畜生、虫が鬱陶しいぜ、コノヤロ―。
ゆっくりパスタも食べれないじゃないか;;
さて、そんなこんなでヴァリアーとの対話のようです!
「おい、ドカス。
説明しろ、此処は何処だ?」
「あっ・・・・・・えと・・・・・・あの・・・・・・」
鋭い目つきで睨まれ、怖じ気付く、琉歌。
漫画やアニメで見る分には、「格好いいな~」とか思ってはいたモノの実際に対面すると、怖い。
まるで、背筋に背骨の代わりにドライアイスを差し込まれたかのような恐怖がゾクゾクと背中を伝い、嫌な汗が出てくる。
最初から、何て言うのかをまずはシミュレーションしておくべきだった。
どの夢小説の逆トリップの話だって主人公は皆、難なく話してるのに。
そんな夢小説のようには行かないか。
琉歌は恐怖に戸惑いながら、魚のように口をパクパクさせるしかできなかった。
こんな事なら、あの河川敷に放置しておくべきだった。
今になって、しても遅い後悔をし始める。
「おい」
「ひっ!!」
いつまで経っても、何も言わない琉歌に痺れを切らせたのか、黒髪の男性は琉歌に詰め寄った。
喉の奥から絞り出したような情けない声が出てくる。
琉歌の心臓は、狂ったかのようにばくばくと脈打ち、息が苦しくなる。
まるで、50mを曾て無い速さで駆け抜けたかのような動悸が襲う。
目の前が眩んできて、今にも倒れそうだ。
「もう、ボスったらぁ!
そんなに詰め寄っちゃあ、その子が怖がってるでしょ~」
張り詰める緊張の中、それをぶち壊すかのような男の高い声が聞こえた。
ボス、と呼ばれたその男性は、その声に顔を逸らす。
琉歌は息をそっと吐く。
一気に詰められた緊張が多少はマシになった気がした。
「ごめんねぇ。
ボスったら、普通にしてても怖いから、許してあげてね。
あ、あたしはルッスーリアって言うの。
貴女の名前を教えて貰って良いかしら?」
ルッスーリア、と名乗ったオカマ口調の男性は、琉歌に謝罪する。
最初から、ルッスーリアが喋ってくれてれば良かったのに~!と、琉歌は泣きそうになりながらも、会釈をした。
「安藤琉歌です。
貴方たちは、蒼星川の辺に倒れていました。
丁度、下校中だった私は貴方たちを放っておけず、此処まで運んだ次第です。
此処は、私の家です」
何とか平静を取り戻した琉歌はそれだけを言うと、深呼吸をした。
深呼吸をすれば、張り詰めていた緊張も少しは楽になる。
「そう、貴女があたし達を介抱してくれたのね。
ありがとう。
お礼はまた後日するわ。
あたし達は急いでるから、これで失礼するわね」
ルッスーリアは立ち上がると、「またね」と言って、窓から部屋を出て行こうとする。
それに付いていくように、他の5人も立ち上がった。
「あ、あの、ちょっ、ちょっと待って下さい!!」
琉歌は、出て行こうとする彼らを必死に呼び止めた。
琉歌の声にルッスーリアは振り返って、困った様に薄い眉に皺を寄せる。
「あらあら、何かしら?
あたし達は急いでるって言うのに~」
唇を尖らせて、困った様な口調で言うルッスーリア。
彼としては、一刻も早くアジトに帰りたいのだろう。
彼らは暗殺部隊だ。
いつまでもこんな所で油を売っているわけには行かない。
だが、そんな希望を削ぐような言葉が、琉歌の口から発せられた。
「帰るって・・・・・・何処にですか?
帰る場所も無いのに・・・・・・」
彼らの間に言い表しようのない戦慄が走った。
水田のプロフィール2
性格:明るい。少女漫画の主人公並みに天然。人と合わせてしまう一面がある。
好き:アイドルとかジャニーズ、一緒に居て楽しい人、イケメン