SAOにプレイヤーチャットが搭載された件【連載するよ!】 作:秋ピザ
それはそうとして、多分ここいらからタイトル詐欺が入ってきます。
当分は基本に立ち帰って隊長を出す前提でプレイヤーチャット部分をやろうかと。
……要約すると、ここからカオス。勢いに任せて突然ネタが突っ込まれるので注意。
デンジャーデンジャー、です。
なお今回は最強決定戦後、いきなり場面が変わっているのでご注意。
またの名を勢い付けのための仕切り直しとも言います。
……うん、決めたわ。
俺はなんの脈絡もなく知り合いを集めた酒盛り(昼間からである)の最中、不意にそう呟いた。
SAOで酒を飲んでも酔ったような気になるだけで酔いはしないが、多分そのテンションもあったのだろう。
「決めたって何をだよ?」
「うげ、私はもう退散……」
「させねぇよ。お前が居なくなったら誰が店長止めんだよ」
「そりゃ一応先輩だしそっちがやれば良いじゃないですか」
「お前と俺ってバイト始めたの数日差だったよなぁ!?つーかいきなり敬語にすんな気持ち悪い!」
「どうせ暇でしょ?」
「ハッ!俺にはエフ子たんとイチャイチャするという崇高な使命があるんだよ!」
ここ最近の俺の低迷というか迷走っぷりの原因を俺なりに考えたんだよ。
いつから俺は迷走し始めたのか。というかそれ以前の問題として何故迷走してしまったのか。
迷走の始まりは、つい最近。それ以来これまでのノリというか創意工夫を出来ていないんだ。
その原因、それは……
【超越剣】、お前だよ。
たしかにお前のソードスキルはどれも頭のおかしいものだらけで、使いこなすだけでも十分面白おかしい戦いが出来るだろう。
だが俺が求めているのはそこにPlus Ultraした面白キチガイな戦いなんだよ。
死ぬほど努力して、吐くほど頑張って、命懸けで挑んでもやっぱり全然足りないくらいの壁が俺なんだ。
本当は随分前に戦った自称絶対悪のおじさんのことなんだがな。
まぁとりあえずおじさんを片手間に吹っ飛ばしたら「次は、お前が……最後の試練だ……」とか言って消滅したからね。ゆえに俺が壁である。
だからな?俺は今からお前とお別れする。
瓶に入れて保存もせず、ただ純粋にお別れする。
超越剣の熟練度がちょうど999.9で止まっているからコンプリートは目前だけど、あえてお前を捨てる。
そして俺はかやひこに言うんだ。
「オラオラオラァ!ユニークスキルなんて捨てて素手で掛かってこいやぁ!ビビってんの?もしかしてビビってんの?プギャーwwダッセwメチャクソダッセェwwwwww」って。
だから、あばよ超越剣。
お前との思い出はロクでもない面白い物ばかりだ。いくら俺でも名残惜しい、やっぱやめようかとも思う。
だがここで別れなきゃ、いつまでも俺はこの迷走から脱却出来ない。
それじゃあ……
ー突然の回想・卒業式風ー
「実は案外驚愕していた……」
「「「「「初めての出会いッ!」」」」」
「まさかこんな頭のおかしいユニークスキルがあるなんて思わなかった!いくらかやひこがクレイジーでもここまで版権ガン無視するなんつ思わなかった!」
「メチャクチャ乱用した……」
「「「「「※☆■▽♂★◆®■♂★■®※△!」」」」」
「どこからでもパクるその精神には、感銘すら覚えたよ……ハングリーもここまで行くものかって」
「でもどうしてかハガレンもガンダムもなかったよ!」
「みんなみんな、期待していたのに!」
「……それじゃあ最後に全員で!」
「一!」
「十!」
「百!」
「千!」
「万丈目ェ……」
「ザヨゴォォォォォォ!」「バカヤロォォォォォォォォォ!」「ゴウカクシテヤルゼェェェェェェェェ!」「ハルトォォォォォォォォォォォ!」「サンダァァァァァァァァ!」
ー回想終了ー
今のやつ、回想と読んでも良いんですかねぇ?非常に謎だ。不思議だ。
そして何故新世界の神とZな塾のお馬鹿受験生が混ざってしまったのか。
サンダー、お前はいい。
だが他のやつらはどうした。
適当に叫んでるだけだよな!?ちくしょうこうなったら俺も(ry
……よし、一通り心が叫びたがるままに叫んだし、そろそろお別れしよう。
俺はビールジョッキ(木製)を傾けつつ、メニューを開いて装備スキル欄から【超越剣】を選択して外す選択肢に触れる。
【このスキルを外しますか?⇒YES/NO】
【熟練度を全て失いますが、本当にいいですか?⇒YES/NO】
【本当に?⇒YES/NO】
【本当の本当に?⇒YES/NO】
しつけぇなオイ。
まぁユニークスキルだから間違えて外したりしたら大変なんだろうけどさ。
そうとは言ってもしつこすぎないか?
そう思いつつ、俺は全てYESを選んで順調に超越剣を外す結論へ近付いていった。
そしてその後も目の前でなにやらずっと続いているろーくんとふぃーちゃんの言い争いをBGMにしてYESを選び……
【これが最後です。外しますか?⇒YES/NO】
【超越剣を外しました】
とうとう、超越剣は俺のスキルスロットから外れ、数値がリセットされた。
999.9というギリギリの数値が0に代わる瞬間を、俺は今か今かと……
【隠しコマンドが入力されました】
「…………」ガシッグシャグシャポイッ
……リテイクだ。
999.9が0になる瞬間を俺は今か今かと……
【隠しコマンドが入力されました】
「しつけぇ!んなもん要らねぇから!おーの出番ねーから!」
「一体どうした店長、今日は普段よりキチってるな。そんなやつにエフ子たんは任せられ……なんでもないです」
「どうしたのさマスター、今私達は壁を乗り越えて犬耳ロリ萌えという中立地帯を……あっなんでもないです」
【隠しコマンドS-666『熟練度999以上の超越剣を外し、リセット』の入力により、超越剣所持者専用クエスト:封印を超える者を開始しますか?YES/はい】
なんだこいつは。
妙に禍々しいフォントで描かれたクエスト名をタッチし、俺はひとまず発生したクエストの内容を確認することにした。
えー、なになに?『このクエストは、制作者からの挑戦状である』?
なるほどなるほど、かやひこからの悪意ある贈り物ですか。ふぁっく。
俺はかやひこへ深い理由もなく悪意を向けながら、クエストの詳細を読み進める。
『依頼人:茅場昭彦』
『クエスト詳細:アインクラッドには、アルファテスト以前には存在したものの実装されなかった機能や武器、スキルが存在し、その記録とデータは残っている。しかしそのデータは現在とあるモンスターによって吸収されており、ゲームマスターである私にも回収することはできなかった。超越剣の最終スキルもその1つだ。ゆえに私は託そう、SAO最強のスキルである超越剣を手にしたプレイヤーに、封印された全てを』
『クリア条件:封印の守護者12体の討伐』
『クリア報酬:未実装装備、アイテム、スキルの入手及び未実装システムの実装』
『特殊条件:自殺以外での死亡時、初期地点で復活してリスタート』
【クエストを、開始しますか?YES/はい】
な、る、ほ、ど。
よく理解したぜ。これはかやひこが封印したスキルたちを解放するためのクエストなんだな。
クエストをクリアすれば超越剣の最終スキルが手に入るんだな。
よーく、分かったよ。
俺はクイックチェンジから持ち手だけの剣を取り出すと、何もない空間に鞘があるかのようなイメージで手を当て、剣を引き抜いてウィンドウに斬りかかる。
「……あばよ涙ァァァァァァァァァ!」ベシィィィィッッッ!
「「違う、それじゃない!よく似てるけどそれじゃない!」」
「……?」
名刀、レーザー“竹刀”。とある宇宙探偵が愛用する装備だ。
攻撃力は低いが破壊不能オブジェクトにも何故かめり込むので、建造物の破壊にはわりと向いている。
今回はそれをウィンドウの切断に使ったというわけさ。
「フッ……またつまらぬものを斬ってしまった……(キリッ」
【き、貴様……よくも……だが、たとえ私が死んでもお前だけは……お前だけは……】
そして、無意味に格好よくレーザー竹刀を腰の左側に当てて鞘にしまうかのようにして刃を消す。
この動作に、意味は、ない。
そして、俺がなんの意味もなく格好つけの為だけに長い動作を挟んでレーザー竹刀をしまった後に先ほどまでウィンドウがあった場所に目を向けると……
【ハッハッハッハッハァ……今貴様が斬ったのは我々の中で最弱のウィンドウ!ここからが本番だぁ!私の権限をもって、クエストを強制スタートするゥ!】
……ウザさが増した気がするウィンドウが、残酷にクエストの開始を宣告していた。
次回ィィィィィ!
SAO・超越編、最終回!
……嘘だッ!(言いたいだけ)
さらなるカオスとネタの嵐が隊長を待ち受ける!
十二体の強敵を倒した先で隊長は何と出会うのか!?
そもそも辿り付けるのか!?
……なんてことはなく、ただの導入編になる予定なので気楽にお待ちくださいな。