毎回言ってる気がしてきた”お待たせしました”。そろそろ主人公の名前を忘れそう()
ポケモンをクリアした勢いで投稿です。
ポケモンの新作は、ヒロインが今までで一番ヒロインしてた気がします。
私はポケモンのパッケージや御三家は気に入ったデザインで選びますが、皆さんはどうですか?
ちなみに私はムーンを買って、最初のポケモンはモクローを選びました。理由は月、狩人のワードに惹かれたから(中二感)
ただ、モクローを選んだのは若干後悔してます。序盤キツイし、終盤もルナアーラとタイプが被ってせっかくの伝説に出番がありませんでした。
まあカッコイイから別に良いんですけどね!
認識阻害の領域魔法が周囲を覆った瞬間に、紅夜の人差し指が引き金を引いた。
それとほぼ同時に発動した魔法は、加速系統によって周囲を暗黒に包み、収束系統が一点に穴が空いた闇に光を注ぎ込む。一センチにも満たない細い線となった光は、反応できないままにパラサイトの足を穿った。
「グッ!?」
「なにが──ッ!?」
パラサイトの呻き声とリーナの声が響くと同時に、二人を包んでいた夜が明ける。
その途端、リーナとパラサイトの間に割り込むように現れたのはエリカ。パラサイトが咄嗟に放った電撃は、普通の魔法師ではあり得ない速度で発動し、エリカへと直進する。しかし、直撃するかと思われたエリカの眼前で、電撃は壁に当たったように弾かれた。
驚愕から僅かな間硬直するパラサイト。エリカはそれを見逃すほど甘くはなかった。
自己加速魔法によってパラサイトとの距離が刹那で縮まる。そして、速度と威力を重視した突きが、パラサイトの胸を貫いた。
誰がどう見ても致命的な一撃。
だが、エリカは喜ぶことはなく、表情を引き締める。剣士としての経験と直感から、スカートをはいてることにも頓着せずにパラサイトの腹をけり、大きく距離をとった。
次の瞬間、エリカが先ほどまでいた場所を、鉤爪のように形取られた手が切り裂く。その指先には何らかの力場が纏われており、攻撃を受けて無事で済むとは思えなかった。胸と足に空いた穴は、瞬く間に塞がってしまう。
「治癒魔法!? あの傷を一瞬で!?」
「どうやら本当の化け物みたいね」
克人の隣で、ある程度の情報共有を済ませたリーナが愕然とした声を上げ、エリカが吐き捨てるように言う。
「ならこれは再生できるか?」
その声はパラサイトの後ろから聞こえてきた。反射的に振り向くパラサイトの視界に映ったのは、CADを剣のように振りかぶる紅夜の姿。【
直感のままに後退しようとするパラサイト。だが、自己加速術式を発動している紅夜の前では、ただ隙をさらすだけの行動となってしまう。
「──ッ!」
振り降ろされたCADは、その先に見えない刀身があるかのようにパラサイトの腕を切断した。肉が焦げる不快な臭いが漂い、パラサイトが体勢を崩す。そこを追撃するように、エリカの刀がパラサイトの背中を切り裂き、紅夜の返したCADがもう片方の腕を焼き落とした。
そして、エリカと紅夜は示し合わせたように、パラサイトから距離をとる。同時に雪崩れ込む冷気。抵抗する間もなく、パラサイトは凍り付いた。
◆
「深雪、助かった」
俺はトレーラーの影から出てきた深雪に礼を言いつつ、落としたパラサイトの腕を両方回収する。深雪の後ろについてきた兄さんに片方の腕を放り投げ、
「リーナ、悪いが彼女はこちらが貰うぞ」
「……まあ、仕方がないわ」
おどけるように肩を竦めるが、それが虚勢に近いものなのは簡単に理解できた。
兄さんが投げ返してきた腕をキャッチし、一応俺も軽く眼を通してから特に情報になるものがないと判断する。逆に言えば、パラサイトは取りついた相手の肉体ではなく、精神に影響を及ぼすということが読み取れた。
念には念を込めて、パラサイトの腕を上に投げ、そのまま焼却しておく。必要ないかもしれないが、あの再生力を見たあとだと安心できなかった。
こうして会話している間にも、パラサイトを視野から外すことはない。既におぼろげな原作知識だが、パラサイトがこのまま終わるとは思えなかった。
だからこそ真っ先に反応できた。
「危ない!」
幹比古の声が響くと同時に、俺は左手をホルスターに回し、ドロウレスで引き金を引く。それだけで、空中放電は炎に呑み込まれた。
電撃を放った術者は未だ凍り付いたまま。だというのに、魔法を行使できるのは、現代魔法の理論からはあり得ないことだ。それがいとも簡単に覆される。
電撃に包まれる氷像。
「自爆!?」
リーナが悲鳴を上げ、全員が防御姿勢をとる。炎上した氷像は、全てが一瞬で灰燼と化した。
灰として舞い散る身体の残骸。リーナの言う通り、これでは完全に自爆したとしか言えないだろう。だが、視界が赤く染まるような感覚に囚われていることで、それは有り得ないと確信する。
どこからか再び放たれる電撃。その発動速度は、CADを使用しているわけでもないのに、ループキャストを使用するのとほぼ同等で展開されていた。
克人の張った障壁が電撃をかき消し、俺と兄さんの対抗魔法がいくつもの術式を消し飛ばす。しかし、それを上回るような速度で、電撃が放たれ続けていた。途中からリーナと深雪も電撃への対応に加わりある程度余裕が生まれたが、それでもパラサイトの攻撃が止む様子はない。
「……何故逃げない?」
「意図的か本能的かは分からないが、どうやら俺たちを足止めしたいらしい」
俺が思わず呟くと、兄さんも同じことを考えていたらしく、返答が来る。
「逃げる気になれば、いつでも逃げられるということか」
「少なくとも俺には拘束手段がありません」
「俺もだ。そもそも何処にいるかが分からん」
克人と兄さんの会話を聞きながら、ループキャストで【
だからといって、現状ではパラサイトに直接攻撃する手段があるわけではない。俺の眼は兄さんとは少し違った視点を持っているが、今は視えている部分は同じだ。パラサイトを作っているプシオンを視ることができるが、それは情報次元に限ったもので、現実とのつながりが曖昧な為に、現実におけるパラサイトの座標が分からない。
まるで、干渉できない上位の次元から、一方的に攻撃を受けているようだ。もちろんそれは錯覚で、魔法という情報次元への干渉手段を持っているのだから、こちらからも攻撃ができるのは分かっている。しかし、相手の場所を認識できていない以上、手段がないのは事実だった。
簡単に言えば、向こう側から一方的に見える壁を隔てた状態で、両方が壁を透過する攻撃手段を持っている。どちらが有利かと言えば、俺たちの姿が見えている向こうに決まっているのだ。
「リーナ、何か知らないか?」
正直、あまり期待はしていないが一応聞いておく。俺も原作知識という情報があるが、パラサイトについてはリーナの方が知っていることは多いだろう。前世の俺は横浜騒乱までは3、4回ほど読み直していたが、そこから先は一度読んだきりなのだ。転生した時点で現在辺りの記憶は曖昧だったので、原作知識は全く役に立たないと見ていい。残りで覚えていることは、ピクシーの存在くらいだ。
「ヴァンパイアの正体は、パラサイトと呼ばれる非物質体よ」
「ロンドン会議の定義だろ。それは知ってる」
一瞬、ヴァンパイアと言われて何のことか分からなかった。俺の中では、既にヴァンパイアの名称はパラサイトで固定されている。しかし、リーナは知られているとは思っていなかったのか、たっぷり十秒絶句した。
「…何なの、アナタたちって。まさか、日本の高校生が皆こんなんだっていうんじゃないでしょうね」
「流石にそれは無い。俺たちは色々と例外だ」
特に俺はな、と意味もなく内心で付け足す。
リーナは全然納得できないようだが、今はそんな場合ではないことを理解してか、中断していた説明を再開した。
「パラサイトは人間に取りついて、人間を変質させる。取りつく相手に適合性がらしいんだけど、宿主を求めるのは自己防衛本能に等しいパラサイトの行動原理らしいわ」
「方法は?」
「知らないわ。ワタシが教えてほしいくらいよ」
「…………」
「何よその目は! 文句あるの!?」
「いや、何でもない」
逆切れ気味に開き直られて、その迫力に押されながら呆れ混じりに答える。まあ、人に取りつくことがパラサイトの行動原理だと分かっただけで、十分な情報だ。
こうして攻撃してきている以上、何かしらの条件があるはずだが、それを特定することもできない。今俺たちができるのは、とにかくパラサイトの攻撃を防ぐことだけだ。
パラサイトにもエネルギー限界というのがあるだろうが、それを待っていては俺たちの消耗とどっちが早いかの耐久勝負になってしまう。相手の限界が理解できてない現状で、それはまずい。
「幹比古! パラサイトに対抗できる魔法はあるか?」
攻撃をしのぎながら、幹比古に問いかける。古式魔法は昔から妖魔を相手にしてきた者たちだ。だったら、パラサイトの対抗魔法を持っている可能性も十分ある。
「せめて何処にいるかが分かれば、手の出しようはあるけど……」
エリカを狙うパラサイトから守るように結界を張っている幹比古の返答は、俺の期待に十分応えるものだった。
「──やるか」
覚悟を決めるつもりで呟く。
その声が聞こえたのか、兄さんと深雪が驚いたように眼を見開き、視線を向けてきた。二人とも、俺の魔法がこの状況を打破する可能性を持つことを知っている。それでも使うように言ってこなかったのは、兄さんと深雪の優しさなのだろう。だから、自分を鼓舞する意味も込めて、強く頷いて見せる。
元々そのつもりでここに来たのだ。それでも、ここまで躊躇ってしまう自分に、思わず苦笑が零れた。
一つ息を吐く。
意識を切り替える。
瞼を閉じた。
己の内に意識を向ける。だが完全に意識を潜らせることなく、半分無意識下で魔法の行使を続けていた。
今、俺の魔法を縛る枷は、3分の1が解き放たれている。それをさらに緩めた。前回開放された力で、既に俺の魔法は情報次元への影響を取り戻している。故に、己を縛る鎖は、外から容易に焼き切れた。体感で約2/3。ついに半分以上の力を開放した俺の魔法は、新たな領域に踏み込んだ。
眼を啓く。
眼に入った光景に、腹の底から嫌悪感がわき上がった。それを無理矢理抑え込みながら周囲に眼を向ける。
形を失った虹色の世界。全ての色が溶け合ったような不気味な色の中、輝くようにプシオンで形成された人型が複数存在していた。そして、その頭上でひときわ大きく輝く無数の触手のようなもの。
「エリカの頭上2.3メートル、右寄り1メートル、後ろ寄り50センチだ。やれるな、幹比古!」
その触手の起点となる部分に向けて、俺は人差し指を突き付けた。
この眼こそ、俺が四葉の最高傑作である証。
故に【
この眼からすれば、パラサイトの本体を見つけ出すことなど、実に容易いことだ。
俺が指さした場所向けて幹比古の放った「炎」の精霊が突っ込む。燃焼という概念を持ちながら、現象と切り離された独立情報体がパラサイトにダメージを与えたのが視えた。
しかし、それでもパラサイトは諦めない。俺が位置情報を特定したからだろう。突然、物理世界とのつながりが強くなったパラサイトは、慌てたように俺を狙ってきた。
「チィ!」
視えていても確実な対抗手段を持っているわけではなく、電撃に紛れて近づく触手のようなものを、術式焼却で電撃を焼き払いながら回避する。だが、パラサイトは執拗に俺を追ってきた。そのしつこさに、思わず舌打ちをする。
──仕方がない、か
内心で呟き、俺はサイオンの塊を右手に作った。原作通りに事が進んだ方が嬉しい俺としては、ここでパラサイトをしとめる訳にもいかない。それに、ここにいるメンバーに、これ以上俺の魔法を見せるのは避けたかった。
しかし、ここまで俺に苦労を掛けさせたのだ。ただで返す気も毛頭ない。だから、開放された力の漏れ出した分をサイオンに込めた。幹比古の魔法と似たような、炎の概念に限りなく近い力が込められたサイオン弾。
視線で狙いを定め、パラサイトに向かって撃ちだした。
いまいち内容に納得がいっていない……
今回出てきた独自設定的なナニカとして、サイオンとプシオンの色があります。正確には独自設定というか、あくまで紅夜の認識の仕方の問題ですが。
サイオンの色は原作者がサイオンは角度によって見え方が違うイメージと言っていたらしいので、それを反映して常に移り変わる虹色に。プシオンは私のイメージで白い光としました。
ポケモンがひと段落ついたらfate/extellaやFF15もやらなければ(使命感)
……次の投稿は来年になる可能性が(ボソ