Croce World―君に呼ばれて―   作:紅 奈々

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やっとPC繋がったー!!
何か一昨日、やっと届いた某柔らかい銀行のプロバイダーをセッティングしたら、昨日、ネットに中々繋がらなくて;;
昨日は更新を断念していたんですよねぇ。
もーっ、何で柔らかい銀行は回線が悪いのよー!!みたいなww
で、よくよく思い出してみたら、そう言えば、ケータイを契約して、ついでにプロバイダーを進められて、契約した時に「何日かネットに繋がらない事がありますが~~~」みたいな事を言っていた様な気がした←
まぁ、それは置いておいて、第二話をお楽しみ下さいww


第2話

琉歌とマーモンは結局、さっきの女子生徒に絡まれていた所為もあり電車に間に合わず、駅で最終電車を待っていた。

途中で心配していたらしいベルとフランからメールが来ていたので、先に帰ってて、と返信した為、ベルとフランは今頃、帰路についている事であろう。

さっきから、マーモンも琉歌も無言で、お互いに何を言う様な雰囲気でもない。

重くなく、琉歌にとってはこの沈黙が心地好い時間に思えた。

 

 

「さっきの子・・・・・・」

 

 

不意に突然、マーモンが沈黙を破った。

琉歌はそれでも、驚きもせずただ、マーモンの話に耳を傾けていた。

 

 

「集会の後から物凄く絡んでくるんだ。

色々と教えてくれるのは有り難いんだけど、少し干渉が過ぎてね。

さっき、何もされてない?」

 

 

マーモンに言われて、さっきの微妙な修羅場を思い出す。

特に何を言われたわけではなく、鬱陶しさは感じたものの、これと言って害はなさそうなので、琉歌は「大丈夫だ」と言った。

そんな琉歌にマーモンはらしくもなく、安堵する。

 

 

「それよりも、ベルやフランにも言うけど・・・・・・注意しないといけない事があるんだよね」

 

 

「何だい?」と琉歌の言葉にマーモンは首を傾げた。

そして、琉歌は説明する。

入学以来、自分は学校に馴染めていない事。

それはおろか、人と馴れ合えない性格が災いして周りからは避けられたり、忌み嫌われている事。

自分と居たら、マーモン達も同じ様な白い目で見られると言う事。

どうして、こんな事になったのかという経緯は自分でも見当が付かないが、同級生を中心にある事無い事悪い噂を流されたりしている事など、今思いつく限りの学校の様子を洗いざらい説明した。

マーモンは言葉を挟まず、一字一句、聞き逃さない様に真剣に琉歌の話を聞いている様だった。

 

 

「それで、学校では私とどう接するか、マーモンには考えていてもらいたい。

無干渉ならそれでも良いし、変わらずに接するでも良い。

ただ、私と関わると、クラスメートとの円満な関係は望めない事を頭に入れておいて」

 

 

琉歌の言葉にマーモンは考える素振りもなく、首を傾げた。

 

 

「クラスの人間と関わる事で、何かメリットでもあるかい?」

 

 

マーモンは真剣に悩んでいる様な素振りで言った。

マーモンに言わせれば、クラスメイトとの円満な関係なんて、どうでも良いようなことなのだ。

ただ、琉歌と居る事ができればそれで良い、と何故か思っている所がある。

それは唯、琉歌への興味本位から来る感情だけである、とマーモンは自己完結している。

 

 

「僕は、君に興味があるんだ。

君以外の人間なんて、別にどうでも良いね。

だから、此処でも関わっていたい。

勿論、君が迷惑じゃなければ、だけど・・・・・・」

 

 

言っていく内に、琉歌が顔を紅く染めている事に気付いて、マーモンは何か失言したのだと思って慌てて、言葉を探す。

今まで殆ど無表情だった琉歌がいきなり表情を変えるから、マーモンは対応に困った。

でも、確かに今の言葉はなかったかもしれない。

取り様によっては、告白みたいじゃないか。そんなつもりは勿論、ない。

それに気が付いたマーモンは、「あー、え、だから、つまり・・・・・・」と言葉を濁す。

そこからの言葉は出てこない。

煮え切らないマーモンを見兼ねたのか、琉歌は話題を変えるように「来たよ」とケータイを見ながら言った。

そのタイミングで、駅の(しわが)れた老人のアナウンスが夜の静かな駅に響く。

ホームの何の為に引いてあるかも解らない白線を通り過ぎて停車した三両編成の黄色いワンマンに乗り込んで、琉歌とマーモンは直ぐ近くのボックス席に向かい合って座った。

車内アナウンスの後、電車はゆっくりと発進して、闇夜に吸い込まれるように、或いは、飛び込む様に風を切って加速し、夜の道を駆ける。

田舎の最終電車はガラ空きで、今その場には、琉歌とマーモンの2人しか乗車していない。

一見、クールの様にも感じられるが、実は明るい事を今日一日、琉歌を見て解った。

クールが素なのか、それとも、あの買い物の時に見せた顔が素なのか。まだ、見当が付かない。

どちらにしろ、それも含めて琉歌の事を知りたい、とマーモンは呆然と考えた。

 

 

「琉歌・・・・・・」

 

 

何の気なしにマーモンが琉歌に声を掛けると、琉歌は疲れているのか寝息を静かに立てて、眠っていた。

余程、疲れていたのか何なのかは解らないが、思い返せば昨日、自分たちを保護した後にご飯を作ってくれて、その後に話をして「勉強しないといけないから」と部屋に閉じ籠もってしまっていた様な気がする。それから、そんなに寝ていなかったのだろうか。

気を遣わせてしまった様な気がした。

眠っている琉歌の手からケータイが落ちそうになっていたので、マーモンは琉歌の手からケータイをそっと引き抜いて、閉じると琉歌の鞄の外ポケットに押し込んだ。

その時、初めて琉歌の顔を近くで見た。

決して美人とは言い難いが、悪くもなく整っている顔。

日本人にしては、少し高い鼻、彫りは深くもなく、浅くもない。

睫も濃すぎず、薄すぎ無くて、少し長い。

唇も、ある程度はふっくらしていて、色も綺麗な紅。

素顔でこれなら、ある程度はモテているんじゃないか、とかそんなどうでも良い事が頭を掠めた。

起きている時の冷めている様な表情と年相応くらいの寝顔とのギャップに、正直、驚く。

琉歌を見ていると、相反する相対的なモノを連想させられた。

白い羽根を持った烏。

悪魔の様な天使。

絶対零度の太陽。

そんなイメージだ。

 

 

「君は何故か、悲しそうだよね・・・・・・」

 

 

口に入り込みそうだった長い前髪を避けながら、マーモンは思わず呟いた。

最寄り駅まで後二駅。

電車は線路を走る音を立て、ゆっくり揺れながら、最寄りの駅を目指して走っていた。


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