では、どうぞ! 拾参巻です!
「ん~! いい朝ですね、柊さん!」
「はい! そうですね!」
「では、特訓始めましょうか!」
「はい!」
二人は開けた場所に移動する。
「あれ、まだ柊さんに私何も教えてないですよね?」
「はい、何も教えてもらってないです」
「わかりました。では、基本から行きましょう」
「はい!」
――説明省略――
「次に妖力の使い方、抑制の仕方です」
「は、はい!」
――説明省略――
「次は弾幕についてです」
「はい……」
――説明省略――
「では、スペルカードについて教えます」
「スペルカード……ですか?」
「はい、スペルカードとは非殺傷の弾幕です」
「なるほど、普通の弾幕とは違うんですね」
「そうです。まぁ、あとで作り方とか教えますので、今は使い方だけで」
「はい」
――説明省略――
「あとは……能力ですね。能力は自然に使えるぐらいにならなきゃいけません。そのためにはまず妖力が操れないといけません」
「は、はい……」
「ですからそれも兼ねて、次はトレーニングにうつります」
「はい」
――説明省略――
「毎日これを三セットやってもらえば、すぐにでも妖力を操れるようになりますよ」
「は、はい!」
(三セットかぁ、なかなか辛そうだなぁ……でもやらなきゃ……)
「では教えるのはこれくらいですね」
「あ、ありがとうございました!」
「いえいえ。それよりも、教えることに集中しすぎて気がつきませんでしたが、もう夕方だったんですね」
「え!?」
慌てて空を見る。
「あ、ほんとですね! 私も気がつきませんでした」
私と椛さんは笑い合う。
「では、お腹も空いてきましたし、夕飯にしましょうか」
「はい! そうしましょうか! あ、私も手伝います!」
「じゃあ一緒に作りましょうか」
私たちは笑い合いながら家に帰った。
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夕飯はとても美味しく感じ、久しぶりに誰かと明るく話しながら食べることができた。夕飯の後は、食器を片付けて寝転んでいた。しかし、寝転んでいる時にふと気づく。
「あ、こういう時間にトレーニングやっておけばその分早く使いこなせるようになるんじゃない?」
そう自分に問いかけて、
「そうだね。よし、やろう」
と、自問自答をした。
この場面を椛さんに見られていたらと思うと、とても恥ずかしい気持ちになった。
私は気持ちを切り替え、トレーニングに集中する。
「言われた通りにやっていけばいいんだよね……」
順調に一セット目、二セット目とこなしていく。
「ふぅ……はぁはぁ……意外と体力使ってて、辛い……」
そうして三セット目をやる。
「ふぅぅ……疲れた……」
息が荒くなる。
(辛い……でも、辛くない特訓なんてない……これをこなしていけば、必ず……!)
自分に言い聞かせてトレーニングを乗り越える。
三セット目を終えたちょうどその時
「柊さぁ~ん!」
と、椛さんの声が聞こえてきた。
「はぁ~い! 今行きます!」
と、返事をする。
「どうしたんですか? 椛さん」
「ちょっと来てもらえますか?」
椛さんの声が震えている。椛さんに近づく。
「あの……あ、あれ……」
椛さんが指を指した方を見る。そこには蜘蛛がいた。
「柊さん……は、早く……!」
「…………椛さんもしかして蜘蛛ダメなんですか?」
椛は半分涙目になりながらゆっくりと首を縦にふった。
「お願いします……あ、あれ、あれをどこかに……」
「わかりました! わかりましたから、泣かないで大丈夫ですから!」
「いえ、泣いてなんかないですよ……」
「椛さん。涙目ですよ」
そう椛さんに言うと、椛さんは下をむいた。
「すぐに逃しますから。大丈夫ですって」
私は早々と蜘蛛を追い払った。
「はい、椛さん。もう大丈夫ですよ」
私がそう言うと椛さんが咳払いをして言った。
「あ、ありがとうございました。さっきは見苦しいところをお見せしちゃいましたね……すみません……」
(いや、涙目の椛さんも可愛かったから私としてはよかったけどなぁ……)
内心そう思いながらも冷静を装いながら言う。
「いえ、大丈夫です」
その後沈黙が続き、気まずい空気になったので、私は話しかけた。
「で、ではもう寝ましょうか!」
「そ、そうですね! では、柊さんおやすみなさい」
「おやすみなさい」
私と椛さんは寝床についた。
伍巻あたりで起きた爆発、書き忘れてましたがあれ、鴉丸の幻影の爆発です。あそこではもう既に鴉丸は戦い始めてる設定でした。ちなみに、幻影のクオリティはとても高い設定です。
さて、今回は特訓内容…ではなく、椛の涙目を意識して書きました。特訓は文字数により、省略させていただきました。すみません。
では、読んでくださり、ありがとうございました!