SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】   作:秋ピザ

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前の打ち切り的な最新話を消した。
……続くっ!

なんか最近スランプに陥ってまったく書けなかったんで、とりあえずここから暴走してテンション高めていきますわい。



【SAO・超越編】混沌を極める決戦【た だ い ま】

「ぶっぽるぎゃるぴるぎゃっぽっぱぁぁぁぁぁーっ!」

 

「黙れボケ」

 

「おう、せっかく俺が場の雰囲気を和ませてやろうとしてるのになんだその態度は」

 

 かやひこにより生み出されてしまったクソみたいな空間の中、とりあえず場を和ますためのビジネス奇声をあげてみたらろーくんにツッコミを入れられてしまった。

 まったく、これだから最近のツッコミキャラは。

 いくらイラついてるからって剣でツッコミを入れるのはよくないぜろーくん。それは俺の命に関わっちまう。別に一回や二回斬られたところでどうってこたぁないけどさ。

 どこか上から目線なツッコミを脳内で入れてはいるものの、正直なところうっかりツッコミ(斬属性)したくなるのも理解できなくはない。

 

 あの女の尊い犠牲により、クエストの難易度が実地で証明されてから数時間。俺たちの装備は全て剥ぎ取られ、プライドの方も、とっくのとうにボドボドだった。

 ふぃーちゃんは敗れ、エサに釣られて限界以上にポテンシャルを引き出したろーくんすらも敗れ去った。

 そして、気が付けば俺さえも完敗していた。

 完全完璧に、敗北していたのだ。

 

「あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!」

 

 すでに俺たちの精神は限界で、負けが続きすぎたことによるダメージでふぃーちゃんは半ば以上発狂しはじめ、頭を壁っぽいマップの端に叩き付け始めているし、俺だって精神的にそうとうキてる。

 ……ん?エフ子はどうなんだ、って?

 

 アイツはボドボドな俺たちと違って、今もこたつでぬくぬくしながらぬいぐるみ(ただし分類はハンマー)を抱きしめてニヨニヨしているよ。

 まったく呑気なものだ。

 HAHAHAHAHA、なんだかもう勝てる気がしないぜ。

 誰か禁断の強化アイテムとかなんでもいいから持ってこいよ。

 

 普段ならこれも実力とか汚い手を使って突破するところだが、どうにもこればかりは運だとかチームプレイだとか、自分以外の何かに頼らずどうにかする手段がまったく思いつかない。

 何回やっても、何度挑戦してもほぼ毎回初手確殺、幸運にも初手確殺を免れても2、3手以内にとどめを刺される。そんなものをどうしろと?わけがわからないよ。

 それに、本来はプレイヤーを焚き付けるための要素になるはずの特殊なルールが今回は完全にマイナスに働いている。

 ……あぁ、悲しきかなSAO。ここまで理不尽だとは思っていなかった。マジでかやひこは今すぐにでも首吊って死んでくれ。

 

「……つーか、さ。これをやろうって言い出したの誰だっけ?」

 

「そりゃお前だろ?お前意外思い当たらねぇよ」

 

「いいや君だろろーくん」

 

「……そんな覚えはないな。お前がやろうと言い出したんだろう」

 

「へぇ、そんなにここでポロリシーン入れたいのか?」

 

 もちろんだが、ポロリするのは首の方だ。

 俺とろーくんはいつも以上に酷く低レベルなやり取りをしながら、しかし殴り合う気も起きずにただ罵り合っていた。

 ……いつもならこの辺りでお互いにキレて殴り合うか煽り合いになるところなんだがなぁ。これはちょっとマジで危ないかもしれない。

 無論、俺はまだ挑戦を諦めたつもりはない。

 一度勝つと決めたら汚い手も禁じ手も暗黙の了解も何もかも無視してやりたい放題やって勝つ。それが俺の流義であり、プライドだ。

 それに、ほぼ確実に勝つ方法ならとっくに見つけている。

 別に難しいことじゃあない。ただ単純にろーくんが妨害に専念して俺がその隙に全部終わらせる。それだけできっと勝てるだろう。

 

「なぁろーくんよ」

 

「断る」

 

 ならば何故俺たちはここまで無駄な敗北を重ね、辛酸を舐めてきたのか。

 ろーくんと協力することが出来れば、確実に勝てる。現実でもケンカになった時、俺一人じゃ勝てない姉貴やなんかにもろーくんとタッグを(あるいは協力関係を)組めていれば大体勝ちを奪いに行けていたことから考えても、ほぼ間違いない。

 では、何故ここまで勝つことが出来なかったのか?

 それは、ひとえに俺とろーくんが上手く噛み合わなかったせいだ。

 今の問いかけに対する反応からも分かるように、ろーくんは俺の話に対してまったくと言っていいほどに聞く耳を持たない。

 普段なら、ここで適当な餌を撒いて引っかかるまで待つところだ。ろーくんのことだから適当なエサでも時間を掛ければかかってくれるだろう。

 だが、正直言って今は色々疲れてるし、時間を掛けるのもめんどくさいからさっさと済ませてしまおう。

 伝家の宝刀(一度も使った覚えはないけれど)の『俺が一回だけ協力してあげよう!』を抜けばどうにでもなるのさ。どうせロクなことに使われないだろうけど。

 

「次の一戦で協力してくれたらリアルに戻ったあと一度だけ企みに協力してやろうと思ったんだが……アーザンネンダナーデモシカタナイナー」

 

「よし分かった協力しよう。妨害だな?分かってるさ」

 

 俺が投げた過去最大級の釣り餌に、ろーくんはあっさりと食いついた。まさに海老で鯛を釣った、と言ったところだろう。

 ろーくんの企みに協力するリスクは高い……しかし、この泥沼を脱出できるのであれば、その程度のリスクは安い、いや安すぎると言っていい。 

 もう、誰にも負ける気がしない。ここからは蹂躙タイムだ。

 俺はここでさりげなくへし折る前提でフラグのようなものを建てつつ、戦闘不能になってしまったふぃーちゃんの代わりとして、端の方でいじけていた女を強制的に参加させるべく肩に抱え、決戦に向かう。

 いきなり持ち上げられたことにびっくりしてしまったのか、女は無様に暴れているが、その程度のことは気にしない。

 今はただ、勝つことだけを……目の前の目的を達することだけを考えていよう。

 無意味にそれっぽいことを脳内では呟きつつ、俺はここでもう一度、というか今度こそ場の雰囲気を和ませるためにテンション高めで叫ぶ。

 

「俺、これに勝ったら本気で攻略するんだ」

 

「それなんて死亡フラg「フラグなんてへし折ればいいのサっ!」……おいバカそれも含めてフラグだろ」

 

「……ってか私なんの関係もないよね!?たしかに君たちのサポートが役目ではあるけど、これは違うよね!?」

 

 とりあえず頭数が欲しいんだよ。お前に拒否権なんてものはない。

 それを無言の圧力で理解させつつ、俺たちは決戦の場に入っていく。

 勝ちたいとか、企みを成功させる切り札が欲しいとか、そういう欲望によって強制的に生み出された俺たちの結束に、綻びはない。

 それゆえに、そこにはもう一分たりとも敗北の可能性が存在しない。

 

 勝利の方程式は、ここに完成したのだ。

 

 ここに至るまで、かつて経験したことがないほどの回数の敗北を体験したが、今度こそ勝利をつかみ取って見せようじゃないか。

 俺はそう覚悟を決め、宣戦布告する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さぁ……覚悟しろエフ子!今度こそは俺たちが勝つ!」

 

 空前絶後の最終決戦が始まる……脱衣麻雀の頂点を決める、最終決戦が。




た だ い ま 。

安心と信頼のバトル前超絶グダグダ引き延ばし術。
理不尽極まるクエストよりも、脱衣麻雀で負けまくったことの方で精神をやられてしまうパティーンです。

ま、まぁしばらくしたらきっと戦闘を開始する筈さ!きっとね!

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