SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】   作:秋ピザ

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なんとなくちょっと前に追加された特殊機能を乱用してみました。
もしかしたらちょい読みにくい可能性あり。
とりあえずはそのままにしますが、変えるかもしれんです。

なお今回は全く話が進まず、挙句の果てにはさらに一話先まで伸びていくわけですが、気長にお付き合いくださいなー。



【SAO・超越編】こう見えて俺、世界記録持ちなんだ

SAO史上最強にして最悪と思わしきクエストが開始されたその瞬間、SAOのプレイヤーのほとんどが何か嫌な予感を感じたという。

それはいわゆる虫の知らせ………命の危機を知らせるために働いた第六感だったのか、それとも()()()()()()()()()がさらにとんでもない力を得たことによって降りかかる狂気的な出来事を事前に予測してしまったが故の誤報だったのかは誰にも分からなかったが、それを感じたほとんどのプレイヤーは、なんとなく察していた。

このヤバい感じの発信源には、どう考えても隊長が居ると。

いまだかつて彼を完全な敗北にまで追いやった者は存在せず、彼に次いで最強だと思われていたプレイヤーすらも次々と敗北していき、もはや誰も奴を止められないのではとすら言われ始めたキチガイ級最強プレイヤー、隊長。

これまでも彼はとんでもない偉業を複数成し遂げており、ほとんどのプレイヤー………それこそ彼が設立したのち、気付けばメンバーたちによって調査を完了させていっている組織である調査隊の中核を担うメンバーたちは『アイツならどんな頭のおかしいことをしてもおかしくはないな』という悟りの境地にすら突入していた。

 

だがしかし、そんな彼らであっても今回の虫の知らせは無視できなかった。

今度ばかりはこれまでと何かが違う気がする。いや実際に見ているわけでもないし思い過ごしかもしれないけれど………なんとなく、隊長がこれまでとは比べ物にならないほどとんでもないことをするような、そんな気がしたのだった。

まさに動物的な直感によって察知したその()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()とはつまり………

隊長(あの男)がまた何かをやらかす予感、それに他ならなかった。

 

◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

 

「ハーッハッハッハッハ!よく来たな!」

 

「よろしく勇気ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!」

 

ゲームシステムによる理不尽なクエスト開始を告げる転移ののち、俺はまず最初に現れて妙な行動をした何物かを、正体を確認しないままに気合で斬り裂こうとした。

なお装備は例の物体破壊に適したレーザー竹刀のままだが、まぁコイツでもある程度は戦えるし、そもそも破壊不能オブジェクトだろうと何だろうと理不尽にめり込んでいく設定の読めなさだけが取り柄のコイツは、説明キャラかもしれない何者かの登場シーンの空気をぶち壊すのに最適だろう。

………いや、割と真面目に理由を語ったりしたが、正直なところ俺がレーザー竹刀でいきなり攻撃したのに理由はない。

なんとなくそこに敵っぽいのが居たから斬ってみた。反省も後悔もしていない。ただそこには若さゆえの過ちしかないんだ。

「おい見ろよ………また突然訳の分からんことが始まったぞ………俺は抜ける」

 

「私も」

 

「じゃあ俺も頼むわー」

 

「「テメェの撒いた種だろテメェがなんとかしろ!」」

 

「ダチョウ倶〇部的なノリだよ理解しろよ!」

 

「あわわ………争わないでくださいぃ!」

 

そして、いきなり攻撃されて押し黙った何者かを無視して俺たちはいきなり内輪もめを開始した。

つーかまたってなんだよまたって。

俺がこれまでなにか問題を起こしたか?いたって平凡なことしかしていないぞ?

 

嘘です分かってますよ。この突然の転移も純粋に俺のせいだと言いたいんだろう?

でもお前たちだって話を聞けば分かるはずだぜ?

ほらほら、遠慮するなって、今から説明するから。

俺はなにかと便利なので持ち歩いている雀卓も兼ねたこたつ用テーブルと座布団を4枚取り出………なんだねろーくん。俺はまだ何もしていないぞ。

………はぁ、3枚で良いと?君は本当にバカだなぁ(某嘘の歌姫風)。そんなに地べたに座っていたいのかね?

「違うわボケ。座る場所が無ければ俺がエフ子ちゃんを膝に乗せるという選択肢が出てくるだろう?」

 

「ハッ、残念だが俺にはお前にサービスをしてやる理由がないんだなこれが」

 

「………これをお納めください」

 

どうやらろーくんが俺を無言で止めたのは欲望の為らしい。

まぁこれまでリアルでもこっちでも散々迷惑をかけてきたからそんくらいのサービスはしてもいいのだけど、とりあえずもらえるようなら貰っておくとしよう。

きっとろーくんの事だから俺とかには使い道のない微妙なアイテムをくれたりするんだろうけどさ。

俺はそう思いつつ、ろーくんがこっそりと渡してきたいくつかのアイテムを即座にポリゴン化してメニューの所持アイテム欄から確認してみる。

【過剰強化薬】【感覚強化薬(仮)】【未知の強化薬】

そしてさりげなく4枚目の座布団を………

「何やっとんじゃボケ!」

 

「なにって………ろーくんの渡したものが明らかに俺に対する悪意に満ちてるからなぁ」

 

「ちゃうわ!まだ実用レベルにまでデメリットを小さく出来てない代わりに死ぬほど強くなるドーピングだぞ!?」

 

しかし、それを聞いてやめた。

どうやらろーくんは珍しくちゃんとしたものを俺に渡してくれたらしい。

本当に珍しいな。明日はろーくんのせいでSAOに想定外の雨が降るんじゃないか?

まぁ、そこまで言うのなら効果を見てやろうじゃないか。

俺はメニューを操作し、そこに加わった3つの薬物の効果を確認する。

【過剰強化薬:一定時間最大HPを10分の1にする代わりに、攻撃力が10倍。効果は他のアイテムと重複可能】

【感覚強化薬(仮):使用後一定時間感覚神経が特殊な電気信号によって研ぎ澄まされるため、反応速度を上昇させられる。いわゆる電子ドラッグ。なお薬品アイテムとしての効果は1分間の攻撃力微上昇(10%)】

【未知の強化薬:今のところ効果の幅が大きすぎるため改良の余地があるが、現状数少ない回復+全能力上昇の効果を持ったアイテム。効果の幅は全てバラバラの強化度になるが最低値-80%、最高値+200%。回復は15%から100%まででランダム】

………ふむ、たしかに俺好みのピーキーな性能だな。一歩間違えればただの自殺にしかならんアイテムぞろいだ。

特に未知の強化薬はパルプンテ的側面もありそうだ。

正直言ってドラク〇を魔法はパルプンテしか使わない縛りでやったくらいに大好きなんだよなあ。パルプンテ。

無論ボス戦は物理特化パと回復アイテムでゴリ押ししたからそもそもその縛りに意味がないことが途中から分かってきたのが虚しかったがね。

しかしなんて俺好みのキチガイ効果なんだ。最高だもっと持ってこいや。

「2人ともどうしたの?」

 

そんな中、ただ純粋な理由で内心エキイサイティンしていた俺に無謀にも声を掛ける者、1人。

机と座布団を用意したのに俺たちが座らないことを怪しんでいるようだ。

まぁ、ちょうど交渉も完了したんだから、と思って俺たちが二人を見ると………

「ところでさ、エフ子ちゃんの分の座布団がないという事は私の膝の上で良いんだよね?」

 

「いやそこはマスターに………」「 い い ん だ よ ね ? 」

 

「「こ、この卑怯者ぉぉぉぉぉぉぉ!」」

 

「そんなこと言ってる暇があったら助けてくださいよ!」

 

ふぃーちゃんが、まさに『漁夫の利』のことわざがぴったり当てはまるような気がしなくもない(ただしちょっと違う)手際の良さでエフ子を膝に座らせていた。

おいふぃーちゃんよ、君はどこぞの犬公方と同レベルと言ってもいいくらいの犬大好き人間じゃなかったのか。

いつの間にロリコンが感染(うつ)ったと言うのだ。

あれもこれもみんな、ろーくんって奴のせいなのか!

そう思っていると、不意にエフ子の頭に何かが装着されていることに気が付いた。

それは実に本物そっくりの質感と、エフ子の黒髪に違和感なく溶け込む彩色が実に巧みとしか言いようのない、そのなんというか、INUMIMIだった。

「チクショウ………犬耳ロリ道という妥協点を見付けたのが間違いだったか………」

 

「いやー、感謝してますよろーくんさん。私にこんな素晴らしい文化を教えてくれるなんて」

 

「感謝してるなら俺にその場所を譲れ!」

 

「だが断るゥ!この場所を奪おうというのなら、たとえ人生の先輩であっても容赦はしないぜぇ!」

 

一体どこの誰がこのINUMIMIを作ったのだろうか。

だんだんと混乱の渦に飲み込まれていく状況の中、俺だけがただ一人冷静に場違いなことを考えていた。

そして争うために二人が立ち上がり、エフ子から離れた場所でお互いの獲物を抜いて争奪戦を開始した辺りで意図的に所持アイテムの中にいつも潜ませてある萌え系アイテム(PvPにおいては俺が使う事で相手を動揺させられる心強い装備だ)の1つ、【グッナイくまさん】2つを取り出してエフ子に見せつけ、ふぃーちゃんによるモフモフ攻勢で手負いの獣よろしく何も信じられないとでも言いたげな目をこちらに向けてきたところで………

 

素早くテーブルの天板を持ち上げてからあらかじめ用意しておいたこたつ布団を間に挟み、こたつ(ヒーター式。電源は入れてない)を完成させた。

そしてさりげなく天板を裏返し、雀卓として使用できる面を表にするとこう言った。

「………さて、俺たちは暇だから麻雀やってようぜ」

 

「………そうですね」

 

かくして突然始まったふぃーちゃんとろーくんの争いを横目に、俺たちは2人(とぬいぐるみ)で気ままに麻雀を始めたのであった。

 

………そういや、クエストは一体いつになったら始まるんだろうか?案内ぐらい寄越してくれてもいいだろうに。

何かを忘れているって?俺に限ってそんなこたぁないさ!




………ひさしぶりに訳の分からないことをテンションだけで書いてみた結果。
すごくエンジョイしながら書けますた。
いや、それでただの自己満足になったらダメなんだがね。しかしとりあえず露骨な伏線設置と混沌をまき散らすことにだけは成功したと信じている。

なお今回本当に漁夫の利を得たのは………


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆

おまけ。なんかのゲームでtipsとして出てきそうなことを書いて怪しい雰囲気にしてみる試み。

tips
【レーザー竹刀】には、隠された能力があるらしい………世界のどこかに存在する探偵が力の引き出し方を知っているらしいが、果たして………

tips
【グッナイくまさん】はその可愛らしい見た目に反して実に強力な装備だ!分類上はハンマーに属し、数少ない『ドロップ品で状態異常属性を持つ武器』でもあるぞ!
しかし男が使うとなんとも言えない虚しさがまき散らされるから注意だ!

tips
このtipsは本編になんの関係もないぞ!本当だぞ!

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