【更新停止】転生して喜んでたけど原作キャラに出会って絶望した。…けど割と平凡に生きてます 作:ルルイ
なのはちゃんに懐かれて一ヶ月。
幼稚園が終わって公園の前を通るたびになのはちゃんに捕まって暗くなるまで付き合ってから家に送り届ける日々が続きました。
縋り付く様についてくる子供をさすがに放っておくわけにはいかず相手をし続けました。
そしてようやくお父さんが良くなったとうれしそうに話してくれたなのはちゃんは、その翌日公園にはいませんでした。
おそらく家族と一緒にいるのだろうと思い、ようやく開放された気がしました。
これでようやく魔力の訓練が出来そうです。
一ヶ月間何も出来なかったのかって?
ろくに出来ませんでしたよ。
お昼はなのはちゃんの相手をして時間を潰し、夜はうちにいるのでこっそり瞑想っぽい事をしてがんばろうかと思いました。
しかし五歳の体+瞑想=おやすみなさいの法則が成り立ち、気付けば親に布団に入れられて朝を迎えていました。
というわけでココ一ヶ月何の進展もなし。
あるのはなのはちゃんと仲良くなって後々厄介なことに巻き込まれるのではないかという懸念だけ。
高町士郎は良くなったのだからなのはちゃんも寂しい思いをしないですむだろうと、ここで縁を切ってしまうことにします。
幸いなのはちゃんとの付き合いは公園で遊ぶことくらいで、俺が公園に行かなければ会うこともないでしょう。
そういうわけで今後はなのはちゃんに会わないように公園の傍を通らず遠回りして神社に向かいます。
なのはちゃんはどうやら一つ下の4歳らしく、それくらいの子供ならすぐ俺のことなど忘れるでしょう。
今は家族のことが気がかりな様子で公園に来なかったことから俺のことも気にしていないでしょう。
このまま忘れてくれると助かる・・・・・・
ああ!!いかんいかん。
また前世の『なのは』となのはちゃんを混同していた。
別に多少縁が出来たからってどうってことないはずなのに。
なのはちゃんに縁が出来てフラグとか、その縁で高町家に連れて行かれたら父士郎と兄恭也とOHANASIなんてイメージがある。
現実的に考えて子供の頃の縁なんてそれほど強いもんじゃない。
長期に会わなければすぐ忘れちゃうもんだ。
そもそも娘(妹)の男友達が家に来たからって初対面でボコるなんてありえないだろう。
そんなことになったら保護者同士の大問題になってめちゃくちゃになる。
なのはちゃんともそれで縁切れだ。
まあ積極的には関わる気はないがこの縁は別にどうなってもいいだろうと、俺は気にしないことにした。
それよりも魔力訓練だ。
やることは林の中の適当なところに座って瞑想っぽい事をするだけ。
これでどうにかなるもんかと俺自身自信がないがやってみる。
一日目。
とにかくただ座って目をつぶって体の中に意識を向け続ける。
そしたら30分も持たずに眠たくなってしまった。
このまま寝たら不味いと思い、しぶしぶ帰宅。
そのままお昼寝しました。
二日目。
昨日と同じく瞑想もどき。
昨日よりは長く続けられた気がするけど眠たくなったら帰宅。
特に成果なし。
三日目。
気のせいか体の中に何か暖かいものを感じられるようになった。
それが魔力なんじゃないかと信じて瞑想を続行。
成果が出たことに興奮して眠くならずに夕方まで続けられた。
だけど気疲れしちゃって家についてご飯食べたらすぐ寝ました。
おやすみなさい。
七日目。
瞑想しなくても意識すれば体の中の暖かいものを感じられるようになった。
もう気のせいなんかじゃなくこれが魔力なんだと確信。
瞑想して魔力を操れるように猛訓練。
その為興奮して夕方までがんばれるけどとても疲れる毎日。
この身は五歳なので無茶は厳禁だと自戒。
疲れたと感じたら無理せず帰宅。
両親に心配させたくはない。
十日目。
無理せず練習し続けて体の中の魔力を動かせるようになった。
体の中のことなので目には見えないから自信を持っていえる成果ではないけど、大きく進歩したと思える。
だけど十日でようやくこれだけだと思うと、デバイスがとてもほしくなります。
才能もあるんだろうけどなのはが訓練も無しに空を飛んだり砲撃とかすごいのできるんだから。
ないものねだりしても仕方ないので地道に瞑想。
気疲れはするけどもう眠たくはならなくなったよ。
十五日目。
体の中の魔力をだいぶ動かせるようになった。
そろそろ魔力弾とかを作れないかと試してみることにした。
右腕に体の中の魔力を集めるように意識する。
加減がわからないけどある程度集まったら右手の握り拳に泥団子を作るイメージで魔力を押し固めていく。
右手に集められた魔力の密度が上がって固まったと思ったら、それをボールだと思って地面に投げるように放った。
-ポコンッ-
成功した!!
右手から出てきた黄色い魔力弾は地面に当たるとはじけて消えてしまったが、地面を少しだけ削って跡を残していた。
喜んだ俺はもっと威力を上げるべく更に魔力を込めて強く固めて放つ練習をした。
二・三度放つと腕を投げるよう動かさなくても銃弾のように打ち出す事が出来るようになった。
ところが10発も撃つと・・・
「はぁ・・・はぁ・・・ちょ、調子に・・・乗り・・・すぎた・・・・・・」
とてつもない疲労感にろくに動いてもいないはずなのの息切れしてしまった。
魔力弾ってこんなに疲れるものなのか?
このままでは不味いと家に帰ろうと思ったら、足の力が抜けてその場に倒れた。
(やば・・・いしきが・・・・・・)
力尽きた俺気を失った後、目を覚ました頃には既に真っ暗になっていた。
時計などもっておらず何時なのかもわからなかったが、いまだ疲れでふらふらな体に活を入れて家を目指す。
何とか家に帰りつくと心配しながらも怒っている両親が出迎えた。
だがふらふらだった俺は説教も聞き終わらない内にまた気を失って眠りについた。
18日目。
調子に乗りすぎてぶっ倒れてから三日。
両親に心配かけて病院に連れて行かれたり検査入院などして訓練もすることなく休養を取っていた。
迷惑かけた謹慎処分だと思って疲れを癒すために安静にしながら俺は考えていた。
魔力弾とはあんなに疲れるものなのかと。
休んでいたいろいろ考えて思い当たったこともあるが実証しなければわからない。
もう大丈夫だろうと外出を許可されて三日ぶりの林の中。
体の状態を確認しながら先日と同じように魔力弾を放つ。
5発も撃つと倒れるほどではないが体の疲労がはっきりと感じられた。
だが長時間瞑想していた時ほどの気づかれはそれほど感じず体がダルくなるだけだった
魔力量が少ないから多少使うだけで尽きてしまうとも考えたが、魔力を使うと精神より肉体の疲労がはっきり出るのは可笑しかった。
もしかしてと思い、俺は魔力を使った別の事を試す。
これまで体の中の魔力を動かしたり一箇所に集めたりするだけだったが、今度は体全体に広げるように操ってみる。
その際からだの外に漏れ出す感じがしたので、漏れ出さないように意識しながらだったのでだいぶ時間がかかった。
体全体に広がった魔力が漏れない様に維持しながら、俺は近くを軽く走ってみる。
すると足はバネになったかのように軽やかに地面を蹴りだし、体が驚くほど軽く感じて早く走れた。
立ち止まって今度は垂直跳び、3メートル近くあるはずの木の枝に手が届きました。
ちなみの俺の身長は110センチ前後と平均である。
身長の三倍近いところまで跳躍できて、着地しても足はそんなに痛くありません。
明らかに身体能力が強化されています。
魔力で体を強化する話も割と多いけどこれは・・・。
「もしかしてこれって魔力じゃなくて気なんじゃ・・・」
魔力訓練は割りと最初から踏み外していたみたいだ。
●拓海は気の操作を覚えた。
●拓海は気弾を撃てるようになった。