言いましたけど…今回は椛がメイン?の話です。
変わることもあるんです。許してください。
というか、椛が活躍だったりだとか、そういうの深く書きたいとは思ってるんですけど、けど…
今回のこのまとまりが終わったら書きたいと思ってますので、そこはほんとに許して下さい。
では、どうぞ
――椛のいる哨戒班――
「はぁ……はぁ……これで大方片付いたろ……」
流石と言うべきか、大群で押し寄せてきた妖怪を、数十分で倒していた。
「まったく……何か起こるたびにこんな事になってたら体がもたねぇよ……」
全員の顔には疲れが見えていた。
鴉丸がみんなを集める。
「仕方ねぇが、少し休まないと体がもたねぇろ。五分ほど休憩だ。その後また動き始めるぞ」
「はい!」
全員が声を揃えて返事をした。
休憩中、本来は気も休めるべきなのだろうが、椛はそわそわしていた。
柊と双葉のことが心配だったのだ。
今こんな状態の山で、安全である保証なんてどこにもないからだ。
「どうしたんだ?」
仲間に声をかけられる。
「いえ……その……少し気になることがあって……」
「そうか……班長に言ってこようか?」
椛は一瞬迷ったが、
「いえ、大丈夫です。自分で言ってきます」
それだけ言い残して、班長の所へ行った。
「あの……班長……」
鴉丸は椛が呼んでいることに気づく。
「ん、どうした?」
「実は……」
椛は、自分が今心配していることを正直に言った。
「そうか……」
鴉丸は迷うそぶりを見せたが、
「いいよ、こっちは任せておけ。お前はそれを確認しに行け」
「あ、ありがとうございます!」
椛はお礼を言った後、すぐに飛んでいった。
椛は急いで自分の家へと向かう。
「どうか無事であって……!」
椛は不安な気持ちを抱えながら、家に行くスピードを上げた。
しかし、椛が見た光景は、明らかに無事だと言えるものではなかった。
家の戸は吹き飛ばされたのか、なくなっており、床や壁には穴が空いていた。
しかも外には、土が抉られているような痕があった。
「何があったの……」
椛の不安な気持ちが膨らんでいく。
「柊さん……! 双葉さん……!」
椛は家の中を探し始める。
数分して、ようやく柊を見つけた。
「柊さん! よかった……」
しかし、柊は見つかったが、双葉の姿が見当たらなかった。
「双葉さんはどこに……?」
そう考えた時、すぐ隣の森の中から、轟音が聞こえてきた。
「なに……!?」
椛は柊を抱えて森の方へ向かった。
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双葉も、柊のことを心配していた。
心配していたからこそ、幻から遠ざけたつもりだった。
だが、壊れた家に、誰も入らないなんて保証はない。
だから双葉は、他の妖怪にやられるかもしれないということが気になっていた。
しかし、この少しの気がかりが、後々、どれほど邪魔なものか、そして、どれほどの後悔を生み出すものなのかは、この時の双葉は、まだ知らない。
今回も読んでいただき、ありがとうございました。