今回は大型更新~!!
特に意味はありません、はい。
そんなワケで、第6話です。
「まず、ボスのXANXUS。
で、その隣がスペルビ・スクアーロで、その隣がベルフェゴール。
そっちのフードがマーモンで、蛙の方がフラン。
ちなみに、二人とも術師でしょ。
で、さっき名乗ってもらった
一人1人指を指しながら名前を挙げていく、琉歌。
たまに説明を交えながら、的確に名前を当てていく琉歌に、一同は夢渡りを認めざるを得ない状況となってしまった。
それを認めてしまえば今度は、別の不安が過ぎった。
ルッスーリアは、それを口にする。
「良いわ。
その夢渡りをしてしまったことは認めるけれど・・・・・・私たちは帰れるのかしら?」
そう、それは、元の世界に帰られるか、だ。
もし帰れなかったら、これから私たちはどうすればいいの?と心配するルッスーリア。
きっと、琉歌も同じ様な状況になったら間違いなく、それを真っ先に思うだろう。
琉歌はあまり、迂闊なことが言えなかった。
無責任に「きっと、帰れるよ」なんて何処かの漫画の主人公みたいな事を言って変に期待させては、万が一の時に責任を取ることは出来ない。
それに、無責任な言葉は一番嫌いなのだ。
根拠もない事を言える程、琉歌は楽観的な思考はしていないし、自分が同じ目に遭ったらきっと、そんな言葉なんか求めないだろう。
だが、ここで黙っていても仕方がないので、取り敢えず可能性の話を述べた。
「帰られる可能性は殆ど無いと思って下さい。
同じシチュエーションで帰られる方法はほぼ0です。
取り敢えずは此処の二部屋を貸しますので、戻られる日までこの世界を満喫しては如何でしょう?」
琉歌は微笑んだ。
琉歌の言葉に希望を殆ど打ち砕かれたが、“ほぼ0”というのは、帰られる可能性が全くないわけではない。
いつかそのチャンスが来ると言う事を、琉歌は暗示していた。
その日までを今か今かと神経を尖らせて待っているより、この別世界で色んな事を体験して気を紛らわせながら待っている方が精神環境上、良いだろう。
そう言う琉歌の配慮だった。
部屋も無償で貸してくれるというので、住む分には全く問題はない。
自分たちを助けてくれたのがいい人で良かった、と、一同は胸を撫で下ろした。
こんな何も解らない世界に投げ出されては、どうすればいいかも解らなかったであろう。
そこは、この少女に感謝しなければならない。
「ありがとうね、感謝するわ。
貴女の名前を教えてくれる?
これから一緒に生活するのに、名前も知らなかったらおかしいでしょう?」
そこまで言われて、琉歌は自分がまだ、名前を言ってなかったことに気付く。
琉歌は「あっ!」と声を上げて、直ぐさま、自己紹介した。
「安藤琉歌です。
あの、今日からよろしくお願いします!」
頭を下げると、笑い声が聞こえた。
それは、ひとつ、ふたつ・・・・・・と増えていく。
琉歌が顔を上げると、黒髪の男性―――XANXUS以外の人達が笑っていた。
「それ、俺らが言う言葉じゃん。
お前が言ってどうするんだよ」
「君、面白いね」
金髪の男性――ベルフェゴールと、フードを被った人物―――マーモンがそれぞれ言った。
それにつられて、琉歌も笑う。
「確かに、おかしかったかな、今のは。
あははっ」
こうして、琉歌と夢渡りしてきたヴァリアーのメンバーと、奇妙なルームシェアが始まったのでした。
ヴァリアーから見た琉歌
初対面なのに優しくしてくれてる良い奴。
何気に料理が美味い。