このゲームに・・・いや、この世界に来て1ヶ月経とうとしている。現在攻略した階層はない。βテストの時は2ヶ月で8層、既に死者は2000人を超えている。
つまりはこの世界はβテストの時と同じというワケじゃない。そのへんは分かっていたつもりだ。βテストの時と全く同じなゲームがあってたまるかよ。そもそもβテストの時と明らかに違う点が一つあるのを我々プレイヤーは忘れている。
HP全損による死。こんな設定が組み込まれてるのに他が変わってない訳ないだろう。
まぁこんな話はこれくらいにして行こうか、第1層攻略会議に・・・
「みんな!今日は集まってくれてありがとう。俺はディアベルだ」
苦手なタイプだな。嫌な奴だな。極力関わりたくないな。さてどうせあいつはいるんだろうし探すか。と言うまでもなく居たな。
一人でいるからかなり浮いてるぞ。え?お前も一人だろって?俺は気配消せるからいいんだよ。
「よぉ、キリト。やっぱり来てたな」
「ん?あ、ハチじゃないか!よく生きてたな!」
「当たり前だろ。妹のために早く帰りたいからな」
「シスコン?」
「どうとでも言え」
「それじゃあ、みんな!パーティを組んでくれ!」
・・・・・・・
え?パーティ?ど、どうする?
「ハチ、組もうか」
そうだ。こいつがいるんだった。一人じゃないって素晴らしい。
「あぁ、もちろんだ」
助かった。こいつがいなかったら俺ボス攻略参加できなかったんじゃ?
いや、居ても気づかれない可能性の方が高いな・・・
「おい!キリト。あそこにもう一人あぶれてる奴がいるぞ?誘うか?」
「そうだな。行くか」
あれ?これは俺も行く流れですか?
「お前もあぶれたのか?」
「別に、周りがみんなお仲間同士みたいだったから遠慮しただけ」
「へぇー。でもまぁパーティ組まないとやってられないみたいだぞ?とりあえずうちのパーティに入っとけ」
Kiritoがパーティ申請してきました。
Yes No
「っん」
Asunaがパーティに加わりました。
アスナ・・・か?女プレイヤーか、珍しいな。マント被ってんのも納得だな。
翌日。
「みんな!俺から言うことは一つだ。 勝とうぜ!」
こうして第1層ボス攻略が始まった。
俺たち3人は取り巻きのセンチネルの相手だ。アスナはボスと戦えないのが不満みたいだがやらなくていいならやらないに越したことはないだろう。
やらなければならないのなら必要最低限で。無駄な動きは命取りになる。そう言ったらアスナは驚いていた。当たり前のことだと思ってたんだがな。
まぁ、キリトは呆れてたがな。付き合いは短いがなんとなくわかるみたいだな。
「A隊!C隊!スイッチ!」
「B隊!来るぞ、ブロック!」
「D・E・F隊!センチネルを近づけるな!」
「了解!」
はぁ・・・働かないといけないのか・・・帰るためだ、仕方ない。
「ハチ!スイッチ!」
「おうよ!」
「ふぅ・・・ボスはどうなんだ?」
「ラスト1本だ。ここで確かタルワールに変わるはずなんだが・・・」
「全員下がれ!俺が行く!」
ここは全員で囲うのがセオリーだって聞いてたんだが?
「!!_ダメだ!全力で後ろに飛べっ!」
あれはタルワール・・・なのか?どことなく刀のような・・・?
「ディアベル!________」
あっちはキリトに任せるか。
「アスナ!ボスの動きを止めるぞ。今動けるのは俺らくらいしかいないんだ」
「え?あ、わかった!」
「「はぁぁああぁぁ!」」
はは、こんな叫んでらしくないな俺。キリトが戻ってくるまでだ。その後は下がって休もう。
「アスナ!スイッチ!」
「了解!」
これでそろそろキリトが__!?
「アスナ!」
「っん!はぁぁぁぁあ」
なんだよ・・・あのお嬢様みたいな見た目は、カースト上位者じゃねえかよ。
敵の攻撃にギリギリで反応したアスナは羽織っていたローブが取れ素顔をあらわにした。
「なんて見とれてる場合じゃねぇ!キリト!」
「俺が敵の攻撃を受ける!2人はその間に攻撃をしてくれ!」
「「了解!!」」
キリトとアスナは凄かった。俺なんか必要ないくらいに。あれ?俺休むつもりだったのに・・・
戦いはなんとか勝てそうだった。
だから俺は今よりこのあとの事を考えていた。
ディアベルの死。指揮官不在による戦闘能力の低下。それによってあぶれ組のボス討伐。
え?どうするのかって?・・・・・わかってるだろ。これが俺の固有スキルみたいなもんだ。
そうこうしてるうちにキリトがボスを倒した。ガタイのいい男とアスナと共にいる。
あの男は敵ではないようだ。あの見た目なら心強い味方だな。
そろそろ誰かが喚く頃だろう。
「なんでや!なんでディアベルはんを見殺しにしたんや!」
「見殺し・・・?」
見殺しだってよ。よく言うぜ、自分たちは動くことすらしなかったくせに・・・
「そうやろがっ!あんさん、ボスの攻撃を知っとったやないかい!」
そのくらいなら俺だって知ってる。お前らが情報を調べなかっただけだろうが・・・
しかも周りは周りでぼそぼそ話してるし・・・はぁ、仕方ないか・・・・・
「おい、トゲ頭。お前ボス戦の戦い方くらい知ってるよな?」
「あぁ!なんやトゲ頭やと!?わいは__」
「いいから早く答えろよ・・・」
俺はこの世界に来て初めて自分の意志で自分を殺した。
「!? そんなもん、6人1組のパーティ組んで交代しつつHPを削っていく。残り少なくなったら全パーティで囲って一斉攻撃。だろ?それがなんやねん!?」
おいおい・・・そこまで言ってわかんないのかよ。
「なら、今の戦い方と明らかに違う点があったろ?それはなんだ?」
「そんなん、ディアベルはんが最後単独で・・・」
「そこだよ、そこ。おかしいと思わなかったのか?初のボス戦にわからないこともまだたくさんある。何より負けたら死ぬ戦いで何故、そんな危険なことをしたのか」
「ディアベルはんがそう命令したんや!だから俺たちはそうしたまでだ!」
なるほどな。わからないことはない。だが、それはこの世界では通用しない。
「命令といえど動かなかったお前らに命令だろうと関係なしに助けに動いたキリトを責める権利はないぞ、腰抜けども」
「ぐっ・・・だが、そいつは__」
「それとディアベルが一人で死にに行った訳をお前らに教えてやるさ、LAボーナス・・・知ってるか?まぁ知らないだろうな。この情報は出回ってないからな」
出回ってないだと?などと声を上げてるが当たり前だろう。
「LAボーナスとはその名の通りラストアタック・・・ボスに最後攻撃して倒したプレイヤーに与えられるボーナス。レアアイテムがドロップするんだ」
「!! なんやい!β上がり共はそんな情報を隠して自分らのものにしようとしてたんか!」
「待てよ・・・。まだ俺の話は終わってないぞ?」
「そうだ。
「その情報を知ったプレイヤーが自分が取ると言って単独でボスに挑んでしまう危険があるから・・・だろ?」
「そう。その通りだ。だから隠してきた。現に今まで隠し通せていた。つまり・・・」
「ディアベルは元βテスターだ。どうだ?今まで毛嫌いしてきたテスターに騙され使われていた感想はどうだ?・・・・キバオウ」
そうだ、キバオウだった。思い出した。
とは言えこれであまりテスターを敵視するプレイヤーも少しは減るだろう。またこんなことになるならその時にどうにかすればいい。
「ハチ・・・その、ありがとう」
「・・・なんのことだ?」
キリトとアスナ、それにガタイのいい人も何故か笑ってる。
「それより早く行こうぜ。
パンのくだりカットしましたが・・・してましたが実際はパンのくだりあります。
書いてないだけです。
え?書けって?
嫌です♪
ちなみにタグにアニメ進行と書いてありますがまぁ、つまり月夜の黒猫団です。
正直に言うと一番といっていいほど書きたかったところです。
お楽しみに!