神喰、狩人始めます『更新停止』   作:血途

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もう少し戦闘シーンを伸ばそうと頑張っていましたが、無理でした。ついでに言うと書く毎に文章下手になっている感じがします。

これがスランプなのだろうか....。

取り合えず何回も書き直して時間がかかってしまいましたが、今回も楽しんで頂けたら幸いです。

それでは、本編どうぞ


ヒュドラ戦(後編)

 「ギャァァァ!」

 

 「やかましい」

 

 痛みのあまりヒュドラは悲鳴を上げる。そんなヒュドラが国城要に視線を向けると、ヒュドラの目に映った要の眼差しは、まるで獲物を狩る肉食獣のような目をしていた。

 

 雰囲気が異なったことにヒュドラも感づいているのか、先程のように攻撃をしかけず、様子見をするためにジッと要を睨みつけていた。

 

 「ギィィィ....」

 

 攻める姿勢を見せないヒュドラに対して、要は地を蹴り距離を詰める。

 

 「そっちが来ないなら、こっちからいくぞ?」

 

 「ギャァ!?」

 

 ヒュドラが要の存在に気づいた時、既に要は目の前にいた。余りの速度に反応仕切れなかったヒュドラは、要から放たれる斬撃を、ダメージを最小限に抑えようと、首を回して何とか避けようとする。

 

 「無駄だ」

 

 要がそれを確認したとき、捕食形態時に飛び出るオラクル細胞が瞬時にその形を変化させ、回避行動をとるヒュドラの首筋にくらいつく。そして必死の回避も虚しく、ヒュドラの皮膚に深々とその牙を突き刺した。

 

 「ギャァァァ!」

 

 白い首筋からとてつもない勢いで血が噴出していく。それは大地を赤く染めるだけでなく、要にも帰り血が付着する。

 

 要は顔に着いた血を拭い取ると、自身の神機を見た。

 先程、要はヒュドラの回避行動を視認しただけである。神機を操作してはいない。

 

 では何故、神機は捕食したのか。その原理が要の[同調]の力の一片である。

 思考の共有。それによって神機の変形速度や反応速度を上げる。要の神機は、まるで要の体の一部のようになっていた。

 

 ジュリウスの[統制]や、ロミオの[対話]に近い所もあるが、この血の力の場合は、一方通行では無い。それが意味することは即ち、

 

 「(お腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいたお腹すいた)」

 

 「クソっ!少しは抑えられねぇのか!?」

 

 オラクル細胞の考えていることも自分の頭の中に入ってくる。

 普通、オラクル細胞の持つ食欲に人間の理性など敵わない。要自身も、一瞬の気の緩みで理性が持っていかれる場合も有り得るだろう。

 

 「ギャァァァ!」

 

 「っ!」

 

 その時、ヒュドラはありったけの力を奮い、神機の拘束から逃れる。そしてそのまま要に向けて強烈なタックルをお見舞いした。

 

 「ぐあぁぁ!」

 

 「後輩くん!」

 

 大きな音をたてて、要の体は瓦礫の中へ吹き飛ばされた。美空は神機を握りしめ瓦礫の中の要に駆け寄る。

 

 「だ、大丈夫?」

 

 「...何とかな」

 

 「よかった~」

 

 目立った外傷は見受けられないため、美空は安堵の声を上げる。しかし、戦いはまだ終わった訳ではない。要と美空は再び神機を握る拳に力を入れ、ヒュドラを見据えた。

 

 「ギィィィ..」

 

 左首を失い、体中を血に染めて満身創痍な状態でもなお、ヒュドラは立っている。自分の体力や、残っている寄生モンスターのことも考え、早めに倒さなければならないと考えた。

 

 「さっさとくたばってくれよ。蛇野郎」

 

 「だったら後輩くんが頑張らないとね」

 

 要の[同調]の力は味方にも作用しているはずだが、先程まで顔色が優れていなかった美空でも、今では血色が良くなっていた。

 

 「はぁぁぁ!」

 

 「ていやぁぁぁ!」

 

 ヒュドラに向かって要と美空は駆け出した。[同調]によって、思考を共有し、今まで以上のコンビネーションを発揮する。ヒュドラもそれを認識すると、残った右首を使って応戦を始める。

 

 迫り来る刃には牙で、

 銃弾の嵐には、霧を纏い、

 襲い掛かる黒い捕食者には己の腕を振るい、必死に抵抗をした。

 

 「ギャァァァ!」

 

 だが、2対1という状況で、さらに左首を失ったヒュドラの劣勢は、誰の目から見ても明らかだった。

 

 「やぁぁ!」

 

 美空のスカイフォールがヒュドラの右首を押さえ付ける。美空の拘束から逃れるため、中央から毒ブレスを吐き出そうと口を開いたヒュドラの口に銃口が差し込まれる。

 

 「悪く思うなよ?」

 

 そのまま引き金を引き、神機から銃弾が射出される。勢いによって上にのけ反る形になった。そして、

 

 「これで....終わり!」

 

 いつのまにか空中にいた美空が神機を下に向ける。そのままスカイフォールを放ち、ヒュドラの脳天から一直線にヒュドラの体を貫いた。

 

 「ギャ....ギィ....ィィ」

 

 これが決め手となったようで、ヒュドラは力無く地面に倒れ伏す。

 要は血の力を解除すると、その体に疲労が襲い掛かり、地面に倒れ込んだ。

 

 「立てる?」

 

 「おまえは鬼か?」

 

 美空は肩に要の腕を回して要を支える。残るは寄生モンスター。隣にあるヒュドラの死骸を横目に、要は再び気合いを入れ直した。

 

 




ヒュドラ戦を書いていて思ったことなのですが、終わりが見えて来なくなってきました。

予定ではあと2~3話で終わるつもりですが、多分無理です。(笑)

ヒュドラ編が終わったらモンハン要素を増やしていこうと思ってます。読者の皆様、これからも暖かい目で応援よろしくお願いします。m(_ _)m

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