なんでしょうね、今回は(自分では)難しめに書いたつもりなので、深入りして、昨日は早い時間に寝落ちしてしまって、
で、遅れました、すみません。
でもこれって一応不定期なんですよ。
さて、前半は、前回のところから、少しさかのぼり、柊を第三者と、柊視点でお送りします。どっちがどっちかわからなかったらすみません。
こんな長々と書いてても飽きるだけでしょうし、本編に移りましょうか。
ちなみに、今回私がかいたこと(説明のようなところ)は、本当かどうかは、定かではございません。あくまでも、私の推測ですので、そこはご了承ください。
では、ごゆるりと
殴られても痛みは感じない。
もうどうにでもなれという気持ちしかなかった。
たとえ幻覚でも、家族が死んだときのこと、自分は見ていなかった真相を最後まで見てしまったら、普通でいられるわけがない。
まして、柊は元々人間であったこともあり、人間としての感覚も残っている。
だから、平然とすることができないのも当然だろう。
この事件が起きたとき、柊はまだ幼かったため、脳が無意識に柊の両親の死を受け入れることを拒んだ。
柊は昔、自分の両親はどうしたのかと聞いたことがあった。
その当時おばあちゃんから、事故で亡くなったと聞かされた。
脳はそれを信じ込み、勝手に記憶を改ざんしていく。
人間の場合だと、そういうことが多い。
自分の都合のいいように、記憶を捻じ曲げて変える。
そしてそのまま、思い出さず、消えていく。
しかし、柊がそうだと思い込んでいたものとは違う現実、すなわち実際にあった出来事をもう一度見てしまうことにより、忘却の彼方にあった心の闇がもう一度動き出し始める。
それにより、幼い頃にはなかった多くの感情が一気に溢れかえる。そして、それと同時に現実を受け入れ始めるため、自分では気が付かないうちに徐々に精神が崩れ始める。そして気づいたころには遅く、壊れてしまっていることが多い。まさに今、柊はその状態だった。
「お父さん……お母さん……」
柊は、つぶやくことしかできずにいた。
しかし、そんなことお構いなしに、幻は殴り、蹴り続ける。
それが、いつまでも続く……。
しかし、暫く経った後、急にそれが止まった。
だが、柊にはそんなことどうでもよかった。
自分の大切な思い出、一緒にいた時間、家族みんなで笑った日々……その全てがバラバラに崩されてしまったようだったから――――――。
もう今は、体に力が入らず、つぶやくこともできずにへたり込んでいた。
頭の中では家族との思い出とあのシーンが交互に繰り返される。おそらく今の柊には、何も視界に入っておらず、声も届かないだろう。
しばらくすると、誰かが柊の体を持ち上げた。
この匂いは柊のかいだことのある匂いだった。
その人物は、双葉だった。
しかし、柊はそれが分かった時、自分の闇に吸い込まれるように意識を失った。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「椛ちゃん!」
双葉が慌てた様子で帰ってきた。
「どうかしたんですか!?」
椛が尋ねると、双葉は目に涙を浮かべ、泣きそうな声で言い出した。
「柊ちゃんが……柊ちゃんが……! 私のせいだ……私が、人里に行ってきなって言ったから……」
双葉が涙を零し始めた。
「ちょ、ちょっと待ってください! 柊さんは、どうなったんですか……?」
「今、私が見つけたときには、服はもうボロボロで、傷がひどくて……呼びかけても返事がなくて……どうしよう、私……」
椛が双葉を落ち着かせる。
「双葉さんは悪くないんですよ。悪いのは、柊さんをこんな目に合わせたやつです。ですから、双葉さん。泣かないでください。悪くないんですから。……双葉さん、いつもの明るい柊さんに戻すために、一緒に敵を探しましょう?」
双葉は、泣きながらうなずく。
「ありがとうございます。私はこんなことをした人を絶対に許せません。ですから、絶対にみつけましょう。柊さんのために」
「……うん」
「では、私はまずこのことを、大天狗様に報告してきますので、報告から戻ってくるまで、待っててもらえますか?」
「うん、分かった……」
「じゃあ、行ってきますね」
「うん。気を付けて……」
「はい」
そういうと、椛は飛んで行った。
今回もいかがでしたでしょうか。
これを書いてる私自身が病んでるのではないかと、疑われるほど、ここ何話かすごいですよね。
次回まで気長に待っていただけたり、一週間の楽しみにでもしていただけたら嬉しいです。
では今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。