SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】   作:秋ピザ

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なんとか書き上げますた……
いや、実際は昨日でも投稿できたんですけどね?
書き終えたあと寝落ちして今日まで遅れました。
そんでもって久しぶりに隊長さんで一人称やったらなんか感覚が違う。
リハビリが必要だなぁなんて思ったので、しばらくは話の進みが遅くなると思われ。


【超・ばーさす!】復活のT【前編】

俺の体が囲まれて少しずつ追い込まれている。それは実に由々しき事態だ。

俺さんは最強!無敵!理不尽!爆砕!独裁!で大喝采を浴びなきゃいけないからな。

どこぞの社長を半端にパクりつつ、俺は黒いのをぶっ飛ばして体の操作権を取り戻し、現在は本能が自動的に動かしていた体のコントロールを切り替えるための移行期間として待っている。

時間にしてあと5秒で移行期間は終わるだろう。

ならば移行終了時にどう動くかが問題だが……

ここは1つ、後先考えずやりたいようにやるとしよう。

かやひこ戦に備えて温存していた手札とか、かやひこ対策とか全部切って嫌がらせでフルボッコにする。

主に俺のストレス解消の為にな!

「ここからは隊長さんの時間だぁっ!」

 

体のコントロールを完全に意思と理性(そんなものがあるかどうかは謎だが)の手に取り戻し、それと同時に俺は持っていた武器を奇妙なポーズで投げ付け、超越剣の中でも特に威力の高いソードスキルを発動する。

「隊長さん完全復活を祝ってぇ……【ヘルグラトニー】!」

 

ソードスキルの発動位置とエフェクトの当たり判定は武器に依存し、発動のためのキーはプレイヤー自身の体の動きに依存することを悪用した裏技、RCSS……リモートコントロールソードスキル。

少なくとも発動のためのポーズをしながら武器を投げることが非常に難しいため実現は不可能と言われてきたが、俺が『スキル発動時、気合で手を開いておく』という方法でどうにか実現した対かやひこ戦の隠し玉1号である。

ガッシュファングやヘルグラトニーの広げて閉じるような動作が使いやすくて良かったよ。本当にね。

それにヘルグラトニーなら、遠隔で当てた時にえげつない追加攻撃も入る。

「今更復活しても遅いぞ隊長っ!」

 

ちょうど上手いこと俺が飛ばした剣を横合いから殴り、武器の回収が出来ないほど遠くまでぶっ飛ばしてくれた………なんか爽やか過ぎてイラッとするヤツもいることだからあえて解説しよう。

 

ヘルグラトニーを遠隔で使った時の利点は3つある。

1つ目は剣自体が延長されたりしないから地面に引っかかりにくい。

2つ目は本来のモーションのお陰で投げやすい。

3つ目は、触れたら死ぬ。

前に粘菌めがけてヘルグラトニーを使用した時に他のスライムを無数に撃破したことがあっただろう。

それはヘルグラトニーは単発ソードスキルにしか見えない見た目に反する特殊な性能のせいで………

「あべしっ!?」

 

………ヘルグラトニーのあたり判定は0.1秒に100ヒット(1ダメージ固定)が1秒続いて、しかも素肌に直接触れている全てのアイテム、プレイヤー、敵に感染するとかいうトチ狂った性能なんだよ!

そのせいで装備はガリガリ耐久値が減って確実に崩壊、さらに俺の経験値も1ヒット当たり1減少するからレベルも下がる、まさにみんなが損するソードスキルなのさぁ!

「よ、よくもシンタローをやってくれたな………」

 

「ハーッハッハッハッハ!俺と敵対するのが悪いんだよ!」

 

「何様のつもりだ!隊長!」

 

隊長様ですがなにか?

気付いたら良く分からない問答を繰り広げていたことに二回目の返答でようやく理解し、とりあえずぶっ倒そうとクイックチェンジのメニューを開く。

【オーガストランサー】

【禍封の黒龍刀】

【殺人刀・雪影】

【エイムorトリック】

【邪気眼龍の眼帯】

【ラウズ・オブ・ダディ】

 

………そして、そっと閉じた。

待てよなんだよこれはおかしいだろ!

オーガストランサー?どこぞの地のベルトのライダーの武器だと思って200万コルで衝動買いしたら、体感温度が3度上がって体感湿度が100%になる上に刺した相手の服を(エロ要素のない範囲かつ低確率で)脱がせるなんて欠陥武器だったあれね。

禍封の黒龍刀、てめーは名前のカッコよさに反して性能が一層産の最安価短剣にすら劣るとかいう謎武器じゃないか。

雪影………あぁ、ただただ『フレンドリストに登録したプレイヤーへの攻撃時、攻撃力が100倍』とかいう壊れ武器だと思ったら装備条件が『フレンドリストの登録数0』だったなんて完全な設定ミスさんでしたね分かってますよ。

そんでもってエイムorトリック?

エイム……ゆうた……はちみつちょうだい……うっ頭が!

うん、こいつはやめとこう。なんか嫌な予感がする。

じゃあこうなると邪気眼龍の眼帯を装着してラウズ・オブ・ダディで近接格闘をするしか……

俺は、妙に残念な方向に変更されていたクイックチェンジメニューの武器たちを見てため息をついた。

 

……だが、少し呆れつつも眺めているうちに、あることに気付く。

6つのどこかおかしい装備品たちが脳内で繋がれていき……1つの道を造り出す。

目の前の男を物理的にでもなく、ゲームルール的にでもなくフルボッコにして抹殺出来る道を。

「とうっ!」

 

「あびゃっ!?」

 

「隙だらけだぞ隊長!むしろここまで露骨に隙しかないと余計攻められんかったぜ!」

 

「そうかいそうかい。ところでお前、露出は好きかい?」

 

俺は、ひとまずクイックチェンジメニューを見ている間の露骨な隙を誘い受けだと勘違いして中々攻めてこなかった相手の急な攻撃をあえて顔面で受け流しつつ、謎の問い掛けをする。

ここでYESとか言われたらちょっと困るが、まぁろーくんの例から考えてもロリコンで露出をたしなむ奴は一握りしか居ないっぽいし大丈夫だろう。

「……露出か、俺は別にやったこたぁないが、まぁ悪くはない。裸になることで年齢、性別を問わず性欲を高め、怪しげなお薬との組み合わせでおさわり(意味深)まで一気に進められることがあるからな。それがどうした?」

 

うわぉ、思ったよりマジな回答で隊長さんびっくり。

これはお仕置きが必要な変態ですねぇ。

いくらろーくんでも「露出?それよりむしろ隣に引っ越す⇒日々の会話で家族単位の刷り込みで信用させる⇒家に連れ込むのコンボの方が成功率が高くてリスクが少ないぞ?ポイントは生理が来る前の……え?そういうことじやない?」としか答えなかった訳だしさ。

つー訳で、そんなてめーにはお仕置きだぁ!

俺はオーガストランサーを装備し、ついでに邪気眼龍の眼帯を装着してポーズを決める。

「フッ……どうやら貴様は世を乱す悪のようだ……ならば!その腐った性根、邪気眼龍隊長さんが!直々に!叩き直してやるわっ!」

 

邪気眼龍の眼帯、それは装備しているとき、ひらがなで30文字以上のセリフを大声で堂々と叫ぶことにより【邪気眼龍の闘気(武器に黒い龍のエフェクトが追従する。カッコいい)】【666の獣の加護(装備のデザインが一時的に厨二っぽいものに変更されて痛いが、攻撃された時と踏み込みの時に獣の唸り声エフェクトとオーラが現れる。カッコいい)】【邪気眼】という3つの装備専用バフを得ることができるのだ。

中でも注目するべきというか、唯一戦闘向きなのは邪気眼。

「さぁ……審判の刻だ」

 

俺はどこぞのゴッドのパパをイメージして決め台詞を呟き、付けたばかりの眼帯を外す。

無論時間停止なんてしないが、むしろそれより恐ろしい必殺技。

「邪気眼、解放っ!」

 

邪気眼、それは邪気眼龍の眼帯装備時、それを外すことにより一定時間付けていた眼が赤くなり、一発だけビーム(ダメージ:攻撃力の0.1倍)を撃てて、なおかつ邪気的な補正で武器が持つ状態異常以外の特殊能力が三倍になる。

そして、それにオーガストランサーを組み合わせると……

「A、B、B、A、←、→、↑、→」

 

「何故にコマンド入力!?」

 

「……エネミーコントローラー!」

 

「コマンド違いじゃねえかっ……つーか自然に攻撃すんなこのクソ野郎!」

 

「お前は気付いていないだろうが、実はその台詞の間にもう刺した」

 

「ひでぶっ!?」

 

俺が自然に会話途中で刺したことを告げたらひでぶで返してくれたよ。

ノリが良いじゃないか。

おかげでこっちも遠慮なく爆散させられるね。

服を。

ウェアを。

その社会的地位を。

「エネミーコントローラーと言ったな。アレは本当だ」

 

「ダニィ!?」

 

「お前の(エネミー)操作(コントロール)によって作り出す、それが俺のエネミーコントローラー!試しにあっちを向いてみろや!」

 

俺は、さりげなくそこら辺に居た例の青髪のガキ(攻めてこないのはきっと俺の疲弊を狙っているのだろう)を指さして示す。

もちろん、エネミーのくだりについては今のところほとんど冗談だ。

だってあの青髪のガキ、こいつを利用してるっぽいから攻めてくるわけがないもの。だから普通なら俺の言う事なんて聞かずに攻撃してくるだろうさ。

でも相手が俺という事実が判断力を鈍らせてしまう。

色々やってきたという俺の経歴が、歴史がおかしいと思う正常な常識を狂わせ、ありえないと分かっていても『アイツならあり得るんじゃないか』と思わせてしまう。

まぁ、なんか大層な技のように語っちゃいるけども、実はリアルでもケンカの時によくやった方法なんだがね。

だから使ったらハッタリだったことに気付く前に目的を果たして、嘘をさっさと現実にしないといけないのだ。

 

そういうことだから、とりあえずあの青髪のガキと敵対………とまではいかずともすくなくとも一生変な目で見られるようにしてやろう。

俺は目の前の男が無駄に極められた無駄のない無駄な速さでターンして青髪のガキの方に向き直った瞬間、極限超越でステータスを調整し、100回ほど突いてもほぼ無傷で済むように筋力を下げる。

具体的には筋力/zero。なお装備制限は超越剣の装備制限完全解除効果で無視。

……しかし、なんというか最近、極限超越に頼りすぎている気がするな。

いや、まぁそれがどうって訳でもないんですがね?

「あばよっ!」

 

わりとどうでもいいことを考えながら、高速でオーガストランサーを何度も突き込む。

引いて、突いて、引いて、突いて、引いて突いて引いて突いて引いて突いて引突引突引突引突引突引突引突引突引突引突引突引突引突引突……

一瞬の内に同じことを繰り返しすぎて脳が適度にゲシュタったところで、目の前の男を確認。社会的にどんくらいのダメージを負うかを計算するピースを……

「……とつぜんの、はだか?」

 

「オウイェ?」

 

「謀ったな隊長ォォォォォ!!!」

 

あえて直接表現は避けるが、ただ俺に刺された男は、なんてこったパンナコッタ、なんてふざけてる場合じゃないと言えるほど完璧に倫理コードギリギリのモザイク人間でもおかしくない状態でした。とだけ言っておく。

……サ、サラダバー!(逃)




元ネタ

オーガストランサー⇒オーガストランザー。仮面ライダーオーガのメイン武器である剣。ただしオーガストランサーはAugust(8月)とランサーをかけただけ。

邪気眼龍の眼帯⇒織田信菜の野望の伊達政宗。

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