SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】   作:秋ピザ

78 / 111
ろーくんのユニークスキルは強いが、隊長さんはもはや強いとかそういうレベルじゃない。
隊長さんに挑むってのは、レベル2のレーザーでレベル50のパラドクスに挑むようなもんなんだよ……

って話。


【墓穴を掘ったな!ヴァカめ!】このアイテムがおかしい!

突如として文字通り泥沼と化した地面に足を取られた瞬間、俺はろーくんの持っているユニークスキルの効果を思い出した。

【森林の支配者】。

いわゆるサポート系ユニークスキルで、攻撃的なソードスキルを持たない。

いや、一応ソードスキルはあるにはあるがそれも『森林に関係する敵をこのスキルで倒した場合、必ず10%の確率でテイムできる』って効果だった。

そしてその森林関係ってのが実に幅広くて、何故かスライム(むしろ湿地に居そうだが)も含まれているのだ。

頭おかしい。

ついでに言うと名前の通り森林に関係する……例えば木とかキノコとか薬草とか……を使うアイテムの製造に大幅なボーナスと効果値への上乗せってのもあつた。

他には森林関係の敵のテイム確率の上昇やら何やら……まぁとにかく、俺の超越剣なんかよりよっぽど普段使いに便利なユニークスキルってわけだ。

 

……で、多分これは『底無し沼って森にあるよなwよっしゃスキルにしようぜw』的発想で作られたであろうこと受け合いのスキルだと思う。

なんせ俺の足を取って動けなくするほどの沼だ。

底がない訳じゃないだろうが少なくとも動きを大幅に制限される程度には厄介だぜこいつぁ。

脱出方も今のところ32個しか思い付かないし、その内の29個は実行が出来ない。少なくとも今現在は。

「さぁ店長……覚悟しな……つーかこのスキル十秒ごとに10000コル掛かるんでな……さっさと決めさせてもらうぜ?」

 

解説乙。しかし出来れば解除してからやるとかいう様式美を再現してほしかった。

主に俺の脱出を容易にするために、さ。

しかしそんな願いは虚しくも届かず、ろーくんは俺の目の前でゆったりと剣を振り上げる。

クッ……これまでだと言うのか……(圧倒的フラグ感)

 

そして、最大まで振り上げられたろーくんの剣が、俺の頭に振り降ろされた。

「科学忍法身代わりの術ゥ!」

 

……だが残念それは残像、もとい身代わり人形だ。

この前お前がくれたチート級アイテムの1つだぜ、ろーくん。

科学忍法身代わりの術。その正体は、ろーくんのスキルによってのみ作成できんアイテム【身代わり人形】を1つ消費することで自分が最後に攻撃を行った位置(移動系ソードスキルは開始位置で測定)にテレポート出来るのだ。

 

さて、ここで問題だ。

俺は先程ろーくんにさりげなく嫌がらせをしつつ、その裏でスライディングによってろーくんに攻撃していた。

その場所はどこか分かるだろうか。

……そう、ろーくんからそれなりに離れた後方である。

「ハーッハッハッハ!俺を倒そうっていうなら地球ごと滅ぼすくらいの覚悟で来るんだなぁ!」

 

俺は、捨て台詞を吐きながらろーくんの遥か後方へと逃走する。

まぁその方向にあるのはボス部屋だが……無論ボス部屋に突入はしない。

だって一人で攻略することでろーくんから離れても攻略後すぐにろーくんが入ってきて危険になりそうだし。

ん?それじゃどうするのかって?

それはな……

「ヘ リ ッ ク ス ブ レ ン ド ~(某青い狸感)」

 

説明しよう!ヘリックスブレンドとは、とりあえず良く分からん理論によって訳の分からぬままいつでもどこでもステルス出来るチート級アイテムなのだ!

まぁこれ、どう考えても本来は逃走とかの消極的な使い方じゃなくて暗殺とかの積極的な使い方のアイテムな気がする。

ほら、これを使って隠れてナチュラルにムッコロしたり、あるいは殺した相手の死体をこれで隠したりとか。便利そうじゃない?

しかし今回はそんなヘリックスブレンドを頭のおかしい使い方で使う。

 

俺はメニューを操作し、いくらかのアイテムを取り出した。

感圧起動板、行動制限系ボム各種、そして特殊アイテム『映像結晶:静画型』によって作った秘蔵のエフ子写真。

まずは感圧起動板を起き、爆弾各種へ接続。写真をセットしたら『重さが規定した触れ幅より大きく変化したら起動』の設定をし……それにヘリックスブレンドを使うことで不可視かつ最低のトラップを作り上げる。

名付けて俺のトラップSAOver:vol1と言ったところだろう。

現実と違って大掛かりな物は作れないがしかしコイツはなんと、見えない確実避けられない。と三拍子最高のトラップなのだ。

唯一の欠点少なくとも写真を取られてしまうのは結構痛いが……しかし、これならろーくんは避けられないだろう。

なんせエフ子の写真だ。それも俺が撮った最強のベストショットだ。

……前にひっそりとエフ子の写真のオークション会場(マクロリータ裏通りにあった)に侵入したとき、これに比べると天と地……いや、地球とウルト○の星ほどの違いがある隠し撮りストーキング写真ですらやたら高騰しまくって300000コルで落札されていたのだから、きっとこれはオークションに出せば凄まじい競争率になるだろう……それこそイギリスだかフランスでかつてそれを争って何人もの人間が死んだ呪われたルビーさながらに。

それほどの写真を使ったのだ。

 

……まぁ、散々この写真の凄さを語っといてから言うのも難だが、実を言うとスクリーンショットの中にはまだまだこれより凄い偶然系、珍しい表情系、寝顔系等々の写真があるから別にその点では痛くないんだけどな!

「おい店ちょ……待てこれは……」

 

俺が自分で言ったことを一瞬で無駄にしている間に、ろーくんは俺の罠に接近していた。

あーwktk。この露骨な罠をろーくんは避けられるのか。

俺は腹筋をいつやられても大丈夫なように備えつつ、ろーくんを観察した。

「エフ子ちゃんが笑顔で写ってる写真はただでさえ貴重なのに、その上こちらを向いているだと……くっ、静まれ俺の腕!これは罠だ!掴んじゃ駄目だぁぁぁっ!」

 

ろーくんは、自分の右腕が自然と写真を取ろうとしているのを必死で抑えつけていた。

くっ……ダメだ……笑っちゃいけない……ろーくんがあれを手に取った瞬間まで待つんだ……松ん田……松田ァァァァァ!(突然の夜神感)

だがしかし、ついに俺は堪えられず転がり始めてしまう。

幸いにして咄嗟に手を口に突っ込んで声が出るのは阻止したが、大の大人が必死で腕を抑えてる様が滑稽すぎて笑いを堪えられない……

「だがしかし、ここを逃せばもう入手は……くっ……背に腹は変えられん!」

 

……しかし、俺が苦しんだのも束の間、ろーくんはようやく写真を掴み取った。

そして各種爆弾が同時に起爆しろーくんを襲う……!

その爆風は一切の隙間なく迷宮区の廊下を埋めつくし、麻痺スタン転倒等の行動を制限する状態異常のオンパレードを引き起こすのだった……

 

完・全・勝・利……キターーーー!(某宇宙ライダー風に)

 

 

 

【アインクラッド珍道中外伝】フィールド拾い食い歩き編:1

 

【鯖】さん、【ねこまんま】さん、【シカゴ】さん、【えっくす】さんが入室しました。

1.鯖

アインクラッド珍道中外伝、フィールド拾い食い歩き編、はっじまっるよ~!

 

2.シカゴ

突如として知らない企画がいきなり外伝で始まったがなんなんだこれ……

 

3.ねこまんま

2»説明しよう!アインクラッド珍道中とは下層を中心に、というかほぼ下層でのみ発行されているノンフィクションである!

 

4.えっくす

2»その内容は現在1層~はじまりの日~編から43層~ガチのサバイバル化~編まで中々にロングセラーであり、その収益はすべて!

 

5.シカゴ

すべて?

 

6.鯖

5»全て俺の懐へゴーストレート迷いなくですが何か?

 

7.シカゴ

6»感動モノの話を期待した俺が間違っていた。

 

8.ねこまんま

ちなみに一冊200コルだから誰でも気軽に買えるんだぞ。

 

9.えっくす

お求めは、近くの書店まで!基本的にアルゴの攻略本の横にあります!

 

10.シカゴ

8、9»宣伝乙。しかしダイマが過ぎんだろおまいらw

 

11.鯖

10»ちなみに二人はアインクラッド珍道中のマネージャー兼用心棒と編集兼家政婦だ。

 

12.シカゴ

そりゃあダイマするわなぁ!

 

13.鯖

ま、12»が叫び終わるのは見えてきそうにないからさっさと始めますかね~。アインクラッド珍道中外伝、フィールド拾い食い歩き編。

 

14.えっくす

うぉぉぉぉぉ!!!

 

15.ねこまんま

うぉぉぉぉぉ!!!

 

16.鯖

それじゃあまず、俺が最初にサバイバルを行った場所を紹介しよう。

それは三層の森だ。

あそこは実に深い森だからいまだ全マップを迷いなく進める人材はほとんど居ないとすら言われているマップだから、サバイバルのための緊張感を作り出すためには最適だろう。

しかしそれでも敵は多いし、エルフ系の敵は集団で攻めてくると厄介だからしっかりと準備しなくてはならない……ゆえに俺は料理道具とテント、そして愛用の武器と444コルだけを携えて出発した……

野生児プレイによってワイルドさを身に付け、おにゃのこにモテモテになるために!

 

17.シカゴ

思ったよりすごく残念な理由だった!

 

18.ねこまんま

17»仕方ないだろ。16»は顔は良いのに頭の中が『いかにしてモテるか』で埋め尽くされているがばかりにモテない奴だから、さ。

 

19.えっくす

正直お前の容姿力寄越せとか思いましたもの。

 

20.鯖

……さて、話を戻すが、俺が三層で最初に食べたものはなんだと思う?

それは文字通り木の根っこだ。

道端で見掛けたトレントの根っこがドロップしたし、調理すりゃ美味しくなると思って茹で根にして食った。

……サバイバル開始数十分で死ぬかと思った。

 

21.えっくす

20»何故それを食えると思ったし。

 

22.鯖

A.だって美味しそうだったんだもん!

 

23.えっくす

22»だもん!じゃないぜ……それが許されるのは私のような絶世の美女だけだぁ!

 

24.ねこまんま

17»あ、そうだ。今言うのも難だがこの二人の掛け合いは全て記録して『アインクラッド珍道中超外伝:さばえくケンカ日和』としてアインクラッド中の本屋で発売中だ。現在七巻まで出ているし、なにげに面白いから買うといい。

価格は900コル、おまけで俺の料理レシピも乗せたところ中々に好評だったぞ。是非買うといい。

 

25.シカゴ

24»マジなダイマありがとうございましたぁっ!

 

26.鯖

23»HAHAHAHAHA!お前のような彼氏居ない歴>>>>>>>人生を体現したお前が美女?ありえねぇわwwマジワロスww

 

27.えっくす

26»フッ……20代後半になって彼女の一人も居らずDTのお前には分からないだろうなぁ!私という上の下程度にメチャクチャ可愛い女の良さが!

最後に笑うのは、私だぁ!

 

28.ねこまんま

……さて、25»くん。良ければ話の続きを俺が代筆するが、良いかな?かな?

 

29.シカゴ

28»いいとも!……しかし何故ひぐらし。

 

30.ねこまんま

29»いや、特に理由はないのさ。理由はね。

ちなみに余談だがアインクラッド珍道中における俺の執筆した割合は6:4で俺の方が多かったりするんだぞ。

制作者なのに情けない男だ……

 

31.鯖

30»いやそれはお前がいつもロケ中に無茶ぶりしてくるから動けなくなっちまうだけdsmふぉあんxjsmslxんw

 

【鯖】さんが退室しました。

 

32.ねこまんま

おっとすまない、俺は少し所用が出来てしまってね。数分落ちるがすぐ戻るから、待っていてくれ。

 

【ねこまんま】さんが退室しました。

 

33.えっくす

……ひとまず、私と言う女の素晴らしさでも語りましょうか?29»さん。

 

34.シカゴ

33»No Thank Youだっ!

 

35.えっくす

34»何故だ、解せない……

 

 

 

続く(多分きっと)




どうでも良いけれど、短距離テレポートってなにげにチートだよね……をSAOに反映した結果、緊急回避用の頭おかしいアイテムになりますた。
しかしこれが出来上がったのはろーくんの【森林の支配者】の効果が関係しているが、しかしどこをどうしたら転移結晶もどきみたいな効果になるのやら……

なお今回のプレイヤーチャットはわりと本気で続く模様。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。