SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】 作:秋ピザ
これは流れ上必要なんだよね!この回は!
というかむしろこの先出さなきゃならんネタがいくつか出来たしそれをやるためにここで伏線を……おや?こんな時間に来客のようだ。
ふぃーちゃんから逃げまくること数分。
……あ、これはもう大丈夫じゃね?とか思ってマクロリータの近郊でろーくんとエフ子を降ろした途端にふぃーちゃんがやってきた。
しかもわんわんおライダーモードとかいう訳わからんスタイルでな!
わんわんおの上に乗って戦うとか冗談も二次元だけに……いや待てVRってどっちだ!?二次元か三次元か分からねぇ!
2.5次元ってのもアリだけどどっちなんだ!?
そんなことを考えつつも、体だけはしっかりと迎撃の準備をする。
幸いにしてわんわんおライダーとの距離はまだあったからスキルを変えよう。
ガチ編成を越えたガチ編成、その名もワンサイドガチに。
ちなみに名前は今決めた。意味はワンサイドゲーム確定でとりあえずエンジョイ()するなら使わない方がいいキチガイ編成、というもの。
要約すると多分俺じゃなくても結構強くなれる狂気のスキル編成。唯一の問題として俺の超越剣だけは真似できないことなんだけど……気にしない方が良いだろう。
それの構成は【超越剣】【暗器】【流星剣】【破滅の使者】【剣帝】【居合】【攻撃偏重】【背水の陣】【追跡】の9スキルにプラスで【峰打ち】。
本来なら峰打ちも【心眼】スキルという楯による防御を『防御の中心に攻撃を当てることでダメージをそのまま相手に与える』スキルにした方が良いんだが……殺すと不味いのでそれは抜いた。
ちなみに、このワンサイドガチは実の所一対一以外で使うのは難しいんじゃないかと俺は考えているんだ。
何故かって?
……まぁ、今から起こることを見ていれば分かるだろうさ。
俺は武器を変更し、所持する武器の中で最大のリーチと攻撃力を持つ大太刀【祀三郎】(狭いところで振ると引っ掛かりパーティプレイじゃ仲間を切り裂く、MHの太刀顔負けの迷惑武器である)を装備して全ての防具を外し……自らの左腕に三回刺した。
それにより【背水の陣】の熟練度マックス時効果と通常効果が発動、攻撃力が大幅に上がる。
背水の陣は元々、空いている体装備のそれを含む空きスロットが3つ以上で(空きスロット×熟練度の数値の100分の1)%攻撃力が上昇するスキルで、理論上は頭、体、腕、足、首、両手の指、左手の8つ分の空きスロットを用意し熟練度をマックスにすれば攻撃力を80%上昇させられるキチガイスキルだ。
しかし上層に進むごとに相手の攻撃力は上がり、回避も難しくなってくる中体装備無しで戦うのは無理がある。だから誰も使わないが……それを熟練度マックスまで上げると、今度はとんでもない効果が現れた。
100%から現在のHPの残量%を引いたパーセント分、攻撃力が上昇するというものだ。
まぁこれの効果を出すために自傷したとしてもうっかり死なないように90%とかは削れないからせいぜいが85%くらいしか削れないが……それだけ削りつつ、通常のスキル効果を最大限出せばこのスキルだけで攻撃力を265パーセントに出来るのだ。
ちなみにSAOの上層じゃある程度広く普及している攻撃力上昇アイテムでも上昇幅は精々20%で重複しない(一本100000コルである)と言えばどれだけ強いか分かるだろう。
合計で265%だ。100000コルでようやく20%上がるのを一気にその8倍上げて金が掛からない。素晴らしいだろう。
……まぁ、弱点として一発食らえば死にかねない状態になっているということが挙げられるのだが。
しかし俺であればその欠点は欠点たり得ないのさ。
何故なら攻撃は全て避けるから。そして今は秘密兵器もあるから、だ。
あ、それと忘れちゃいかんのが【攻撃偏重】。防御力が半分になる代わりに攻撃が1.5倍だから合わせて300%以上の攻撃力になるわけさ……実際には400%くらいと言った方が良いんだけど300%の方がそれっぽく感じるのはなんでだろう。
そんなことを考えつつも、俺は【暗器】【剣帝】【居合】の3スキルの発動にピッタリなイカサマ剣術、じっちゃん流剣術秘奥義『剣拳波(名前は今思い付いた)』の姿勢をとる。
加えて心を騒がしく煩くライブ会場に負けないくらいの喧騒で荒立て、僅かなことにすら全力でブチキレるレベルまで怒りっぽい感情のボルテージを上げる。
自然に目を閉じ、追跡スキルを発動しつつ祀三郎を普通の刀なら鞘でもありそうな辺りにセットしてふぃーちゃんを待つ。
…………そして、追跡スキルによって接近が知らされると同時に目を開いて抜刀、その勢いをそのまま刀に乗せて放つ。
それはまるでウチの母親が浮気した親父に対して見せたドドドドド怒り(分かりやすく言うと鬼が泣いて逃げ出し、神すら手を出せないレベルを5乗したくらい)時の拳の速度……にはまだまだ程遠いが、少なくとも人間に知覚出来る速度ではない。
それなら何故俺がそれを知覚出来ているのかって?そりゃいい質問だ。
聞いてくれてありがとう、サンキュー!
つまりお前はこう言いたいのだろう。『いくらお前でも人間に知覚出来ない速度の剣を知覚出来る筈がない』ってさ。
確かに、俺も斬ったその瞬間の感覚は無いよ。
ただSAOでラグを起こすことは難しいが不可能じゃないし、俺はそれを自由に起こせるって言ったことがあったよな?
今回はそれの超超エスカレート版が発生したと思ってくれ。
斬ってから数秒経ってもまだ俺のアバターは祀三郎をほとんど動かしておらず、ただ少しずつ少しずつ引き抜いている。
これが俺の起こしたラグの結果であることは間違いない……のだが、このラグはこれまでのそれとはレベルが違いすぎる。
まず圧倒的スローモーション感。ほぼ動きが無いってくらいにスローモーション。
これに関しては通常のデュエルじゃ透明人間が長時間出来るって意味でメリットになれるだろう。これはいい。
しかし……それゆえにちょっとだけ問題もある。
俺が今回使った【破滅の使者】のスキルは純粋に攻撃範囲を伸ばすスキルだ。まぁどうやらそのタイミングでの長さから約4%伸ばしているようだから長い武器ほど延長される長さが長くなるということだが、普通だ。
使い方次第じゃ強いが、普通だ。
……しかし、そこにある条件で判定が伸びるスキルを追加するだけでこのスキルは狂気しか感じないスキルへと変貌するのだ。
それこそが【剣帝】。【居合】と対を成すと俺が勝手に考えているスキルであり……あと多分史上最も入手しにくいが攻略には使えないスキルである。
効果はソードスキルを使わずに武器を振ったとき、その速度が一定を越えると判定が広くなる。ただそれだけ。
つまりは攻略において多用されるソードスキルで適用されないからこそ日の目を浴びないのだ。
でもまぁ、使ってる身としてはこのスキルがソードスキルに適用されない理由が良く分かる。
まずこれはソードスキルなしで高速のソードスキルと同等の速度を出さなければ範囲が延びないが、それさえ乗り越えれば攻撃範囲の延長距離はその速度に比例するわけで……俺の今回の攻撃みたいな速度でそれをやると、破滅の使者との組み合わせで前方180度の視界内をほぼ切り刻む恐るべき攻撃を放てるんだよね☆ミ
代償として一定以下の速度で斬ると攻撃力がみそっかす級になるのだが。
しかもそれに加えて【暗器】【居合】の2スキルは狂気的な攻撃倍率を与え、【流星剣】がプレイヤーへ精神的ダメージを与えると同時に見た目をカッコよくしてくれる。
これぞ我が究極の攻撃よ……あ、でも実はリーチと見た目を犠牲にすれば威力をさらに130%くらい上乗せ出来るってのは秘密な。前にやった相手泣いたから。
「……」
そうそう、ついでに言うなら暗器スキルは『攻撃したあと攻撃を受ける前に武器をしまうことで攻撃が発生するようになる代わりに攻撃力が上昇(なおそれが攻撃してから0.001秒以内なら3倍とかいうぶっ壊れ倍率だ)』で、居合は同じ場所に留まって斬ることで攻撃力が上昇するスキル(五秒以上一歩も動かず斬れば最大1.3倍)なんだ。恐らくこれを受けたふぃーちゃんは暗器スキルで一瞬遅れた攻撃を受けるまで、何が起きたのか分からなかったろうよ。
だって突進したら突如として斬られてHPが1になったりしたら俺だって驚くしさ。
……とりあえずポーションぶっかけるか。
120.理数熊
おまいらー。さっきここにヒースクリフがガチでかやひこであることを教えてくれた100»が来てくれたけど、どーするよー?
戦いも終わっちまったし、おもしれーこと補充せなあかんぞー?
121.真っ黒
それなら問題ない。
122.理数熊
と、言いますと?
123.真っ黒
有名なロリコンの聖地近くの平原で突如としてmobが皆殺しにされたらしい。
124.アッポー
123»普通やな。どーせバカなプレイヤーが狩り尽くしたんだろ?
125.真っ黒
124»いやそれが特殊でな……何やらほぼ全ての敵が同時に殺されたようなんだ。
リポップ時間の計算式を解析した奴がそう言ってた。
126.理数熊
つまりは多数のプレイヤーが同時に狩って同時に殺したって?
127.アッポー
126»それはそれですげーよ
128.真っ黒
残念ながら、そんなものも一切報告されてないんだわ。
……まぁ犯人には目星が付いてるけど。
129.理数熊
ってついてるんかーい。
130.アッポー
ついてたのかよ目星……それで?誰なん犯人は。
131.真っ黒
どうやらな、その時隊長さんが恐ろしく強い女プレイヤーと殺し合ってたみたいなんだが……その最中、隊長さんが何もない空間を一刀両断したら敵がみんな死んだらしい。
132.アッポー
わけがわからないよ。
どうして隊長はそんなに遠くまで攻撃を届けられるんだ。
133.理数熊
132»そーいや剣帝っつー剣の速度が一定以上だと速度に比例して攻撃範囲が広くなるスキルがあった気が……
134.真っ黒
なるほどそれか。
ってバケモノじゃねーか。剣帝のスキルは基本ソードスキル並みの速度を素で出してようやく剣の1.5倍くらいの範囲になるんだぞ。
135.アッポー
133»逆に言うとあの隊長さんであれば本気の本気のガチモードならソードスキルを大幅に越える速度で斬ってもおかしくない気がする。
136.理数熊
要約すると、隊長さんはやっぱりバケモノってことだね。
勝てるかボケー!かやひこ連れてこーい!
137.アッポー
136»つまりかやひこに死ねと。同感だわ。
138.真っ黒
かやひこよ!貴様は全SAOプレイヤーによって包囲されている!
……とか言ってみたいなぁ。
139.アッポー
ワロタww
140.理数熊
まぁとりあえず、新たな話題も入ったし良いだろ。
俺たちのプレイヤーチャットはこれからだ!
(まるで打ちきりの如く)完
解説:【流星剣】
実は結構えげつないスキル。
暗闇での戦闘時、剣が光ってカッコいい上に軌跡が残る程度のスキルだった。
しかし仕様が『命中判定のあるところを光らせる』のため……隊長さんの剣拳波(実は『剣で母さんの拳の速度に近付こうとした一撃……の余波』の略という設定がある……わけはない)はとんでもない攻撃範囲を持つゆえに相手からすれば凄まじく長いビームサーベルが迫って来るように見える技になってしまった。
もっとも、迫って来る頃には既に斬っているのだが。
ただ、剣拳波はこれがあるせいでちょっとだけラグが酷くなっていたり……
……なお、余談だが流星剣はプレイヤー間ではソードスキルの発動を隠すため意外と人気が高い。
どもー。最近ようやくふじこの打ち方を学んだ半ニートだけど、正直な話しばらく使い道が無さそうだぜ。
それと『俺たちの戦いはこれからだ!』って検索したら虚無るって単語が出てきたんだが……
この作品は死んでも虚無らないぜ!(正直あんまり意味を理解していない)とだけ言っておくことにしたんだぜ。
それとなんか最近執筆中小説が50件近くなってて盛大に笑った。
そしていくつかは……なんか投稿もしとらんのに書き溜めがあったわ。
バカだなぁ俺……投稿しろよ……どうせ更新出来ないけど……
いっそWIP集(正直意味分からんけど不完全版的な意味)でも出そうか。
全部1話とかいうキチガイ構成のさ。
………ぜってーディスられるだけだから出さんがな!