも、何故か最終回の話をエンドレスでww
こんな堕作者でスマソ(--;)
ちょっと、書き直しました。
「ベルがフランを宥める」と誤解をしてしまった人が居たみたいなので;;
文才が無くて、本当に申し訳ない;;
こんな作者に付き合ってくれている人達にはホントに感謝です(;∀;`)
「琉歌、着いたよ」
「うん~~~?」
マーモンに起こされて、琉歌は寝ぼけた目を擦りながらまだ、開ききらない目で周りを見渡す。
電車は止まっていて、ホームから車内に人が乗り込んで来ていた。
どうやら、爆睡していたらしい。
「ほら、立って」と言うマーモンに腕を引かれて、琉歌は立ち上がると、電車からホームに出た。
ホームに出て階段を上がり、改札を抜けると、改札の傍の椅子にベルとフランが座っていた。
どうやら、待ってくれていたらしい。
琉歌とマーモンが改札を出たのに気が付くと、ベルとフランが立ち上がって、声を掛けてきた。
「おっせーよ、何やってたんだよ、二人して?」
ベルが白い歯を剥き出しにニヤリと笑って、マーモンを小突く。
対するマーモンは「別に」とドライに返していた。
その二人を余所に、フランは琉歌にコソッと声を潜めて、言った。
「琉歌、その・・・・・・学校で良くない話を延々と聞かされたんですがー」
「あの、水田って奴に」と続いたフランの言葉に、琉歌は特に何も感じていない様に「ふーん」と返した。
近くに居る筈のベルはマーモンをからかっていて話を聞いていない様で、マーモンも特にフランとの会話に耳を傾けている様子はない。
フランは琉歌のドライな返答に琉歌が不快な思いをしているのだと思ったのだろう、「あ、その、でも」と、何か言葉を取り繕おうとしていた。
取り繕おうとしていたフランを余所に、琉歌は「ねぇ」と三人に声を掛ける。
突然に声を掛けられたベルとマーモン、フランは琉歌に注目する。
「ちょっとさ、寄り道したいんだけど。
付き合ってくれない?」
琉歌の申し出に三人は頷く以外の選択はしなかった。
それから、琉歌とマーモン、フラン、ベルは、駅の近くのコンビニに寄って、飲み物と軽くお菓子を買って、蒼星川に来ていた。
川の辺の石でできた椅子にマーモン、ベル、フランは腰を下ろす。
琉歌が座らないのを見て、マーモンは「座らないのかい?」と声を掛けたが、琉歌は野外に設置されている椅子に座れない、と話した。
そう、琉歌は駅の椅子もそうだが、野外に設置されている椅子には座ろうとはしない。
理由は服が汚れるし、誰が座ったのかも解らない椅子になんて、座りたくもない、との事。
それを聞いた三人は、「やはり琉歌って・・・・・・」と琉歌が潔癖症ではないのかと思わされた。
「まぁ、それはどうでも良いとして。
さっき、マーモンにも話したんだけど」
椅子に座っている三人を見ながら、琉歌は話を切り替えた。
早く話して、早く帰ろう。じゃないと、家の方が心配だ。
琉歌は、先程学校の帰りにマーモンに話した事を説明しだした。
「フランもベルも今日一日で散々聞かされただろうけど、私は1年を中心に悪い様な噂ばかりされている」
曰く、不良行動が目立つ。
曰く、教師とできている。
曰く、問題行動多々あり。
曰く、警察の厄介になる様な事もしている。
曰く、捨て子。その他多数。
上げていけば、全く信憑性のない作り話の様な噂が多いが、中には否定出来ない話もある為、何処までが本当で嘘かは解らない。
それも踏まえて、琉歌はマーモンにした様な話をベルとフランにも話した。
そして、これから、自分とどう関わっていくのかを考えて欲しい、とも話す。
ベルとフランは少し、考える様な素振りを見せる。
そして、ベルは笑った。
「よーするにそれって、あの水田とか言う豚と竹内とか言う奴が琉歌に嫉妬してそんな話をしてんだろ」
ベルの言葉に琉歌はキョトン、とベルを見る。
そんな風に聞き取れたのか、と琉歌は呆気にとられた。
すると、フランも「珍しく、センパイと意見が合いますねー」とベルの言葉に同調した。
琉歌は二人をポカンと口を開けて、見つめてしまった。
「琉歌の行動が不良行動なら、まだ可愛い方だって。
お前、俺らの事知ってんだろ?特に、フランなんか、なぁ?」
「兄貴をゴキブリと間違えて殺してるセンパイには言われたくありませーん」
ベルの言葉に、フランはズバッと返す。
そんなフランの首を絞めようと、フランの首にベルは腕を回した。
「苦しいですー」と困り顔のフランは、ベルの腕から逃れようと暴れる。
言われてみれば確かに、不良集団のヴァリアーに比べれば、琉歌の不良行動なんかミジンコ並みに可愛く思えるだろう。
琉歌の不良行動なんて、精々、授業中の態度が悪いくらいなモノだ。
それを考えれば、別に大したことではない。
「俺はあんな奴より、お前と居る方が断然楽しそうだし、関わらない選択肢とかねーから、心配すんな!」
「うわっ!!」
ベルは立ち上がったかと思うと、琉歌の頭をくしゃっと撫でた。
突然の事に琉歌は吃驚して、声を上げる。
誰も、何も心配していないんだが・・・・・・と言おうとも思ったが、見上げたベルの顔が笑っていたから、何も言う気がなくなった。
そんなベルと琉歌の様子を見て、フランまでもが琉歌の肩を叩く。
「あんたは気にし過ぎなんですよー。
少しは肩の力を抜いたらどうです?」
そんな事を言われるとは思いもしなかった琉歌は、フランの顔をマジマジと見上げた。
見上げたフランの顔は、月明かりに照らされて白く浮かび上がっている。
月明かりを反射して翠の目が光っている様に見えた。
「何見てんですかー、変態」
「なっ、誰が変態だ、馬鹿!」
琉歌の視線に気付いたフランは、琉歌の肩を軽く突き放しながら言った。
改めて見た琉歌の顔は月明かりの所為か、相当美化された様に見えて照れ隠しのつもりでフランは琉歌を突き放したのだ。
その突然の衝撃で、琉歌はベルに凭れ掛かりながらも、フランに食って掛かる。
そんな琉歌をベルが宥める・・・・・・という、珍しい光景が出来上がった。
ベルが他人を宥めるなんて珍しく、と言うか、彼の性格を色んな意味で熟知している琉歌と、マーモンから言わせれば、ベルが誰かを宥めるなんて、有り得ない、と思わず琉歌とマーモンは目を見合わせた。
そして、琉歌とベル、マーモンとフランはそろそろ帰らないと、ルッスーリアが心配しそうだ、と言う事で、帰路に就いた。