俺とアスナは合流した後、そのままヒースクリフに指示された宿屋へ向かっていた。しかし、アスナがめっちゃ怒ってると思い、頭を下げたんだが、あっさり笑顔で許され逆に恐い…。
そして、その道中、ある人とばったり出会う。
「キリト?」
「ダイキに…アスナ?」
そこには、かの黒の剣士であるキリトが見知らぬ少女と一緒にいた。
「えっと、シリカっていいます」
「俺はダイキ。こっちが…」
「アスナよ。よろしく」
「よろしくお願いします」
キリトと会った後、そのまま近くの店に移動して詳しく話を聞くことにした。
事情を聞くに、シリカの相棒であるテイムした小竜のピナが死んでしまい、ピナを生き返らせるため、蘇生アイテムであるプラウネの花を手に入れるために思い出の丘に行くらしい。
しかしキリトのもう一つの目的は、オレンジギルドであるタイタンズバンドの捕獲であるという。そこは見事に俺たちと目的が一緒だな。
しかも、そのタイタンズバンドのメンバーがシリカと関係してるんだそうだ。ちなみにタイタンズバンドについてはアルゴから情報提供を受けたらしい…。
そういえば、タイタンズバンドについてはアルゴから情報を貰ってなかったな。
俺は事情を頭の中で整理すると、キリトにある提案をした。
「キリト、俺から提案があるんだが…」
「何だ?」
キリトは俺の提案を聞くと納得して頷いた。もちろん、後でアスナにもしっかり説明した。
そして数時間後、俺とアスナ、キリトとシリカでそれぞれ行動を始める。
「よし、メンツは?」
「はい、皆もう持ち場に待機済みです」
「そう…じゃあ後は、あのお二人さんがレアアイテムを持ってくるのを待つだけね」
私、ロザリアは後はあの二人を待つだけと思っていた時、そこにある二人が現れた。
「残念ながら、思い通り行かせるわけないんだよなー、これが」
「ダイキくん…ほかのセリフはなかったの?」
俺は準備満タンであろう、タイタンズバンドの前に、アスナと共に姿を現わした。
俺とアスナはタイタンズバンドの奴等が、出口でキリトとシリカを待ち伏せしてると思い、キリトたちより速く思い出の丘に向かったのだ。
「あんたたち…何者?」
「まっ、まさかあんたら、血盟騎士団の『瞬速の剣士』に、『閃光』」
リーダーっぽい女の人…恐らく彼女がロザリアだろう。彼女はまだ気づいてないようだが、ほかの取り巻きの何人かは、俺たちが何者なのか気づいているようだ。
少し奴等に動揺が走る。
「ばか言ってるんじゃないよ!そんな最前線の攻略組の奴等がこんなところにいるわけないわ…やりなさい!」
ロザリアがそう言うと、取り巻きたちは俺やアスナに切りかかってくる。
俺は背中にある『月夜の黒剣』を抜き、対処する。
「何!」
「くそ、当たらない…」
俺は取り巻きたちの攻撃を、自分の剣で全てを捌く。なので、奴等の剣は俺に掠りもしない。
瞬速剣を使うまでもないな。
俺はステップを踏み、敵を翻弄しながら、取り巻きたちを混乱させていく。ちらっと、アスナを見ると彼女もうまくやってるようだ。
俺は頃合いだと思うと、アイテムボックスにしまってあった回廊結晶を取り出す。
「まぁ、いさぎよく捕まってくれや」
「くそ、なんで。あいつらからこんな装備や道具まで貰ったのに…こんなところで」
「あいつら?」
俺は回廊結晶でタイタンズバンドの奴等を転移させる途中、ロザリアから気になることを呟いたので問い詰めようとしたが、間もなく彼女も転移していった。
「任務完了ね」
「ああ…とにかく任務は終わったな」
俺は任務が終わった安心感よりも、だが何か少し、違和感を感じた。
この後、キリトとシリカと合流し、ピナの蘇生を見届けた後、俺とアスナは任務の完了を伝えに血盟騎士団の本部へ帰っていった。
「HAHAどうやら、タイタンズバンドの奴等捕まったようだな…」
薄暗い所…どこかの隠れ家でレッドギルド、『笑う棺桶』のリーダーであるPoHは、目の前の自分と同じくフードを被ってる男に声をかけた。
「HAHAじゃないよ。前に俺を置いて、彼に会いに行ったでしょう?」
「お前はその時、一人でレベルを上げに上層に行ってたからな。悪かったな、一足先に会わせて貰ったぜ」
「いいなぁー。でも、もう直ぐに会えるよね…兄さん♪」
その男は心からとても待ち遠しく、そう口にした。
はい、PoHの側近出しました。分かる人には分かるはず。
次回はオリ主とリズベットの話を書きたいんだが考え中です。恐らくオリジナルの話になると思います。
では、次回もお楽しみに!
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