柊の絵を完成させたいけど、画力なさすぎて辛い現状です。頑張りたいですね……
それでは、始まります。
私はまた姿を消し、幻の周りを移動する。
「クソッ! あいつはどこだ!」
幻がキョロキョロと周りを見る。しかし、そんなことをしても私を見つけることはできない。幻は自分の体を中心にして、ナイフを円形に並べた。その後、手を下から上にあげる仕草をした。
私はただそれを、幻には見えないようにしながら、木の上から眺める。
とりあえず奇襲をかけてみようと、刀を抜いて切りかかってみる。しかし、何か見えない壁に阻まれてしまう。その何かと刀によって出された音によって、幻が音のした方に反応する。
「そこか!」
ナイフを次々と飛ばしてくる。
だが見えないため、少し横に動くだけでかわすことができる。
ただ、幻はそれで場所を把握したつもりなのか、その方向を向いて集中し、力を溜めている。
私は幻が何をしたいのか分からないけれど、これほどの好機は無いと思い、刀で攻撃しようとする。
しかしその時、幻が私の方を向いた。
「分かっていないとでも思ったか! 姿は隠せても気は隠せないみたいだな!」
私はもろに幻の攻撃を受けてしまう。それと同時に透明化も解除されてしまう。
「全く……。お前の能力には驚いたが、使いこなせないようなら俺の眼中にもねぇ。また前と同じようにしてやる」
幻が以前と同じように私に能力を使おうとする。しかし、どこからかクナイが飛んできた。
「ん? なんだ?」
幻が、クナイの飛んできた方を見る。私はその隙をついてまた能力を発動する。
もちろん私には誰が飛ばしたかなんて分かっている。
「なんだ、まだ動けたのか」
私は今助けてもらった。今度は椛さんが狙われている。なら次は私が力になる。
椛さんの方向を向いて、幻は話している。
私は幻の見えない壁を壊すため集中する。昔聞いたことがあった。全てのものに核というものがあって、ある一点に集中して攻撃すると硬くても壊れるというのを。
時間がない。一発で成功させなければ終わりと思った方がいい。
刀の先を意識して、もう一度集中する。焦りは禁物だ。
刀の先が止まったと思った瞬間、私は壁に向かって刺した。
見えないが、何かが崩れ落ちた音がした。今この瞬間を逃したら、またバリアをはられてしまうかもしれない。私は無理矢理、刀を幻の首の所に持っていき首を切り落とした。
しばらくして、幻の胴体が倒れ、首は体の近くに転がっていった。
私は能力をといて椛さんの方を見る。椛さんは口を開け、驚いているようだった。
「椛さん、大丈夫ですか?」
私の呼びかけに答える。
「えぇ、大丈夫です……。柊さんだけで倒してしまうなんて」
「椛さんのおかげです。あそこで気を引いてくれなければ私も死んでしまっていたかもしれませんし。とにかく医務室に行きましょう」
そういった時、椛さんが思い出したように言った。
「そうです! 双葉さんが!」
「あ! 双葉ちゃんはどこ!?」
私が双葉ちゃんを探そうと辺りに視線を向けた時……。
私は血を吐きながらその場に倒れた。
今回も読んでいただきありがとうございました!