私は誰かわからないまま、椛と玄関に向かい、ドアを開ける。
ドアそこにいた人物に椛は話しかける。
「文さん、やっぱりいつも通りですね」
「なにせ新しい情報が売りですから」
「だったら捏造じゃなくて正しい情報を早く知らせてくださいよ。まぁ、今回は正しかったようですが」
「あやややや、嘘なんて書いた覚えはありませんけどねぇ~」
そう言って鴉天狗はとぼけたように、笑いながら話す。
私には何もわからないまま話が進んでいく。
「あ、あの……」
鴉天狗が私にきづく。
「あなたが柊さんですか! 取材してもいいですか?」
そこに椛さんが突っ込む。
「いやもう記事にしてるでしょう」
「あれは能力の事ですから。今回は柊さんについての記事ですよ」
鴉天狗は誇らしげに言う。
私が口を開く。
「いや、あの……誰ですか?」
「申し遅れました。私、『文々。新聞』を書いている射命丸 文というものです」
「文々。新聞……って、あなたもしかして!」
「おや、ご存知でしたか」
「私のこと盗撮した人ですよね!?」
「盗撮なんて、そんな人聞きの悪いことしませんよ~」
「してるじゃないですか! 思いっきり! 私、撮っていいか聞かれてないのに、この新聞にのってるじゃないですか!」
「いやぁ……それはですね……」
「撮るならちゃんと……許可とってくださぁぁい!!」
こうして私のお怒りモードが始まった。しかしこの時の私は、この文さんが自分の上司になる方だということを知らなかった。
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「まったくもう……」
「まぁ、あれがあの人のやり方ですから……」
あの後文さんは、こんな状態では取材は無理だと判断したのか、帰っていった。
私と椛さんは椅子に座る。
「そうだ、柊さん」
「なんですか?」
「そろそろ訓練を始めましょう。前回は仕方なかったのですが……ある程度の力をつけていないと、敵と戦うことすらできずにやられてしまうでしょう」
「そうですね……」
「ですから、訓練をはじめませんか?」
「……実は私も同じことを考えてました。この前のことで私が、どれほど足手まといで、無力だったのかを……ですから、一段落着いたら椛さんにお願いしてみようと思っていたんです」
私は、一呼吸おき、自分の石を伝える。
「ですから椛さん、私に……一から教えて下さい!」
頭を下げる。
「柊さん……」
椛さんはそんな私の肩に手をおいてこう言った。
「あなたの覚悟、しっかりと受け取りました。これから頑張っていきましょうね!」
「……はいッ! ありがとうございます!」
「そして訓練なんですが、今日はもう夜もふけてますし、明日でもいいですか?」
「はい、私は大丈夫です」
「では、明日の訓練に備えて寝ましょうか」
「はい。では、おやすみなさい」
「おやすみなさい、柊さん」
こうして、明日から私の訓練が始まるのであった。
次回は真面目に、訓練様子がかければいいなと思ってまふ。
あとがきは短いです、許してください
では今回も読んで下さり、ありがとうございました!