さて、どうすれば柊は元に戻るのか、いずれ判明しますでしょうが、考えながら呼んでいただければと想います!
それではどうぞ!
「どこに行った、あいつは」
双葉が探している中、遠くの方で椛の合図が上がった。
「お! 見つけたんだ! さすが椛ちゃん!」
双葉は急いで椛の所へと向かった。
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「椛ちゃん!」
「あ、双葉さん!」
「幻はいたの?」
「いたのですが、なかなか厄介でして……」
「厄介?」
「えぇ、見つけて能力を探ろと尾行をしていたのですが、距離はだいぶ離れており、向こうは一度も振り帰返っていないのに尾行がバレてしまって」
「だいぶ離れていたのにかぁ……」
「結局それで能力も分からずで」
「大丈夫、能力はおおよそ予想がついてるから」
「本当ですか!?」
「うん。あと、なんで尾行がバレたのかも、能力で証明できると思う」
「幻の能力は……?」
「あいつの能力は、幻覚を作る系の能力だと思うわ」
「幻覚を作る……あっ! 幻覚を前に置いて幻自身は後ろにいれば、振り向かなくても分かる。そういうことだったんですね!」
「そうだね、尾行が早い段階でバレてしまっていた可能性が高いわね。それでも、戦闘に持ち込んでこなかったのは……」
「それが幻覚だと分からせないため」
「そうだね、まんまとやられたわ」
「でも、幻覚って動くものなのでしょうか」
「あいつの幻覚は特別みたいで、私も戦った時分かったけど、あいつの幻覚は確かに動いていたわ」
「そうでしたか。それならあれが幻覚だった可能性も高いですね。でも……」
「ん?」
「それだけの幻覚で柊さんや他の妖怪をあんな状態にするなんてどうやったら……」
「そこはあたしも不思議に思っていた。ただの幻覚であんな風にできるわけがない。だとしたら別の何かを使ったのかとしか考えられない」
「別の何か……検討がつきませんね」
「だから困るのよね。相手の手札がわからないと何が起こるかわからないから」
「何か手がかりが掴めればいいのですが」
その時双葉は、幻が言っていた言葉を思い出した。
「待って。あたしとあいつで戦った時……」
「何かあったんですか?」
「うん。確かあいつは“なんで能力が発動しない!?”って言ってた。でもその後、あいつの幻覚に驚かされて、その隙に逃げられちゃったんだよね。今思ってみるとおかしいんだよね」
「確かにおかしいですね。能力が発動しないと言っているのに、その後は発動している……時間制なのでしょうか」
「いや、あれほど厄介なのに自分の能力を把握してないなんてことはないと思う」
「では他に何が……」
「能力が二つ……なんてことはないか、流石に」
「二つ……双葉さん、幻覚にもいくつか種類があるのでは?」
「どういうこと?」
「先ほど、双葉さんが幻の能力を説明している時、私と双葉さんで考えていた幻覚の見せ方に違いがあり、話がつながっていませんでした。ですから、幻覚の見せ方にも種類があり、私や双葉さんが先ほど受けた幻覚とは違う種類の幻覚の見せ方があるのではないのでしょうか」
「あ、なるほど! 椛ちゃん頭いい! 多分そうだね。よし、相手の能力は大方分かったことだし、柊ちゃんを戻すために行きますか!」
「えぇ、行きましょう」
またも間が空いてしまいましたが、幻の能力を突き止め、ついに椛&双葉が動き出します。
いよいよ最終決戦か……?
次回もどうぞよろしくおねがいします。(あ、幻の破片の方もお願いします…)
それでは、読んでいただきありがとうございました。