やっぱ、他人のキャラを使うのはかなり難しいですね~。
いや、相棒のキャラはキャラを熟知していたり、相棒の考えてる事が解ったりするので、どういうキャラなのか、とか打ち合わせしなくても解るんですが、こちらでお気に入りして貰って居る人・・・・・・それも、殆ど話したこともない人のキャラを出すのは、本当に難しい!!
アニメの脚本家さんは本当、その点凄いですよねぇ。
という思いの第5話です。
職員室を出て隣の教室の扉を開けると、椅子とテーブルが並んであって、壁には自販機が並んでいる部屋に入った。
暫く密室だったその部屋は、もわっと熱気が漂っていて、それに気にすることなく、琉歌はその部屋に入った。
奥には、学食でも売っているのか、窓が付いていて、その隣に弁当のメニューなどが書いてある。
此処は、食堂。
大抵の生徒は此処で補食を食べたり、放課後を寛いだりする。
なお、重要な手続き等の話なども、ここで普通にしている。
琉歌は、4人に食堂へ入るように促すと、自販機の前に立った。
「そこ、座ってて。
飲み物は適当で良いね?」
自販機に一番近いテーブルに座るように促すと、琉歌は紙コップの飲み物が売ってある自販機の前に立った。
お金を入れて、一番無難なお茶を購入する。
すると、先程の女子が慌てて席を立って、琉歌が飲み物を買おうとするのを止めようとした。
「あ、飲み物なら、自分で・・・・・・」
「気にしないで下さい。
ただ、こんなサービスは滅多にしないので、今日は特別です」
女子の言葉を遮って、女子の前にお茶の入った紙コップを置く。
唯単に琉歌は、こんな暑い中に何も飲まないでいたら、脱水症状を起こしそうで、そうなれば面倒だと思ったから奢っただけなのだ。
授業態度は悪い琉歌だが、学校で決められた事は一応守っている。
だから、クーラーも教師が来て付けるまで付けないのだ。
教室では、他の生徒が勝手に付けているが、特に気にはしていないが。
琉歌の厚意に「ありがとうございます」と女子生徒は俯きながら言った。
ベルやフラン、マーモンにも同様にお茶を配って、自分はコーラを買うと、近くの椅子に腰掛けた。
「それにしても、遅いな。
何処で油売ってんだ?」
紙コップの縁を持って、紙コップを口に近づけながら言う、琉歌。
コーラを口に含めば、今まで乾いていた口の中が潤っていくのと同時に炭酸が口の中で弾けて、清涼感を誘う。
琉歌が教師に悪態を吐くのはいつもの事で、暑さも相俟って琉歌は苛々していた。
転入生を待たせるとか、どれだけ呑気なんだ?
そう思いながら、琉歌はコーラを飲み干した。
「ベルセンパーイ、琉歌が怖いです―」
それまで黙っていたフランが不意に、ベルに声を掛けた。
今まで買い物していた時の琉歌から一転して、不機嫌な琉歌が少し怖くなったのだろう。
それは、ベルやマーモンも同じだった。
この性格の違いは何だ、とマーモンは思った。
「君、さっきとキャラが違わないかい?」
「別に。
逆に、今のがデフォルトだよ」
マーモンの問いを冷たく返す、琉歌。
そう、好きな時にはしゃぐのが人間だ。
特に、琉歌は気分の浮き沈みが激しい。
ただ、それだけだ。
マーモンと琉歌の会話を聞いていた女子は、不思議そうに2人を見た。
「2人は仲が良いんですか?」
突然訊かれた質問に、琉歌はあっさりと返す。
「この3人とは、ルームシェアをしていましてね。
まぁ、そこそこだと思いますよ」
「そうなんですか!」
琉歌の回答に納得したのか、女子は凄いですね―、と呟いた。
麗奈のプロフィール2
性格:明るいが嫌いな人には冷たい。
趣味:漫画、アニメ
好き:アニメ。特にリボーン
嫌い:媚びを売る人