しかも字数が前回に比べてめちゃくちゃ少ない。
そして今回は久々のアラガミsideです!
それでも楽しんでいただければ幸いです。
それでは
イ、セ「「本編だぜ(ですわ)」」
........。
暗く、深い森の中に一つの白い影が浮かび上がる。満天の星空の下をゆっくりと進行するそれに続くように、次々と同様な白い頭部が浮かび上がる。
「....ギャ?」
ふと感じる違和感。ヒュドラは獲物の体に取り付いた己の分身に信号を送ってみた。しかし、分身からの返事は無い。
「....」
幸い、向かうべき場所は把握している。分身からの情報が途絶えてしまっても、同族の気配を感じ取るには十分な場所までやって来た。
「ガァァァァ!」
「ギャァァァァ!」
後ろが騒がしいと感じたヒュドラは音のする方を振り返る。目線の先では、緑の体をした分身と黒い生物が対峙していた。
黒い方は恐らく、縄張りに侵入してきたモンスターを排除するために行動に出たのだが、そいつは哀れな奴だった。緑の方は、己の欲望のままに行動している。元々大飯食らいだったのか、目の前にいる勇敢な生物を、ただ餌としか見ておらず、地面を涎で汚していた。
「ギャァァァァ!」
先制をとったのは黒い方だ。大量の棘がついた尻尾を振るい、敵の頭へ攻撃する。しかし、
「ガァァァァ!」
棘がある尻尾を口で受け止め、牙を立てる。口の中に棘が刺さり、大量出血するものの、分身は黒い方を地面へと叩きつけて、その尻尾をかみちぎった。
「ギャァ!?」
あまりの痛さに震え上がる黒い奴。分身はかみちぎった尻尾を咀嚼しはじめた。肉が噛まれる音と、骨が砕かれる音が森の中に響いた。
「ギャ、ギャァ!」
勝てない
そう思った黒い奴はその足を最大限に利用してこの場からの逃げだそうとした。その時、その黒い体を水流が貫いた。
どうやら青い分身が高圧水流を吐き出したらしい。
これが致命傷となったのか、力無くその場に倒れた。
「ガァァァァ!」
緑の分身は倒れた黒い生物に近づき、食事を始める。緑の分身だけではない。肉を主食とする者達が次々に死体へと群がり、同様に食事を始めた。
「ギィィィィ」
そんな中で、白い分身がヒュドラの隣へとやって来た。
分身とはいえ、かつての自分の主食が隣に来るという光景に、違和感と蟠りを覚えながらも、ヒュドラ自身も右の頭で近くを逃げ回っていた、鹿のような生物を捕らえ、捕食する。
凍土にいた鹿とは違い、皮が薄く、身は淡白だが、それでも美味と感じていた。
「ガァァァァ!!」
どうやら分身達の食事も終わったようだ。ヒュドラは水を飲んでいた左の頭を持ち上げると、同族の気配がする方角に首を向けた。
かつての自分の食事を邪魔し、瀕死まで追い込んだ人間に復讐し、取り損ねた獲物を目の前で食してやろう。
凍土で暮らしていたはずのヒュドラの目は、まるで炎が浮かび上がるように、真っ赤に染まっていた。
襲撃まであと1日
ああ、ついにヒュドラと対決か....。戦闘シーンは嫌だぁな~。
イ「特にセイレーン戦は酷かったしな」
セ「すごく雑でしたわ」
そのことは、今でも雑過ぎたと思ってますよ。もう少し戦闘シーンの内容を膨らませたらなぁ....とか。
まぁ、イフリート戦よりいい戦闘シーンを書けるようがんばります。
それではまた次回。