この小説を書き続けて、早四ヶ月ほどです。
いや、実に早いもので。
今回は少々、説明にも書いてある、(自分では)R―15要素(ガールズラブ)が含まれます。
苦手な方は申し訳ないです。
前半では、ちょっと悲しみ系(だと思っている)を、後半はガールズラブをいれました。
ではでは、どうぞ
私は椛さんに双葉ちゃんを紹介し、事情も説明した。
事情を聞いた椛は
「私はいいですけど……まだ二日ほど病院にいなくてはいけないみたいなので……」
「そう……なんですか……私のせいで、ほんと……ごめんなさい……」
「だから謝らないで下さい。柊さんのせいじゃないんですから」
「でも……」
「大丈夫ですから。だから柊さん、家をおねがいしますね」
「うぅ……はい……」
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私と双葉ちゃんは病院をあとにした。
「椛さんって聞いてた通り優しい方だね~」
…………。
沈黙が流れる。
私は双葉ちゃんに言った。
「椛さんが今あそこにいるのは、私のせいなの」
双葉ちゃんは驚いたようだが、真剣に話を聞き始める。
私の声は自分でも分かるほど震えていた。
「私はつい最近妖怪になったばかりで、弱かった……足を引っ張るばかりで、お荷物で……だから周りの人や椛さんに迷惑かけちゃって……」
今にも泣き出してしまいそうなほどの声で話し続ける。
「もう、迷惑かけたくなくて……強くなりたくて……! なりたくて、特訓も続けた……! ……でも私は、その特訓をしている時に、まだ自分に自信がなくて、戦えるということを否定しちゃった……そしたら、椛さんが気を使ってくれて、私が……私自身が戦うのに十分力を持ってるということをわからせてくれようとしてくれた、なのに私は……! そんなこともわからずに、椛さんを傷つけてしまった! だから、今……椛さんが大変な目にあっているのは私の……私のせいなの……」
私の頬に涙がつたっていた。自分のせいなのになんで泣いているのだろう。泣いてはいけないのに、勝手に涙が溢れてくる。
今の話を聞いていた双葉は、柊に近づき柊を抱きしめた。
「そうだったんだね……一人で抱え込んで……私にもわかるよ、その気持ち。迷惑をかけたくないって気持ち……苦しかったよね。自分のやってしまったことで自分を追い込んで……柊ちゃん、こんな私でも力になりたい。柊ちゃんが苦しんでいるところを見たくないから。だから……もし何か私に出来る事があるならしてあげたい。相談でも、話相手でも、何でもいいから。私に何かできることがあれば言って? 柊ちゃんは私にとって恩人だから」
そう言い終えると、双葉は柊の顔を上げた。
そして、柊の唇に自分の唇を重ね合わせた。
「!?」
さっきまで泣いていた柊が、涙を流しながら頬を赤く染めた。
双葉が柊の口の中に舌をいれていく。口の中で舌が絡みあう。甘くとろけるような感覚で体も火照り出してきた。その感覚は、時間をも忘れさせてしまうほどだった。
双葉が口を離す。
「ほら泣かないで……って、大丈夫?」
柊は完全にショートしてしまっていた。
「ねぇ、大丈夫?」
双葉の呼びかけに、柊が我にかえる。
「ちょ、ちょっとぉ! な、なに! 何してるの!?」
「何って? キスだけど? 深い方の」
「深い方って……! ていうか、なんでキスするの!?」
「だって、落ち込んでたし。した方がいいのかなって?」
「なんでそういう考えになるの!?」
「なんとなく?」
「なんとなくって……! 双葉ちゃん……」
「ほら、元気になったからいいじゃん! 言ったでしょ? 苦しんでるところは見たくないって」
思ってみれば、柊が泣いていたから励まそうとしてくれたのかもしれない。
(だけど、キスなんて卑怯だよ……)
「双葉ちゃん……ありがと」
「明るくなってよかった! じゃあ、いこ? 椛さんのおうちに」
「うん!」
いかがでしたでしょうか。
実際、R―15シーンを書くのは初めてな気がします。
前半部分では、ちょっとでもしんみりしてもらえればいいなと思ってます。
では、今回も読んでいただき、ありがとうございました。