楽園を求む転生者   作:厨二王子

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今回はオリジナルの話です。うまく書けてるといいのですが…。それと時系列で圏内事件より前にキリトがリズベットと会っています。では、どうぞ!


40話 リズベット…とクライン

今日俺は『月夜の黒剣』と『グロウズナイフ』を強化するために、アスナに紹介された四十八層にある鍛治屋へ向かっていた。キリトも紹介されて行ったそうで、キリトからの評判も良かった。

 

暫く森の方へ向かっていると、風車がある小屋が見えてきた。

 

「あそこかな?」

 

俺はその小屋に入っていく。

 

「いらっしゃいませー!」

 

中に入ると、ピンク色の髪をしたショートカットの女性が元気のいい声を出していた。

 

「えーっとすいません。アスナさんの紹介で来たんですけど…」

 

「ああ、あなたがアスナが言ってた『瞬速の剣士』のダイキね」

 

彼女がそう言うと、俺の顔をじろじろ見始めた。…何か顔についてるのだろうか。

 

「ふーん。私はリズベット、よろしくね」

 

「じゃあ、俺も一応。アスナから聞いていると思うがダイキだ。よろしく」

 

 

 

リズベットとの自己紹介を終えた後、さっそく俺は自分の愛剣である『月夜の黒剣』と『グロウズナイフ』を出し、今とりあえず持っている素材を言い、あと何が強化の素材で必要か聞いてみた。

 

「うーんそうね…、あとは『ゴーレムの破片』と『炎龍の鱗』くらいかしら」

 

「ゴーレムの破片はともかく、炎龍の鱗か…」

 

ゴーレムだったら、大体迷宮区に出没するのだが炎龍に関しては今のところ四十五層の火山のところで中ボスくらいしか出没しない。

 

「そういえば、四十五層の火山にもゴーレムいたな」

 

「とすれば決まりね。私もちょうどその炎龍の鱗は欲しいと思ってたの。私も同行するわ」

 

「ああ、いいぞ」

 

この後レベルを聞いてみたが、とりあえず大丈夫なレベルだった。まぁ、四十五層に出没する炎龍は名前の割に、五五層に出てくるドラゴンよりは弱いし、彼女のレベルでもなんとかなると思ったからだ。

 

 

「そういえば、『炎龍の鱗』といえばあいつも欲しがってたわね」

 

「あいつ?」

 

俺がその人は誰と聞こうとした瞬間、突然大きな声を出して、バンダナを着けている男が鍛治屋に入ってきた。

 

「その話、聞かせて貰ったぜ!」

 

「「クライン」」

 

俺とリズベットの声が思わず重なる。どうやらリズベットもクラインの事を知っているようだ。

 

「クラインも『炎龍の鱗』がほしいのか?」

 

「ああ、俺も今使ってる刀の強化の素材で必要でよ。だから俺も連れててってくれ」

 

「じゃあ一緒に行くか」

 

「そうね。人数は多い方がいいし」

 

こうして、俺、リズベット、クラインというパーティーで四十五層の火山に向かうことになった。

 

 

 

四十五層の火山に着き、リズベットが先頭で俺とクラインが隣り同士という形で奥に進んでいくと、突然クラインがリズベットに聞こえない小さな声で俺に話かけてきた。

 

「そういえば、キリトとリズベットのやつ少し怪しいんだ」

 

「何?」

 

怪しいとは恐らく、恋愛的なことだろう。そういえばあいつシリカもおとしていたな。キリトはその辺、雄二と似たものを感じる。

 

「だけど、そこまでの関係になってはいないらしい」

 

「キリトってモテそうな顔してる癖に、鈍感そうだからな」

 

「くぅー、俺も女の子とお近づきになりたいぜ」

 

「寝言は寝て言え」

 

「てめぇはアスナさんがいるだろう」

 

「俺とアスナはそんな関係じなねぇよ」

 

「どうだか」

 

そんな会話をしていたが、リズベットが声をかけてきたことでこの話はここで終わった。

 

少し歩いていくと、目的地の炎龍の場所に着いた。そこには炎龍はいなくて、起動停止しているゴーレムが二体いる。

 

「何もいないじゃん」

 

「…いや上だ!」

 

俺が二人に声をかけると同時に、上から炎龍が現れ咆哮をあげる。炎龍は赤い鱗を身に纏い、大きさはそれほど大きくはない。どちらかというと龍というより、ワイバーンみたいな姿をしている。

 

そして、二体のゴーレムもそれと同時に起動した。

 

「リズベットとクラインはゴーレムを頼む。俺は炎龍を相手してるから、そっち終わったら直ぐにこっちに来てくれ」

 

「おう」

 

「わかったわ」

 

俺はリズベットとクラインに指示を出すと、炎龍に向かい駆け出す。

 

とりあえず、二人がゴーレム倒すまでどこまで炎龍のHPを削れるかだな。

 

俺は月夜の黒剣を構えて、炎龍の胴体を連続で切り続ける。途中炎龍は尻尾で俺にぶつけようとするが、俺はそれをステップで避ける。そして俺は一撃、また一撃と炎龍にダメージを与えていく。

 

「ダイキ!こっちは終わったぜ」

 

「加勢するわ」

 

クラインとリズベットがゴーレム倒し、こっちに加勢しに来るのを確認すると、俺はあるスキルを発動する。

 

それはクイックチェンジ。最近覚えたスキルで、今持っている武器から設定しておいたもう一つの武器に変えられるという、二つの武器を使う俺にとってはとても便利なスキルだ。

 

俺はそのスキルを使用し、グロウズナイフに持ち替えて、戦い方を変える。俺が瞬速剣を発動させて炎龍を翻弄させながら切りつけていき、クラインとリズベットが炎龍の後ろを攻撃するというスタイルだ。

 

「ふっ」

 

ゴン ヒュン

 

俺は自慢の速さとステップで炎龍を翻弄していく。

 

「とりゃ!」

 

「せい!」

 

クラインは刀で炎龍の尻尾を切り、リズベットもハンマーで炎龍の背中を打つ。

 

ゴォーーーー!

 

炎龍は悲鳴をあげる。そしてHPも黄色をきり、赤色に突入した。…今だ!

 

俺はここだと感じ、ソードスキルを発動させる。

 

十連ソードスキル…『瞬速乱舞』

 

俺がソードスキルを発動させた瞬間、目にも止まらぬ速さで炎龍は十回切りつけられ、HPがゼロになり、ガラスが割れたように消えていった。

 

「とりあえず終わったわね…」

 

「…意外と強かったな」

 

「まっ、なにはともあれ目当ての素材が取れて良かったじゃねぇか」

 

俺たちは炎龍たちとの戦いが終わり、一息してアイテムを確認し、目当ての素材があると安心する。

 

「ほかのアイテムは三人で分割でどう?」

 

「それでいいよ」

 

「おう、俺もそれで構わないぜ」

 

「決まりね」

 

ドロップアイテムの分配を決めた後は四十八層の鍛治屋に戻り、クラインと俺の剣を強化してもらい、その場で解散となった。

 

余談だが、キリトにリズベットと何かあった?と聞いたところ、見事にキリトが赤面したので何かはあったらしい。この情報をアルゴに売ったところ、暫くキリトはアルゴに追われたそうだ…俺は知ーらーない。




今回はオリ主とリズベットとクラインの話でした。
次回は順番が逆になりましたが、圏内事件に入るります。
感想、アドバイス募集中です。

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