仮面ライダー鎧武 新章 〜幻獣の樹海〜   作:ダイタイ丸(改)

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どうもお久しぶりですダイタイ丸(改)です!
前回に続いてお待たせしてしまい申し訳ありません!
今度はテストがありましてパソコンを親に不正解だった時のひとしくん人形のごとくボッシュートされまして。
しかも急いで書いたからちょっと不安…(汗)



第7話 昇来!新ライダーは超新星!

前回までのあらすじ

 

 

貴虎と特訓を始めた十馬だったが、貴虎との実力の差を改めて認識することになった。

そして久々にチームの皆で行ったステージにおいて世界的プロダンサー、星崎昴と出会う。

だが、突如出現したインベスの群れを一掃した十馬に昴はヨルムンガルドについて聞かれる。

そして、その場に到着した貴虎と三人で大きなビジネス街にあるビルに向かいそこで昴の父、星崎慧と会う。

とまどう十馬に星崎は言う。

 

「さて、少し話をしよう・・・この戦いの始まりの話をね。」

 

ーーーーー

 

 

「始まり・・・?一体何を・・・ってかアンタ、ヨルムンガルドの創設者って言ったか!?つか、昴さんの父親!?」

「始まりとは、君も聞いているであろうヘルヘイム事象とそれにおける対応についてだ。」

と驚く俺・・・十馬を尻目に目の前の初老の男性・・・星崎が続ける。

「おっと、その前に改めて自己紹介をしよう。私は星崎慧、物理学者で平行世界の研究をしている。そしてそこにいる青年が私の秘書を勤めている鷹村宗光君だ。」

「はじめまして龍崎十馬くんに昴さん。私は鷹村宗光と言います。よろしくどうぞ。」

と入り口の近くで待機していた青年・・・宗光が挨拶する。

そして話を戻そう、と星崎が言い

「ヘルヘイムの森・・・それはこの世界とは違う次元の世界からの侵略、というより侵食だった。パラレルワールドという言葉を聞いた事があるだろう?ヘルヘイム事象は本来なら重ならない世界同士が重なった結果だったという訳だ。」

と説明する。

「パラレルワールド・・・平行世界からの侵食だったのか。」

と改めて納得する俺。

「ああ、そしてその折に呉島天樹氏がバックアップを受け調査を開始、その後戦極凌馬にロックシードや戦極ドライバーを作らせ、それを利用した人類削減計画、プロジェクトアークを進めたんだ。とはいえ戦極ドライバーによる計画に至るまでには幾つかの代案もあったらしい。身体に手術を施し、人をヘルヘイムに適応させる案などだ・・・まぁ、コストの面で不採用になったりしたものが大半と聞くが。」

と星崎が話す。

「そんな事があったんだな・・・」

と言う俺。

「それより私は君に興味があるんだ、龍崎君。君の持つ適性能力とニヴルヘイムの毒素への抗体についてね。」

「またそれか・・・言っとくけど、両方心当たりないぜ。俺も正直驚いてるしな。」

と星崎の質問にぶっきらぼうに答える俺。

「まぁ、それならいい。今度、検査を受けてもらえばいいからな。」

「・・・なぁ、父さん。」

と今まで黙っていた昴が唐突に切り出す。

「・・・何だ?そういえば久しぶりだな、昴。体の方は大丈夫か?」

「ごまかすなよ。何で僕を呼んだんだ?」

と気遣う星崎に苛立ちを隠さず昴が聞く。

「お前を呼んだのは、この戦いに参加して欲しいからだ。お前の身体能力はかなりの物だから、経験を積めばすぐに・・・」

 

「ふざけんなっ!!」

と昴が叫ぶ。

「ふざけんなよ・・・今まで放っといたくせして、こういうときだけ父親ヅラすんなよ!だいたいあんな化け物と戦うなんて出来るわけないだろ!!僕にだってもう仕事があるんだ・・・いまさらどの面下げて言ってんだよ!」

とまくしたてる昴に

「・・・そうだな。それでも、お前の力が必要なんだ。・・・協力してくれ、頼む。」

と懇願する星崎。

「たしかに、私は父親失格だ・・・優子の時もそうだった・・・許してくれとは言わない。ただ、世界のために力を貸してくれ。」

と一言ずつ、絞り出すように星崎が言う。

「ああ・・・あんたを僕は一生許さない・・・そして僕はあんたの道具じゃない・・・もう話すことなんかないよ。」

と言って昴が部屋を出て行く。

「昴さん!・・・失礼します、博士。彼は私が。」

とその後を宗光が追う。

 

「すまない、見苦しい所を見せてしまったな・・・。」

と星崎が言う。

「あの・・・大丈夫なんすか?」

「今、私が何を言っても聞かないだろうしな。・・・こうなる事は予想していたがね。」

と少し寂しげに星崎が返す。

「龍崎君、あとで昴にこれを渡してくれないか?・・・突き返されるかも知れないが。」

とデスクの引き出しから戦極ドライバーとロックシードを取り出す。

「水池君が新しく開発したスターフルーツロックシードと戦極ドライバーだ・・・頼んでもいいかな?」

とアタッシュケースにベルトとロックシードを入れて俺に差し出す。

「ああ、いいけど・・・。」

とそれを受け取る俺。

 

そのとき

 

俺と貴虎のスマホからブザーが鳴る。

 

「っ!!クラックか!?」

「ああ、オーバーロードが確認されたそうだ!博士、我々はこれで失礼します。行くぞ、十馬!」

と一礼し部屋を飛び出す。

 

そのころ・・・

 

部屋を飛び出した昴はビルの廊下を足早に歩いていた。

「昴さん!!」

と声をかけられ、歩みを止めて振り返る。

するとそこにはさきほどの青年・・・宗光の姿があった。

自分で来ず別の人間をよこすとはあの男らしい、と思いながら「何?」と不機嫌を隠さず言う。

「・・・僕、忙しいんだけど。何かあいつに言われた?悪いけど帰って、あいつにはもう二度と会わない。」

「いえ、私は博士に言われて来たのではありません。」

と昴の視線を正面から受け止め、宗光が言う。

「・・・私は、お二人のぎくしゃくした関係の事もある程度知っています・・・けれど、先ほどのは言いすぎでしょう。」

「へぇ?じゃあ、あんたはもし自分が同じ立場だったらどうする?”母親を見捨てて自分の意向を押し付ける父親”がいたらさ?」

と切り込むように言う。

「それは・・・」

「ほら、答えられないっしょ。どうせあんたもそんなんなんだよ・・・自分の意志を人に押し付け、自分が正しいと信じて疑わない。どうせあんたもそういう人種なんだよ・・・ほっといてくれ。」

と言い捨てて踵を返そうとしたその時、

 

宗光のポケットからブザーが鳴り響いた。

 

「っ!昴さん!沢芽市にクラックが出現しました!」

と何かを期待するようにこちらを見る宗光。

「別に、僕にはもう関係ないし・・・十馬くんがいるから大丈夫でしょ。」

とその視線から逃れるように顔を背ける。

「今回は違います!オーバーロードという上位個体が出現しているようです!一人でも多く戦力が必要です!」

と必死に宗光が叫ぶ。

「僕は戦力になんかならない。頼むから放っといて・・・」

「罪も無い命が失われるのを、黙って見てるつもりですか!?ふざけているのはあなただ!昴さん!」

と逃げようとする昴に宗光が言う。

「あなたは父親から逃げているだけだ!あなたの気持ちも分からなくは無い、けれどそれに甘えていてはいつまでも子供のままです!」

と糾弾するように言う。

昴は・・・言い返す事ができない。

「さぁ、選びなさい。現実から逃げて負けたままでいるか、一人で立ち向かうか!」

と最後に言い残し去っていく、そんな宗光の背中を見ながら

「逃げてる?・・・僕が?・・・ふざけんなよ。」

とつぶやき、昴は廊下を走り出した。

 

 

その約30分前の沢芽市にて・・・

 

 

紘太と舞、そして”チーム”ビートライダーズのメンバーはシャルモン1号店にて歓談していた。

 

「へぇ〜つまり、元祖ビートライダーズの人数が減っちゃったからまとめてチームにしちゃったんだ。」

「ああ、やっぱり何人かは将来とかもあってさ・・・レイドワイルドのデブなんか国家試験うけるんだと。」

と舞とザックが話す隣で、

「神様ってことは色々できるんですか!?未来予知とか、念動力とか!?」

「すげぇ!なにそれなんてス◯ック!?」

「いや、今は力とられてるし、まぁ浮くくらいはできたけど。」

と元鎧武のメンバーと紘太が話してたりする。

 

すると店の奥から城乃内と凰蓮がケーキを持って出てくる

 

「さぁ”水瓶座の坊や達の帰還を祝う会”、始めるわよ!」

「どうだ!俺と凰蓮さんで作ったオレンジ&アップルケーキだ!!」

と真ん中の大きめのテーブルにケーキを置く。

「おお!うまそう!」

と紘太。

「よし、皆クラッカーの準備はいいか?いくぞ、3、2、1・・・」

とザックが音頭をとりクラッカーを鳴らそうとしたとき、

 

盛大な破壊音と共に衝撃波が店の窓を割り、そのままテーブルや椅子を吹き飛ばす!

 

「うわぁ!?」

とその勢いで床に叩き付けられる皆。

「何だこれ!?・・・この感じはクラック!?行くぞ、ザック、オッサン、城乃内!」

「おう!!」

と返事をする三人。

「気をつけてね、紘太!」

と言う舞に目配せし、紘太は店を飛び出した。

 

店を出ると、あちこちが破壊されているのが分かる。

そしてそんな廃墟の中心部にレザージャケットを着た大柄な男が立っていた。

 

「あいつ・・・まさかオーバーロード!?」

と紘太が言う。

すると

「・・・ん?おお!始まりの男じゃねぇか!俺はテーバイってんだ、このかっこの時は凶牙って名乗ってるがな。」

と男・・・凶牙が言う。

「テーバイ・・・この間の奴とは違うな。」

「油断しないことよ、強いのは同じなはずだから。」

とザックと凰蓮が言う。

「そんなことよりよ・・・戦おうぜ!龍崎十馬が来るまで暇だし、そろそろ無機物を壊すのにも飽きたんでねっ!!」

と言うなり龍を思わせる怪人態になり、拳を突き出し拳圧を放ってくる。

「くっ!行くぞ皆!」

と紘太が合図し

 

「「「変身!!」」」

 

『オレンジアームズ!花道!オンステージ!』

『クルミアームズ!ミスターナックルマン!』

『ドリアンアームズ!ミスターデンジャラス!』

『ドングリアームズ!ネバーギブアップ!』

 

とそれぞれアーマードライダーに変身する。

 

「いくぜ!」

とまず鎧武が大橙丸で斬撃をあびせ、そこにブラーボがおいうちをかける。

「まだまだぁ!」

と後ろに回り込んでいたグリドンとナックルでさらに攻撃を加える。

「・・・?なぜ、なにもしない?」

といぶかしむ紘太をよそに他の三人はそれぞれ必殺技をあびせる。

 

『クルミオーレ!』

『ドリアンスカッシュ!』

『ドングリスカッシュ!』

 

「「「てやぁぁ!!」」」

とテーバイに向かってエネルギーが放たれ、爆発する!

 

「やったか!?」

とザックが言う。

「ククク・・・いいねぇ、久しぶりだぜこの感じ。」

と煙の中から無傷のテーバイが現れる。

「な!無傷だと!?」

「そんな!俺達の全力をぶつけたのに!」

と驚愕するザック達に

「ただ、お前等じゃつまんねぇ・・・さっさと消えな!」

と衝撃波を放つ。

 

「っ!坊や、危ない!!」

「うわぁ!」

とブラーボがグリドンを庇うも二人とも吹き飛ばされてしまう。

 

「オッサン!城乃内!くそっ!」

と毒づき、ナックルがテーバイに向かっていく。

「ザック!よせ!」

「うおおお!!」

と鎧武が止めるもナックルは聞く耳を持たない。

「うぜぇんだよ・・・消えろや!」

とテーバイがナックルにエネルギーを込めた拳を叩き込む。

「うわぁぁ!」

とナックルが吹き飛び、変身解除してしまう。

 

「くそっ!もっと力が・・・仲間を守れる力があれば!」

と鎧武が叫んだ瞬間、その手にロックシードとゲネシスコアが現れる。

「っ!これは、これがあれば!」

とベルトにコアをセットし、ロックシードを解錠する。

 

『レモンエナジー!』

『ROCK ON!』

『ミックス!ジンバーレモン!ハハー!』

 

そして強化形態、ジンバーレモンアームズに変身した鎧武はソニックアローで遠距離から攻撃をする。

さらに、その隙に相手と距離をつめ斬撃を見舞う。

 

そんな鎧武を見ながら

「くそっ!紘太はあんなに頑張ってるのに・・・何で俺は立てないんだ!」

とがれきの上に倒れ伏しながら悔しげにザックが呟く。

「こんなんじゃ、戒斗に会わせる顔がねぇ・・・ちくしょう!」

と傷が痛むのにも構わず地面を殴りつける。

 

ーーーーー

 

 

そんなザックをかつては高い建築物だったであろう廃墟の上から見ている人物がいた。

「彼は確か・・・駆紋戒斗の・・・。」

白地に金の装飾が入った貫頭衣のような外套を着た、白髪の少年だ。

廃墟の上に立っているからか、彼からは神々しい・・・まるで、世界の終末に立ち会う神のようなオーラが発せられていた。

「彼にも、祝福を与えるべきかな?・・・でも少し不公平かも。・・・まぁいいか。」

そう言って彼はおもむろに姿を消した。

 

 

ーーーーー

 

 

そのころ、貴虎の車で沢芽市に着いた俺達は皆のドライバーの反応がある場所へと向かっていた。

 

「ひどいありさまだな・・・。」

とがれきを見ながら呟く。

まるで大怪獣が現れて、きままに破壊し尽くしたようなありさまだった。

「っ!いたぞ!あそこだ!」

と貴虎が向こうの開けたエリアを指して言う。

 

そこには倒れふすザックや凰蓮達と三年前にも一度見た形態に変身して龍を思わせる銅色のオーバーロードと戦う鎧武の姿があった。

 

「ザック!大丈夫か!?」

「凰蓮!城乃内!しっかりしろ!」

と三人に駆け寄る俺達。

「・・・十馬、すまねぇ・・・紘太を助けてやってくれ・・・。」

とザックが言う。

凰蓮達は気を失っているようだ。

 

すると鎧武と戦っていたオーバーロードが声をかけてくる。

「よぉ、龍崎十馬!待ちくたびれたぜぇ!・・・お前はもう邪魔だなぁ、コイツ等の相手でもしてな!」

と言うと同時、頭上にクラックが開き五体のリザードマンインベスが現れる。

さらに奴がオーラを発し、鎧武を吹き飛ばした後、インベスにオーラを分け与える。

するとリザードマンインベス達の身体が光り、強化形態へと姿を変える。

「コイツ等は俺の兵士、スパルトイインベスだ!やっちまいな!」

と奴が命令すると同時、五体のスパルトイインベスが鎧武に襲いかかる。

 

「くっ!数が多いな・・・。」

と苦戦する鎧武。

それを見た貴虎が

「十馬、私は葛葉に加勢して連中をかたしてくる。お前はその間、奴の足止めをしてくれ。」

と俺に言う。

「了解!いくぜ!」

 

「「変身!」」

『レモンエナジーアームズ!』

『メロンエナジーアームズ!』

 

とそれぞれデュークⅡと斬月・真になって敵に向かっていく。

 

「さぁて、始めようぜ!」

と奴が俺に拳を放ってくる。

それを紙一重でかわし、返す刀で斬撃を見舞う。

「そんなもんかよ!?本気で来ないと死ぬぜ!?」

とダメージを受けていない様子の奴が言う。

そして

「じゃあ、コイツを食らっても無事でいられるかな!?」

とエネルギーを拳に集め、パンチを俺の胴に見舞う!

 

「ぐぁぁ!!」

と吹き飛ばされ、変身解除する俺。

 

「十馬!」

と貴虎が叫ぶ。

 

端から見れば絶体絶命の状況に違いない。

そんな状態の中で俺は笑う。

「やっぱ強いなぁ・・・けど、こっからはそうはいかないぜ?・・・なぁ、そうだろ?」

といつのまにか隣に立っていた青年に俺は言った。

 

 

その場に到着した昴は考えていた。

何故、自分はここに来たのか。

別に父の言う通りにしようとした訳ではない。

戦うつもりも無い。

ただ・・・

「これ以上、逃げていると思われるのも嫌だから来ただけさ・・・戦うのはご免だね。」

と目の前に、ボロボロになって倒れている十馬に言う。

すると

「・・・なら、踊れよ。」

と十馬が言う。

「は?踊るってこんなときに?」

と返す。

「あんたがやりたいようにやればいい・・・自分の気持ちを表現し、自分の全力を出し切る・・・いつもと同じさ。」

「・・・」

「そういや、どっかの音楽家が言ってたぜ。生き物は皆、音楽を奏でているって。それを聞いて戦えばいい。」

と未だ迷っている様子の昴に語りかける。

そして

「さっさと決めろよ・・・意志の無い道具は嫌なんだろ?」

と背中を押す。

 

「ックク・・・ハハハハ!そうだな、頭に血が登り過ぎて忘れてたよ・・・僕は自分勝手なあの男みたいな奴が・・・自分のためになら何をしてもいいと思ってるような奴が大嫌いなんだよ!」

と吹っ切れた様子で昴が言う。

「十馬くん・・・いや、十馬!僕に力をくれ・・・あいつに一泡吹かせてやる。」

と瞳に確かな決意をみなぎらせ、十馬に手を差し出す。

「・・・おう、そこのアタッシュの中にドライバーとロックシードが入ってる。・・・あんたの親父さんからの贈り物さ。」

とそばに転がっていたアタッシュを指差す。

開けると中には戦極ドライバーと見た事の無いロックシードが入っていた。

それを昴が装着するとイニシャライズされ、フェイスプレートが浮かび上がる。

そして言う。

「これは父さんから与えられた力だ・・・でも、どう使うか決めるのは僕だ!僕はニヴルヘイムなんて知らない。でも、そのせいで誰かが傷つくのなら、この力を皆を守るために使う!」

 

「変身!」

 

『スターフルーツ!』

『ROCK ON!』

『スターフルーツアームズ!勝ち星・白星・大金星!』

 

次の瞬間、アームズを装着した昴は鎧を纏ったアーマードライダーに変化していた。

 

「さて、始めようか。僕のステージ。」

と昴の変身したライダーが奴に向かっていく。

「ほざけ!お前も壊してやるよ!」

と奴も向かっていく。

すると衝突する直前に昴がステップを踏み方向転換、すぐさまその勢いを利用し持っていたアームズウエポン、星ノ太刀で斬りつける。

「クッ!やるな!ならコレはどうだ!?」

とダメージを少しは受けた様子の奴が拳を握り、地面に叩き付ける。

すると衝撃が周囲の者全てを襲う。

「「「グギャァァァ!」」」

とスパルトイインベス達もダメージを受ける。

「っ!今だ、葛葉!行くぞ!」

「ああ!わかった!」

とそれぞれ必殺技を発動させる。

 

『メロンエナジースカッシュ!』

『オレンジオーレ!』

 

「ハァァァ!!」

「せいはぁー!!」

とエネルギーを刃に集め、周囲に斬撃を放つ。

 

「「「ギシャァァァ!!」」」

と断末魔の悲鳴をあげてスパルトイインベスが全て消滅する。

 

 

「さぁ、こっちもラストダンスといこう。」

とベルトを操作し、必殺技を発動させる。

 

『スターフルーツオーレ!』

 

そして太刀を四回振るう。

すると斬撃が重なり、北斗七星を描きだす。

そしてそれが奴に向かっていく!

 

「クッハハハ!!最高だ、俺もいくぜ!」

と心底楽しそうに奴が笑い、渾身の一撃をくりだす!

 

エネルギーがぶつかり合い、大爆発をおこす。

 

「くっ!!」

と爆風のダメージを受けつつも昴は立っていた。

 

しかし、その時異変に皆が気づく。

奴・・・テーバイのいた場所にバリアが張られており、もう一つオーバーロードと思われる人影があったのだ。

 

「何者だ、貴様!!」

と貴虎が問う。

「私の名ですか・・・今はファフニールとだけ名乗っておきましょう。それでは今日はこれにておいとまさせて頂きますよ。」

と青年・・・ファフニールが言うと同時、クラックが開き二人が中へと消える。

そしてその際、テーバイが

「龍崎十馬に昴だったか・・・また会おうぜ。」

と言い捨てて行った。

 

 

そして二人のオーバーロードが去った後、十馬やザック達を治療するため全員でヨルムンガルドの本部へ向かい動ける者は司令室に集まった。

 

「凄かったぜ、君の戦い。」

と紘太が昴に手を差し出す。

「いや、神様にそう言われると恐縮だなぁ。」

と笑いながら手を握り返す。

そして葵が

「あのロックシードは強化版A+ランクロックシードの試作品だったんだけどうまくいって何よりだよ。そういえば君の変身したライダーの名前だけど、決めてるのかい?」

と聞く。

 

「ああ、僕が変身するライダーは北斗・・・アーマードライダー北斗だ!」

と昴が答える。

 

「北斗か・・・天の龍、いい名じゃないか。」

と貴虎が言う。

「でしょ・・・で、さっきも言ったけど僕はニヴルヘイムがどうとかそういうのは分かんない。けど人のために戦う、これが僕の信念だから。」

と昴が言う。

「ああ、よろしくな。昴。」

と紘太が言う。

 

こうして、星崎昴はアーマードライダー北斗となった。

 

 

ーーーーー

 

 

そのころ・・・

 

ニヴルヘイムの遺跡では二つの人影が話していた。

テーバイとファフニールである。

「ファフニール、今回は仕方ないが次勝手に送り返したらぶっ殺すぞ。」

とテーバイが言う。

「そうですね・・・しかし、テーバイ。君は龍崎十馬ともう一度戦いたくはありませんか?」

とファフニールが聞く。

「ああ?・・・当たり前だろうが!奴をぶっ殺したいぜ!」

「なら、今はシュバリヤに従いましょう・・・何、すぐにまた戦えますよ。」

とファフニールはほくそ笑んだ。

 

そのやりとりが行われる場所から少し離れた場所。

地面にはいくつか花が咲き、美しい景色を作っている。

そんな場所に”彼女”はいた。

花を見るでも無く、空を見るでも無い。

ただひたすら、膝をかかえ下を向いていた。

不意に”彼女”が口を開く。

 

「だれか・・・たすけてよ・・・十馬ぁ・・・」

 

だがその声も風にかき消されていく。

 

少女の運命もまた、大きく変転しようとしていた・・・

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




はい!というわけで第7話いかがでした?
北斗七星っていうとセプテントリオンが自分は真っ先に出てきます。
メグレズ戦キツかった……いや、メラク以降大体キツかったや。
分からない人はデビルサバイバー2やりましょう。
面白いぞ。

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