東方〜二人の白狼天狗〜   作:ふれんど

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みなさんどうもです。
なんでしょうね、今回は(自分では)難しめに書いたつもりなので、深入りして、昨日は早い時間に寝落ちしてしまって、
で、遅れました、すみません。
でもこれって一応不定期なんですよ。


さて、前半は、前回のところから、少しさかのぼり、柊を第三者と、柊視点でお送りします。どっちがどっちかわからなかったらすみません。
こんな長々と書いてても飽きるだけでしょうし、本編に移りましょうか。
ちなみに、今回私がかいたこと(説明のようなところ)は、本当かどうかは、定かではございません。あくまでも、私の推測ですので、そこはご了承ください。


では、ごゆるりと


弐拾壱巻~崩れた過去~

 殴られても痛みは感じない。

 もうどうにでもなれという気持ちしかなかった。

 

 たとえ幻覚でも、家族が死んだときのこと、自分は見ていなかった真相を最後まで見てしまったら、普通でいられるわけがない。

 まして、柊は元々人間であったこともあり、人間としての感覚も残っている。

 だから、平然とすることができないのも当然だろう。

 

 

 この事件が起きたとき、柊はまだ幼かったため、脳が無意識に柊の両親の死を受け入れることを拒んだ。

 

 柊は昔、自分の両親はどうしたのかと聞いたことがあった。

 その当時おばあちゃんから、事故で亡くなったと聞かされた。

 

 

 脳はそれを信じ込み、勝手に記憶を改ざんしていく。

 

 

 人間の場合だと、そういうことが多い。

 

 自分の都合のいいように、記憶を捻じ曲げて変える。

 そしてそのまま、思い出さず、消えていく。

 

 しかし、柊がそうだと思い込んでいたものとは違う現実、すなわち実際にあった出来事をもう一度見てしまうことにより、忘却の彼方にあった心の闇がもう一度動き出し始める。

 それにより、幼い頃にはなかった多くの感情が一気に溢れかえる。そして、それと同時に現実を受け入れ始めるため、自分では気が付かないうちに徐々に精神が崩れ始める。そして気づいたころには遅く、壊れてしまっていることが多い。まさに今、柊はその状態だった。

 

「お父さん……お母さん……」

 柊は、つぶやくことしかできずにいた。

 しかし、そんなことお構いなしに、幻は殴り、蹴り続ける。

 それが、いつまでも続く……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 しかし、暫く経った後、急にそれが止まった。

 だが、柊にはそんなことどうでもよかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 自分の大切な思い出、一緒にいた時間、家族みんなで笑った日々……その全てがバラバラに崩されてしまったようだったから――――――。

 

 

 

 もう今は、体に力が入らず、つぶやくこともできずにへたり込んでいた。

 頭の中では家族との思い出とあのシーンが交互に繰り返される。おそらく今の柊には、何も視界に入っておらず、声も届かないだろう。

 

 

 しばらくすると、誰かが柊の体を持ち上げた。

 この匂いは柊のかいだことのある匂いだった。

 

 その人物は、双葉だった。

 しかし、柊はそれが分かった時、自分の闇に吸い込まれるように意識を失った。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 

 

「椛ちゃん!」

 双葉が慌てた様子で帰ってきた。

「どうかしたんですか!?」

 椛が尋ねると、双葉は目に涙を浮かべ、泣きそうな声で言い出した。

「柊ちゃんが……柊ちゃんが……! 私のせいだ……私が、人里に行ってきなって言ったから……」

 双葉が涙を零し始めた。

「ちょ、ちょっと待ってください! 柊さんは、どうなったんですか……?」

「今、私が見つけたときには、服はもうボロボロで、傷がひどくて……呼びかけても返事がなくて……どうしよう、私……」

 椛が双葉を落ち着かせる。

「双葉さんは悪くないんですよ。悪いのは、柊さんをこんな目に合わせたやつです。ですから、双葉さん。泣かないでください。悪くないんですから。……双葉さん、いつもの明るい柊さんに戻すために、一緒に敵を探しましょう?」

 双葉は、泣きながらうなずく。

「ありがとうございます。私はこんなことをした人を絶対に許せません。ですから、絶対にみつけましょう。柊さんのために」

「……うん」

「では、私はまずこのことを、大天狗様に報告してきますので、報告から戻ってくるまで、待っててもらえますか?」

「うん、分かった……」

「じゃあ、行ってきますね」

「うん。気を付けて……」

「はい」

 そういうと、椛は飛んで行った。




今回もいかがでしたでしょうか。
これを書いてる私自身が病んでるのではないかと、疑われるほど、ここ何話かすごいですよね。

次回まで気長に待っていただけたり、一週間の楽しみにでもしていただけたら嬉しいです。

では今回も、最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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