しばらくして、お仕置きを終えた師匠と、お仕置きされたリンが戻っ てきた。
「悪いわね。この子が迷惑かけて。あ、そうだ!自己紹介がまだだった わね。私の名前はカンナ。この子の師匠をしているわ。よろしくね」
「ああ、よろしく。カンナ」
「カンナお姉さんと呼んでもいい「お断りさせてもらう」....もう、ノリ悪いわね〜」
そう言い、カンナは要の前にたち、リンに聞こえないようにそっと耳元で囁いた。
「あなた、リンのどこに惚れたの?」
「は?」
「だーかーら、リンのどこに惚れたか聞いてるのよ」
「なんでそんなこと聞くんだよ....」
「師匠、何の話しているんですか?」
当の本人は聞こえていないのか、何の話をしているのか気になって仕方がないようすで、話に入ってこようとする
「いや〜、ね、リンを助けてくれたことに感謝してるのよ、ね?」
「俺にふるなよ....」
要は呆れ半分に答える。リンは納得いかない表情を浮かべるも、机の上にあったカゴを持って部屋のドアを開けた。
「あ、師匠。夕飯うちで食べて行きますか?迷惑かけましたし....」
「あ、うん。食べていく」
「じゃあ、今から買い出しに行ってきますね」
そういって、リンは出かけていく。頃を見はからって、カンナは再度要に近づき、もう一度質問をした。
「で?どこに惚れたのよ!?」
「しつこいなあんたも。さっきも言ったけど、リンは俺みたいな奴とは付き合いたくないだろうし、俺もそういう気はない。」
「そうかしら?男って好きでもない女の子を助けることはしないんじゃ ない?」
「あんたの中で男の認識はどうなってるんだよ....」
「私を振るような男は滅びればいいのに」
「怖えよ!」
カンナ自身の話によると、カンナは今まで多くの男に振られたらし く、振られた日は1日中部屋で泣いているらしい。しかも部屋から出 ないので、リンの指導のために狩りに行くということができないのだ
「でも、恋人がいたら弟子の指導に時間が作れないんじゃないか?」
「あ、それなら問題ないわ。だって今の彼氏、同業者だし、彼にも弟子 がいるから一緒に指導しているの。リンはあんまり気が乗らないよう だけどね。それに「ただいま〜」....あら、この話はまた今度ね♪」
そういって何事もなかったかのようにリンの部屋でくつろぎ始めるカンナ。その行動速度、ドアを開けてからわずか一秒という凄まじい速度だった。
「あ、今から夕飯作りますんでもう少し待っててください」
「はいは〜い」
やれやれと要は思いつつ、夕飯が作られるまで神機のメンテをした。
※
「一応ネットでハンモック作ったんだけど、しばらくここで寝てもらえ る?」
「ああ、わかった」
カンナが帰った後、ベッド一つしかないことに気づき、急遽ネットで 代理を作ることにした。寝心地は悪くなさそうだ
「明日は師匠の指導があるから私はもう寝るね。もし興味があったら連れていくけど、どうする?」
「一応いく。まだまだ情報が足りないからな。カンナさんにも頼んで見 たけど、やっぱり自分で探したほうがいい」
「そう。わかった。じゃ、お休み」
「ああ、お休み」
今日の一日は要にとって長い一日となった。だが要はあることを考えていた。
(白いアバドン...あいつは一体?)
そのことを思いながら、要はゆっくり眠りについた。
※
side???
ここは渓流。ユクモ村の近くに位置し、自然あふれる場所 辺りは夜であるためか、静かである
「グルルル、グラァ!」
一匹の赤い龍、リオレウスが目の前の獲物に噛み付こうとする。しかし、
「グルル?」
仕留めたと思った獲物の姿はなく、辺りを見回す。すると、
「グ!ギャアアアア!」
突如その背中に体が焼けるような激しい痛み、いや正確には体を焼く激しい痛みがリオレウス襲った。
「グル、ルル....」
リオレウスは死を覚悟した。そして死ぬ前にみたものは、先程仕留めようとした獲物と、自らの体に刺さった
.... 炎の槍だった
試験終了!やたああああ!
えー皆さん!試験無事爆死した血途です!
成績表返還時に吐血しそうですね(ブルブル)
そして明日から学年旅行だZE!というわけで精一杯楽しんできます!
次回もお楽しみに!
6月25日 加筆修正しました。