東方〜二人の白狼天狗〜   作:ふれんど

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では、始まります


拾弐巻~怒りのさなか~

 私は誰かわからないまま、椛と玄関に向かい、ドアを開ける。

 ドアそこにいた人物に椛は話しかける。

「文さん、やっぱりいつも通りですね」

「なにせ新しい情報が売りですから」

「だったら捏造じゃなくて正しい情報を早く知らせてくださいよ。まぁ、今回は正しかったようですが」

「あやややや、嘘なんて書いた覚えはありませんけどねぇ~」

 そう言って鴉天狗はとぼけたように、笑いながら話す。

 私には何もわからないまま話が進んでいく。

「あ、あの……」

 鴉天狗が私にきづく。

「あなたが柊さんですか! 取材してもいいですか?」

 そこに椛さんが突っ込む。

「いやもう記事にしてるでしょう」

「あれは能力の事ですから。今回は柊さんについての記事ですよ」

 鴉天狗は誇らしげに言う。

 私が口を開く。

「いや、あの……誰ですか?」

「申し遅れました。私、『文々。新聞』を書いている射命丸 文というものです」

「文々。新聞……って、あなたもしかして!」

「おや、ご存知でしたか」

「私のこと盗撮した人ですよね!?」

「盗撮なんて、そんな人聞きの悪いことしませんよ~」

「してるじゃないですか! 思いっきり! 私、撮っていいか聞かれてないのに、この新聞にのってるじゃないですか!」

「いやぁ……それはですね……」

「撮るならちゃんと……許可とってくださぁぁい!!」

 

 こうして私のお怒りモードが始まった。しかしこの時の私は、この文さんが自分の上司になる方だということを知らなかった。

 

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「まったくもう……」

「まぁ、あれがあの人のやり方ですから……」

 あの後文さんは、こんな状態では取材は無理だと判断したのか、帰っていった。

 

 私と椛さんは椅子に座る。

「そうだ、柊さん」

「なんですか?」

「そろそろ訓練を始めましょう。前回は仕方なかったのですが……ある程度の力をつけていないと、敵と戦うことすらできずにやられてしまうでしょう」

「そうですね……」

「ですから、訓練をはじめませんか?」

「……実は私も同じことを考えてました。この前のことで私が、どれほど足手まといで、無力だったのかを……ですから、一段落着いたら椛さんにお願いしてみようと思っていたんです」

 私は、一呼吸おき、自分の石を伝える。

「ですから椛さん、私に……一から教えて下さい!」

 頭を下げる。

「柊さん……」

 椛さんはそんな私の肩に手をおいてこう言った。

「あなたの覚悟、しっかりと受け取りました。これから頑張っていきましょうね!」

「……はいッ! ありがとうございます!」

 

「そして訓練なんですが、今日はもう夜もふけてますし、明日でもいいですか?」

「はい、私は大丈夫です」

「では、明日の訓練に備えて寝ましょうか」

「はい。では、おやすみなさい」

「おやすみなさい、柊さん」

 こうして、明日から私の訓練が始まるのであった。

 

 




次回は真面目に、訓練様子がかければいいなと思ってまふ。

あとがきは短いです、許してください

では今回も読んで下さり、ありがとうございました!

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