SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】 作：秋ピザ
とりあえず五、六話くらいかかる気がしたんでね。分かりにくいタイトルにしたよ。
それはともかく、これが恐らく本作の今年最後の投稿になるかと。詳しくはあとがきで。
「さーエフ子、飯も食ったことだし、出掛けようぜ」
「はい!」
エフ子を連れて、宿屋の窓から外へ出る。
ドアなど飾りなのですよ。偉い人にはそれが分からんのですよ。ちなみに俺はリアルでもこれを時々やって姪っ子に叱られることがしばしば……あー懐かしい。
ま、それはともかくとしてだ。
この宿はこう見えて転移門から建物３つほど挟んだ先にあるんだな。
だから……
「よっ(窓枠に足を掛けた)ほっ(気合いで飛んだ)とうっ(腕の力でよじ登った)」
このように強引な動きで屋根に登ってやれば、ちょっとしたショートカットになるのさ。
そして俺は助走を付けてから当然のように屋根から跳んで別の屋根に跳び移る。
コツは躊躇しないこと、だろうか。マジで躊躇すると大変だから、注意な。
え？怖くないのかって？今更だな。
逆に言うとこれくらいが恐いなら今生きてないぞ。それくらいには修羅プレイスを潜り抜けて来てるからさ。
……あ、やべっ転移門飛び越しそう。
だが問題ない!
俺は体術スキルの【落山】を利用して、不自然な体勢で地面に落ちる。
その姿、まるで流星……とか言ってくれても構わないのよ？
すでにSAOには流星がいたけどな。まぁ、そいつも今は閃光と呼ばれてるんだが。
「あうちっ!？」
……どしたねエフ子。急に泣きそうな顔になって。
誰かがSAN値を削るほどねっとりと見つめてきたか？
安心しな、俺の基本方針は『罪を憎んで鉄拳制裁』だからさ。別に荒事にしかならないよ。
さぁ言ってくれ。ろーくんとこに行く前に喧嘩すっぞ!
「したかみまみた……」
「……」
やっべー。これ俺が悪いんじゃん。俺の落ち度じゃん。
俺が地面に落ちた瞬間にエフ子が下噛んだってのはな……初めてだよこれ。
……ってゴルァ!何見とんじゃワレェ!見せもんじゃねぇぞ!
なんかエフ子が泣いてるのを『うわぁ……』的視線で見られていたので、とりあえずストレージから鬼の面と金棒を取り出して装備し、威嚇する。
圏内だから安全とはいえ、振り回せば衝撃だけはあるからな。威嚇には十分だ。
そして周りの奴等が俺の突然の威嚇になんか驚いている隙に逃げる。
我ながら実にパーフェクツだろう？
自分で泣かせておきながら更に泣かせるような装備で周りの奴等を散らすとか、完全に不審者だけども。
そこんとこは気にすんなってやつだよ。
俺はセルフ弁護をしながらも、転移門に近付いて街の名を叫ぶ。
余談だけどな、今から言う街の名前は、多分かやひこのおふざけなんじゃないかと思っているんだ。多分その街を知ってるSAOプレイヤーの多くがね。
「転移ッ!マクロリータ!」
マクロリータ。
巻く、ロリータ。
お分かりだろう？アインクラッドで唯一、名前にロリータと入っている街なんだよ。
しかも名前がこんなんだからかは知らんが、マクロリータはやたらとロリっ娘が多いんだ。
故に地価は上がりまくりで……正直、ここに店を構えるのは至難の技らしいな。
ろーくんは貯めに貯めた金を湯水のように使ってようやく土地を落としていたがね、流石だと思わざるを得ないよ。
そんなことを考えているうちに、俺の体は転移した。
ーマクロリータにてー
転移後って、なんだか叫びたくなるんだ。
この気持ち、分かるかな？
いや分からなくて構わないよ？俺はどうせ今回叫ばないし。
というか……転移門前に建てちゃうとか、どんだけなのよろーくん。
キミの店だと思われる怪しいけどその怪しさがあまり表面化していないお店があるんだけど。
これはあれか、俺に入れと言っているんだな。
よろしい、その挑戦受けて立とうじゃないか!
「オンユアマーク……セット……ヴェイ!」
訳の分からん言葉でスタートし、俺は全速力で扉に突っ込んでいった。
その目的は１つ。問題児の十六夜式パーフェクト入室法である。
分からない方のために言い方を変えるならこうだ。
「邪魔するぜ!」
まず入ることを言葉にしてから扉を蹴破る。
そのとき勢いを失わずに中に突入できれば、完璧だ。
何が完璧なのか俺ですらよく分かっちゃいないが、とりあえず完璧なのだ。完璧ったら完璧なのだ。
異論反論は許さん!
「へいらっしゃーい。相変わらずクレイジーだな店長」
「隊長さんと呼びたまえよ。ろーくん」
俺が良く分からん謎理論を一人で完璧だと思い込む作業をしていると、店の奥からろーくんが出てきて出迎えてくれた。
しかも金髪ロリを連れて。
ホワイウェアウェンホワット!？(意訳:死ぬほど混乱してる)
何故ろーくんがロリを連れているんだ!？
あれか、ろーくんついに手を出したのか、禁断の商売に。
クソ、いくら隊長さんでもお前がそこまで堕ちてるだなんて思っていなかったぜ……
「通報しますた」
「おい待て隊長!？別にこの子はやましい商売で手に入れた訳じゃないからな!？」
……じゃあなんだと言うんだね。
キミの連れている子は、一体どうやってお前になついたと言うのだね!
答えろろーくん!答えろよ!
「そんな詰問するような目で見られてもなぁ……分かった。説明するぜ」
「……なお俺を納得させられないとろーくんの首が一秒で三回ほど飛びます」
「冗談に聞こえないなそれ……」
そしてろーくんは、切々と話し始めたのであった。
俺にもあったような、その出来事を。
ユニークスキル【森林の支配者】入手の流れを。
……いや、なんだろう。普通はこれで驚くべきなんだろうけどさ、俺がユニークスキル持ってるから、そこまで驚かないというかなんというか。
と、言うよりも俺の持ってる超越剣の方がインパクト強すぎたからな……うん、ゴメンろーくん。君のユニークスキル、驚けないな。
ゴメンよ。
でも俺個人としてはお前がそのスキルで造ったアイテムってやつにだけは驚いちゃったな。
頭おかしいんじゃないの？そんな感じだ。
【かやひこの】市場で見付けたキチアイテムw【狂気】
【ﾑｯｺﾛ星人】さん、【妖怪】さん、【ぬらりひょんの曾孫】さんが入室しました。
1.ﾑｯｺﾛ星人
さっき俺が財力にモノを言わせて買ってきたアイテムが頭おかしい件についてw
2.妖怪
おー。なんかすげーのかー？
3.ﾑｯｺﾛ星人
2»棒読みだな。だが驚いて腰を抜かすなよ。
そのアイテムは……
4.ぬらりひょんの曾孫
ｺﾞｸﾘ……
5.ﾑｯｺﾛ星人
そのアイテムは……
6.妖怪
ｺﾞｸﾘ……
7.ﾑｯｺﾛ星人
あらゆる状態異常を自動で回復したのち、一定時間状態異常無効になる石だ!(ﾄﾞﾔｧ
8.ぬらりひょんの曾孫
7»……なんやねんそれ。頭おかしいやろ。
9.妖怪
7»つまりは状態異常対策の極致か……すげぇよそれ。いくら？
10.ﾑｯｺﾛ星人
9»大体10000000コル。死なないためと思えば安い買い物でした。
11.妖怪
チッ……ブルジョワめ。
12.ぬらりひょんの曾孫
ブルジョワファ○キン
13.ﾑｯｺﾛ星人
中々にひでぇなおまいらww
14.ぬらりひょんの曾孫
はいはーい。俺昨日ようやく300000コルで鎧新調したとこなんですがー。
15.妖怪
二日前に強化しまくって金使い果たしたー。
16.ﾑｯｺﾛ星人
15»結果は？
17.妖怪
オール成功ですざまぁ。
18.ﾑｯｺﾛ星人
運良すぎw
19.ぬらりひょんの曾孫
しかし18»の圧倒的お財布パワーには驚きますよ。えぇ。
8桁をポンと出せるとか、どんだけ金持ってんだテメェ俺に寄越せ。
20.ﾑｯｺﾛ星人
19»だが断る。当然ながら断る。
ちなみに俺のお財布力は全部で9桁です。
21.妖怪
20»よし決めた。テメェさんよ、夜道と背後にゃ気を付けな……
22.ぬらりひょんの曾孫
今夜、夜霧が出るかもな……
23.ﾑｯｺﾛ星人
えっ、ちょっ、あれっ？
【ぬらりひょんの曾孫】さん、【よな】さんが退室しました。
24.ﾑｯｺﾛ星人
お、おいおまいら!？
25.ﾑｯｺﾛ星人
不気味すぎて怖いよ!？
俺氏ちびっちゃうよ!？
【ﾑｯｺﾛ星人】さんが退室しました。
次回更新は(まだ書いてないから)未定!
少なくとも１月の日数が一桁の内は上がらないんだと思う。
……で、今回の話はろーくんのユニークスキルのお話なんだがね……
ついにろーくんにもテイムモンスターが出来たんだよ!
やったねろーくん家族が増えたよ!(殴)
まぁ、今回の続きは次回でってことで。
次回!【三人寄れば】たぶん伝説の【何このカオス】前前編。
今明かされる衝撃の真実ゥ!
まさか……アイツが……？
悪魔は、忘れた頃にやってくるんだ……
(なお、上記の次回予告っぽい意味深な文章は全て適当である)