※今回双葉はでません。申し訳ございません。
※最近柊とか椛が明るくないから、明るくしようという作者の気分です。
※そもそもクリスマスなんで、クリスマスにちなんで書こうと思ったら、終盤ぐらいにしかクリスマスっぽいのがないです。
今回は番外編でございます。
楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。
では、どうぞ
「ふわぁ~……ん~! うぅ、寒い……ここ数日間冷え込んできたなぁ……」
布団から出て、外の空気を吸うために外へ行く。
「今日も清々しいなぁ~! ……あれっ?」
私はある物に気づいた。
「雪だ!!」
地面は白くなっており、雪が積もっていた。
「わ~! 凄い! こっちにも降るんだ!」
向こうにいた時にも、雪が降っていたことを思い出す。
「懐かしいなぁ~……」
私が思い出に浸っていると、椛さんが外に出てきた。
「雪降ったんですね」
「あ、椛さん! おはようございます!」
「おはようございます」
椛さんはニコッと笑う。
やっぱり椛さんは美しいと思う私だった。
そういえば、椛さんとゆっくりお話をしたことも無かったなと思い、
「椛さんって、今日何か用事ありますか?」
と聞いてみる。
椛さんは、
「特に何も無いですよ」
と言った。
(それはよかった)
「じゃあ、今日……」
私が話し始めた時、玄関の方から声がしてきた。
「文々。新聞ですよ~!」
文さんだ。
「あ、文さん。おはようございます」
「文さん、おはようございます」
私と椛さんは、二人揃って挨拶をする。
「おはようございます。椛と柊」
「文さん毎朝忙しそうですね」
「そうですか? 私は好きでやっているので、別に苦ではないのですよ」
文さんは笑いながら言う。
「そうなんですか」
その後、文さんと他愛もない話をする。
「……さて、私は次の所へ行かなければいけないので、これで失礼しますね」
「「はい、頑張ってください」」
そう私と椛さんが言うと、文さんは飛んで行った。
「では、朝食でも食べましょうか」
「そうですね!」
私と椛さんは家の中に入っていった。
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朝食を食べながら新聞を読んでいると、私はある事に気づいた。
「えっ! 今日って十二月二十五日なんですか!?」
「そうですよ、どうかしたんですか?」
椛さんが聞いてくる。
「椛さんって、クリスマスって知ってます?」
「クリスマスですか? 知ってますよ」
「え! 知ってるんですか!? 私はてっきり幻想郷にはクリスマスなんて無いのかと思っていたのですが……」
「当初は、私も知りませんでしたよ。でも、八雲 紫が柊さんの居た世界の文化をこっちの世界に広げたため、そこから流行りだしたんです」
「へぇ~……そうだったんですか」
(八雲 紫ってそんな凄い人だったのか)
思い返してみれば、空間を操っている時点で凄いことがわかる。
まぁ、この世界の人達自体が普通に凄いんだけど。
能力でどこにでも行けるということを聞いた時には、本当に驚いた。
「う~ん……」
私は唸り始めた。
(椛さん、予定が無いって言ったけど、今日クリスマスだし、もしかしたら予定とか入るんじゃないのかな……私、誘わないほうがよかったかな……)
あれこれ悩む。
そんな私に、椛さんから思いもよらぬ発言が。
「あの、柊さん。柊さんも今日お暇ですよね?」
「えっ……! あっ、はい。暇です」
「もしよければ、その……私と今日、出かけませんか?」
「えっ……?」
(えっ……? まさかの椛さんからのお誘い? え、嘘。ほんと? ほんと?)
「あ……嫌なら無理にとは……」
「いえいえいえ!! そんなことないです!! むしろ嬉しいです!!」
「そうですか。ならよかったです」
椛さんの口調は落ち着いているように聞こえたが、私には、左右に振れる椛さんの尻尾が目に入った。
(かわいいなぁ……)
「で、では、支度しましょうか」
「そ、そうですね!」
私も支度を始めた。
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私と椛さんは、色んな所へ行った。
人里へ行き、お互いに好きなものを食べたり、あげたり。
はたまた、景色が綺麗な、九天の滝という場所にも行った。そこから見る景色は、言葉では表せないほどの景色であった。目の前に広がるこの世界を一望できる。しかも、二人で見るということで、また違う感覚を味わうこともできた。
他にも、少し遠くへ行ってみたり、雪で遊んだりもした。
その一時は、とても幸せであり、楽しい時間だった。
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次第に日も暮れ始める。
「柊さん。今日はありがとうございました。こんなに楽しかったのは、久しぶりです」
椛さんは今日の出来事を一つ一つ思い出すように目を閉じながら言う。
「私もです……椛さん」
私も今日のことを思い出す。
ゆっくりとした歩調で家へと向かう。
話してから間が空き、椛さんが再び話しだす。
「柊さんと出会ってから、何ヶ月も過ぎました……その一緒に過ごした日々の中で、柊さんのこともだんだんと分かってきたんです。柊さんは、とても良い人だと……」
「椛さん……」
「そして、私は思ったんです。柊さんは私にとって必要な方。かけがえのない、大切な人なんだって……」
「だから、柊さん」
椛さんが私の方に向く。
「これからもどうか、私と……私と一緒にいてくれませんか?」
日は暮れており、星々が、そんな二人を照らしていた。
私はただただ単純に嬉しかった。
初めて必要だと言われ、初めて大切だと言われた。
しかも、今自分が大好きな人に。
断る理由なんてない。
「……はい。喜んで!」
二人は、夜空に昇る月の光に照らされながら、手を繋いで、家に帰った。
さてさてクリスマスですよ。
ということで、クリスマスっぽいの、書きました。
自分では、終盤の方は良かったんじゃないかと思ってます。
でもまぁ、そこは、コメントで感想だったり、批判も受けておりますので、何かあったら書いて下さい。
今回初めて番外編を書かせていただきました。
一度は書いてみたいなとは思ってました。
前書きでも書きましたが、今回は楽しんで読んでもらえれば嬉しいです。
では、後書き長くなりましたが、
今回も読んでくださり、ありがとうございました。