SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】 作:秋ピザ
久しぶりにプレイヤーチャット抜いたが……ぐぬぬ、これはタイトル詐欺か?
二体目のボスとかマジざっけんなバーロー。
俺は落下してきたボスに対してラスワンの方天戟を投げ付けながらそう思った。
あれだな、マジで死ねよかやひこ。出来れば俺の一番嫌いだった3代前のクソジジイ……の叔父の姪の曾孫に寄生してたクソ女と同じく餅を喉に詰まらせて死ね。
ちなみにその餅は親類一同で丹精込めて突きまくった餅だったりするが、まぁかやひこには純粋に粘着力10倍の薬剤餅で良いだろ。味はねじ込むから関係無いし。
「オイ店長!」
「なんだねろーくん」
「今から俺はエフ子ちゃん完全防御モードに入る!」
あっチクショウその上ろーくんもエフ子を守ることに専念するとか言い出しやがった。
それって必然的に俺がぼっちでボスを倒さなきゃいけないじゃないですかやだー。
つーかさっきのボスを倒すために方天戟は使いきったから無いし、アレに匹敵する威力の武器も、ろーくんがスキルで作成した【連撃結晶】もない。
しかもタイマン勝負とかいくら俺でも秘策と奥の手と切り札を一個ずつ解放しないと勝てないですよコレ。
……え?普通は奥の手全部使っても勝てない?ナンノコトカナー。
まぁとりあえずここでこのボスを倒すために……切り札から解放するとしよう。
対かやひこ用に用意していた魔剣の1つ、【Sword of Black Knight(無駄に英語表記。通称SBKこと砂漠剣)】をな。
コイツはSAOの武器の中で唯一の性能を持ってるから出来ればこれの所持を見方含めた全員から秘匿しておきたかったが仕方ない。
『相手と自分の最大体力値の差10000倍(プレイヤーの場合は2倍)につき攻撃力が1.1倍』の恐ろしさを見せてやろうじゃないか。
しかも超越剣の装備制限解除で二本同時にな。
俺は二本の砂漠剣を手に持って新たなボスに接近し、ソードスキルに頼らない純粋な剣技で27連撃を叩き込む。
「近所のじっちゃん流……【日食らい】っ!」
もちろん技名に意味はない。多分。いやもしかしたらどこぞの誰かに対抗心を燃やしていたかもしれないな。多分。
だがそんな名に反して、例によってじっちゃんが教えてくれた剣技は大体強い。
今回もボスに初手で1ドット分あるかないかくらいのダメージは与えられたようだ。
よし、ひとまず砂漠剣の威力はなんとなく実感したことだし、切り札を最高の状態にしようか。
俺はメニューを開きスキル欄を操作する。
そして超越剣の使用可能スキルの中から、とあるスキルを選択し迷いなく使用した。
【極限超越・封】。ステータスを好きなだけ偏らせることが出来るスキル。
……ここまで言えばこのあと何をするかは分かっただろう。
俺はHPと防御力を1にし、全て攻撃と敏捷に回す。
そうすりゃ砂漠剣の倍率がイカれるからボスを討伐しやすくなるって寸法だ。
狂ってると言うならお好きにどうぞ。こちとら余裕がねぇんだよ。つーか流石にタイマンでボス殺すなら危ない橋渡らないと無理です死にます隊長さんやられちゃうぜ。
だからこんな賭けに出たのさ。
「KYYYYYYYYYYYYAAAAAAAAAA!!!」
俺がステータスを極限超越で完全に偏らせ終わった瞬間、都合良く敵が初めて攻撃を仕掛けてきた。
体当たりか、あるいはブレスか。
ボスモンスターの初撃はとりあえず囲まれている状況を打破出来るものが多いし、あえての回転攻撃もありえる。
ボスの見た目は完全に蛇だから回転攻撃の可能性は非常に低いだろうが……
ボスの行動を観察し、攻撃を完璧に避けようとした。
しかし攻撃は見えない。どうしたんだ?
そう思っていたとき。
「店長上だ!」
不意にろーくんがすっとんきょうな声を出して俺を上田とか言い出した。
……嘘です分かってます上だろ上。
極限超越で上がった敏捷を活かしてササッと回避する。
だがその瞬間、俺がさっきまでいた場所からベチョッという音が聞こえた。
……もしかしてスライムじゃないよな?
そんな嫌な予感が頭をよぎるが、いくらかやひこでもそんなことはしないだろうと考え、きっと溶解液か何かに違いないさー。なんて自分を鼓舞してから音の方向に目を向ける。
そこには……
「…………(ぷるぷるしている)」
完璧に著作権とか商標を侵害してるし確実にやったらお縄確定なデザインのスライムが、居……
「たら困るから消えろゴルァ!【 無 想 転 生 】!」
俺はそんな腐った幻想をぶち殺すため、超越剣のスキルでも相当廃熟練度を要求する上にクールタイムが三時間なんつーふざけたスキル【無想転生】を叩き込んで消し飛ばした。
そして、すぐ後悔した。
……よく考えたらこれさっき言ってた奥の手だわ。
うん、まぁさっきから倒しすぎてノイローゼになりそうなスライムを消せたなら一応文句はないが……ないがね?
無想転生は武器攻撃力を参照し、その攻撃力から防御力を引いた数値×100%の威力になるってスキルだから、極限超越で最低値になってる今の防御力であればガッシュファング並みの威力が出た筈で、それならボスに対して大打撃は確実だったんだが……ちくせう。
こうなりゃヤケだ!秘策だけで相手してやんよ!
つーか自分でミスって自分で追い詰められたからなんとも言えないけれど、訳の分からぬ無駄なテンションと謎の怒りのボルテージがっ!上がってきたぜっ!
「さぁ来いやザコがぁ!」
俺は半ばほど理不尽にキレながら、右手と左手の砂漠剣をバカにするようにジャグリングした。
そして右手の剣を投げてそこに左手の剣をスレスレでぶつからせて逆の手で二つともキャッチという動きを数回繰り返した後、今度は普通の噛み付きコンボに入ったのでそこで上手く背後へ向かう。
無論それに反応してボスは軸を合わせようとするが、そんなものは関係無い。
何故なら俺の秘策は、始まってしまいさえすれば相手が死ぬまで終わらないのだから。
正確には俺の集中力が0.001秒でも途切れたり開始から一定時間以内にスーパーアーマーで隙の少ない全方位攻撃をされたら流石に止まるけどな。
だからスーパーアーマーなんて纏うなよ?ボス。
今から俺はお前をカイシャクするんだ。邪魔すんじゃねぇぜ。ただお前はおとなしーく斬られてりゃ良いのよ。おk?把握?アンダスタン?
そんなことを考えながら、俺は一瞬で自分の精神を極限まで集中させ、思考の加速を開始する。
今から使う『秘策』はタイミングが命。一歩間違えばただの自殺だ。
だが俺はやる。例えこの身が理不尽なかやひこの嫌がらせに屈しようとも、その魂だけは屈せぬと信じて。
理由はなんだかんだでSAO最強を(少なくとも現在攻略組トップより強いしおっさんも倒した)背負ってるからと言うのもあるし、あるいは普通にプレイヤーチャットで自慢して優越感に浸りたいのかもしれない。
というかリアルでやってたことが変に桁違い過ぎて表に出ないもんだから優越感に浸れなかった分浸らなきゃ気が済まねーよ。
つまり俺は今から完全な私利私欲とその他諸々のため、命を張るわけだ。
……そういう訳だから、一切の手抜き及び自重及び遊びなしで全力で行こう。
「俺式ィッ!俺流総集奥義part223ッ!verアインクラッドォッ!」
俺は無駄に叫びながら、秘策である“ソレ”を発動させ、同時に使い捨ての超絶不人気激レアアイテム【加速結晶】を発動する。
「【インフィニティ・モーメント】っ!」
俺が技名を叫び終えると同時に、加速決勝の僅か3秒間しか効果時間がないある効果が発動し、その姿が消える。
そして加速結晶の効果が終了する3秒後。ボスに背を向けた状態で再び俺の姿が現れると同時、俺と共に現れた2つの剣が大きな音を立てて崩壊する。
……だが、それはボスの肉体そのものにも言えることだろう。
気づけば俺の背後では、ボスは大量のポリゴンの山と化していたのだから。
……第三部完ッ!
(プレイヤーチャット答え合わせコーナー休載のため)一部元ネタコーナー。
【Sword of Black Knight】
⇒ダクソ。黒騎士の剣という結構初期で入手可能な割に性能がラスボスに通じるぶっ壊れ。
⇒ちなみに追加効果は黒繋がりで黒の剣士の主人公補正、つまり逆境補正を反映したものだったり。
【無想転生】
⇒多分北斗の拳(うるおぼえ)。ラオウの技だったかもしれない。
⇒超越剣のスキルでは意外とマトモに使える数少ない普通のスキルの1つ。⇒ただしそもそも“剣”じゃなくて“拳”だからおかしいよねって話。
【インフィニティ・モーメント】
⇒当然ながら元ネタはSAOのゲーム版。ちなみに半ニートはHFしか持ってない。
⇒伏線は随分と前に書いた。話数はこの作品のタイトル+モーメントとググれば出るかもしれない。
⇒なおサブタイの意訳は適当なので信じないでください。
……さて、超久しぶりにプレイヤーチャットを抜いてみた件。
感想欄でタイトル詐欺乙とか言われる覚悟は出来てる。
だが1つだけ言わせてくれ……
俺に6000文字は、ちょい荷が重いんだよ……
……つーわけでいつもの3000文字に揃えようとした結果がこれです。
ちなみにサブタイのルールとして今後、【】が付いてる奴はプレイヤーチャットあり、なければプレイヤーチャットもなし、的な感じで行こうかと。
いや、まぁしばらくはやりませんけどね?えぇ。プレイヤーチャット抜きなんてことはしばらくしませんよ……多分。
というか次回投稿マジで未定です。理由はゲオがダクソを500円で売り出してくれやがったのをいまだ攻略できずにいるからだったり(クズ力45万)。