仮面ライダー鎧武 新章 〜幻獣の樹海〜   作:ダイタイ丸(改)

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どうもこんにちは!ダイタイ丸(改)です。
新ライダー(?)や謎の敵も登場するかも?な第2話です。


第2話 新たな侵略、そして再会

前回までのあらすじ

 

謎の惑星で平和に暮らす紘太たちの前に自らを『龍の王』と呼ぶ新たなオーバーロード、シュバリヤが現れる。

紘太はこの星を、ひいては地球をも侵略しようとするシュバリヤと戦うも極とカチドキ、二つのロックシードを奪われ、始まりの男としての力を失ってしまう。

隙をついて舞が開けたクラックにより紘太は三たび、地球に戻ることとなる・・・。

 

メガへクスとの戦いから一年、沢芽市はプロのダンサーを目指す若者のフロンティアとなりいくつものチームがダンスの腕を競っていた。そんな中チーム『ドラゴンロンド』のリーダー、龍崎十馬は見覚えのある果実を発見する。そして始まった新たな植物による侵略。斬月と龍玄が現れた無数のインベスと戦う中、十馬は今度こそ自分の力で仲間を、そしてあのときの”彼女”を守ることを決意する。そして量産型の戦極ドライバーとマツボックリロックシードを使った十馬は黒影トルーパーに変身し、インベスの群れを一掃。仲間を守ることができた。そんな十馬に斬月、龍玄の正体だった呉島貴虎、光実の二人が現れ、貴虎が言う。

 

「私達に力を貸してくれ。」

 

ーーーーー

 

 

「俺の・・・力を?」

と俺・・・十馬が言う。

「そう、君の力だ。」

と目の前の青年、貴虎が言う。

「あ、ああ、このベルトとロックシードか。だったら悪いけど渡せないよ。」

と俺が言うと

「いや、そうではない。君が必要なんだ。龍崎十馬。」

と貴虎が返す。

「お、俺?!いやでも俺別にそんなたいした奴じゃねえぞ?!さっきのもこのベルトの力だし・・・。」

と俺が慌てて言うと

「いや、本来そのベルトなら使用者がよほど鍛錬を積んでいない限りあんな性能は発揮できない。そもそもランクCのマツボックリではあそこまでのエネルギーを出せないはずだ。」

と貴虎が説明してくる。

「じゃあ、何でさっきはあんなに戦えたんだよ?!つーかそもそもアンタ等何者だ?!」

と俺が疑問をぶつける。

すると

「私達の事か・・・話してもいいが、それならついてきてもらいたい。」

と貴虎が言う。

「どこへ?!」

と俺が聞くと

「私達の本部へだ。」

と貴虎が平然と言う。

「ほんぶぅ?!」

と驚いて俺が言う。

「ああ、どうだろう。君は詳しい話を聞けるし私達も君とゆっくり話したい。悪い提案ではないと思うが。」

と貴虎が詰め寄る。

すると

「だめだよ兄さん。ちょっと強引すぎない?」

と今まで黙っていた少年・・・光実が言う。

「む・・・そうだな。すまない少々強引だったようだ。だが私達には君が必要だ。新たな侵略からこの世界を守るために。」

と貴虎が言う。

「アンタ等、あの植物が何か知ってんのか?」

と俺。

「ああ。少なくとも現時点では世界のどの組織よりもな。」

と貴虎。

俺は迷った。

この二人は俺を実験台か何かにしようとしているんじゃないか?

貴虎は俺が先ほどの戦いで発揮した力をありえないと言っていた。

だから俺を調べたいんじゃないか?

そんなことを考える。

「十馬?」

イリスが心配そうにこちらを見てくる。

そんな彼女を見て俺はあることを思い出した。

そして決断した。

 

「わかった。俺はあの植物についてもっと知る必要がある。だからアンタ等と話したい。その本部とやらに連れて行ってもらおうか。」

と貴虎の目を正面から見据えて俺は答えた。

 

「・・・!いいのか?」

と貴虎が意外そうに言う。

「と、十馬?!」

とイリスが驚いたように言う。

「ああ、アンタ等についてはまだまだ怪しいし何かに巻き込まれる可能性もある。けど俺はアンタ等を信じたい。」

と俺は続ける。

「何故、信じてくれるんですか?」

と光実が言う。

その問いに対して

「少なくともアンタ等はさっき、打算抜きで俺の仲間を・・・イリスを助けてくれた。そんな人たちを疑いたくはねぇよ。」

と俺は答えた。

 

「・・・!そ、そうでしたね。」

とイリス。

「てなわけだ。案内してくれるな?」

と俺が聞く。

「わかった・・・その前に一つ言わせてくれ。」

と貴虎が言う。

「何だ?」

と俺が尋ねると

「我々を信じてくれて・・・ありがとう。」

と笑いながら貴虎が言う。

「ヘッ、いいって。お互い様さ。」

と俺も笑い返す。

「フッ、そうだな。よし行こうか。」

と貴虎が案内しようとする。

すると

「あ、あの!」

とイリスが言う。

「何だよ?イリス?」

と俺。

「あの・・・私も連れて行ってもらえませんか?」

と彼女が言う。

だが

「すまない。ベルトを所持している彼ならまだしもただの一般人を巻き込むわけにはいかないんだ。」

と貴虎が言う。

「そ、そうですよね・・・すみません。わがまま言って。」

とイリスがすこし残念そうに言う。

「俺なら大丈夫だ。お前はチームの皆を頼む。」

と俺が言う。

「そうですね・・・わかりました!チームはまかせてください!」

とイリスが言う。

「おう!あと俺の分のカルボナーラ残しとけよ!」

と俺が笑顔で言う。

「はい!じゃあ後で!」

とイリスが走り去っていく。

 

「いい仲間だな。」

と貴虎。

「おう!それより早いとこ案内してくれ。日が暮れちまう。」

と少し照れくさくなって俺はせかすように言う。

「ああ、ついてこい。」

と貴虎が歩き出す。

俺と呉島兄弟はそっとその場を立ち去った。

 

 

ーーーーー

 

 

そのころ・・・

 

湾岸の倉庫が立ち並ぶ場所に二つの人影があった。

「はぁ、はぁ・・・大丈夫か舞?」

と青年・・・葛葉紘太が言う。

「うん。紘太こそ大丈夫?」

と紘太の横に座る少女・・・高司舞が言う。

「ああ。あの時は急激に力を奪われたせいで体が慣れなかっただけだ。」

と紘太。

「でも奴は地球も侵略すると言っていた・・・早いとこ貴虎やミッチと会わなきゃな。」

「うん。とりあえず行こう?」

と二人は歩き始めた。

 

 

ーーーーー

 

 

そんな二人を上から見ている者がいた。

「ふむ。始まりの男というから期待したが今はたいしたことなさそうだな。」

とその何者かが言う。

「なら俺が出るまでもないか。」

と言うと同時、謎の人物の横に次元の裂け目、クラックが出現し、中から鬼のような角を生やしたオニインベスが出てきた。

 

「グルル・・・」

「これをやる・・・さっさと片付けろ。」

と謎の人物が毒々しい果実をオニインベスに与える。

「グッ、グオーン!」

とその果実を食べたオニインベスが叫び、強化態であるシュテンインベスになった。

「フフフ、さぁてどうする?元始まりの男さんよ。」

その人物はそう言うと姿を消した・・・

 

 

ーーーーー

 

 

そのころ

 

「な!なんじゃこりゃぁぁ!!」

と俺、十馬はジーパン刑事並の絶叫をあげた。

なぜなら、目の前に巨大なディスプレイ。

そして横には色んな訳分からん(けど見た目はどことなくカッコイイ)装置が目白押しという

まるでアニメの秘密組織みたいなところだったからだ。

「え!何!本部ってこんなカッケぇの?!早く言ってくれよ!これ知ってたら迷わず来たわ!」

と俺が興奮気味に言う。

「落ち着け。頼むから落ち着いてくれ!」

と貴虎。

「落ち着けるかぁ!こんなん男のロマンじゃん!夢じゃん!なんでもっと早く来なかったんだよ俺!」

と、まだ収まる気配の無い俺。

 

すると

「てりゃっ!」

「おごっ!」

後ろから飛んできた本が俺の頭にクリーンヒットし俺は頭を抱えた。

「いってぇぇ!!何しやがんだぁ!・・・って、あれ?誰?」

目の前にいたのは少年だった。

髪は寝癖だらけで目も眠そうな垂れ目、そして手には追撃用と思われる分厚い技術書を持っていた。

「やっと落ち着いたかい?じゃ、とりま座って。」

と少年が椅子を勧める。

「お、おう・・・。」

と俺は勧められた椅子に座る。

「それじゃ自己紹介からかな?初めまして、龍崎十馬。僕はこの対ニヴルヘイム組織『ヨルムンガルド』の科学者、水池葵だ。葵って呼んでくれてかまわないよ。」

と少年・・・葵が言う。

「『ヨルムンガルド』?なんだそれ?」

と疑問をそのまま口にする俺。

「それはこれを見てから説明するよ。」

と葵が手元のコンソールを操作する。

するとディスプレイいっぱいに先ほどの植物の画像とデータが表示されその横には不思議な森のような写真があった。

「こ、これは・・・!」

「そう。これが君の見た植物、ニヴルヘイムの果実とそれのなる『ニヴルヘイムの樹海』だ。」

と葵が説明する。

「『ニヴルヘイムの樹海』・・・!」

と俺が呟く。

「君は三年前にも同じような事があったのを覚えているかい?」

「ああ。忘れたくても忘れられねぇよ。」

「あれはヘルヘイムの森という異次元の世界からの侵略だった。今回のこれも同じような物さ。ただし・・・」

「ただし?」

と俺が続きを促す。

「このニヴルヘイムの植物はヘルヘイムのものより遥かに速いスピードで増殖する。とはいえそれ以外は何も分かっていないけどね。だからこの事態に対抗するため作られたのが・・・」

「ヨルムンガルドってことか。」

と得心がいった俺が言う。

「正解。そこの二人もヘルヘイムの事件の関係者だから集められたんだ。それじゃあ大体の説明も終わったし次は君についての話をしよう。」

と葵が話題を変えてくる。

「俺の?」

と目をパチパチさせる俺。

「そう、君の持つ『適性能力』についてだ。」

と葵が続けるも

「てきせーのーりょく?」

といまいち理解できない俺は首をかしげる。

「うん。君は黒影トルーパーに変身しインベスと戦った。だがその際の戦闘能力が基準値を大幅に上回っていたんだ。」

と葵が説明する。

「ああ、それならさっきも貴虎に言われたぜ。」

と俺が答える。

「おそらく君にはロックシードの力を120%以上引き出す能力がある。まぁそれがロックシードに限った話なのかはまだ分からないけどね。というわけでちょっと君のベルトと錠前を見せてくれるかい?仮説の参考にしたいんだ。」

と葵が俺に尋ねる。

「ああ、いいけど。ちゃんと返してくれよ。ほれ。」

とベルトとロックシードを渡すと葵はそれをスキャナー(さっきのかっちょいい装置の一つ)の上に置き、スキャンをし始めた。

「一つ聞くけどこれはいつ手に入れたんだい?」

と作業しながら葵が聞いてくる。

「ああ、これは去年の宇宙人の時に落ちてたのを拾ったんだ。ロックシードは三年前な。落ちてたのを拾った。」

と俺は正直に答える。

「ふーん・・・内部構造は変わらない、と。ロックシードは・・・ん?これは・・・」

とブツブツ言って俺の方にロックシードを向けてきた。

「この傷、戦闘時に付いたものかい?」

見ると真ん中に大きな傷ができ内部機関も露出していた。

「あれ?いつの間に。戦ってた時はこんなのなかったぜ?」

と俺が答える。

「ふむ、となるとまさかのオーバーヒート?もしそうだとすれば・・・」

と言うなり俺に向き合う。

「ナ、ナンデスカ?」

「単刀直入に聞く。君はこの先も僕らと協力してニヴルヘイムに対抗する気はあるかい?」

と真剣この上ない顔で俺に問う。

「へ・・・?」

とキョトンとする俺に

「質問に答えてくれ。どうなんだい?」

と葵がさらに聞いてくる。

「俺の答えはきまってる。・・・協力するよ、アンタ等に。俺も守りたいものがあるからな。」

と俺は葵の目を見据えて答えた。

「そうか・・・なら、”デューク”を彼に・・・」

と葵がデスクから何かを取り出そうとした時

「待て。葵。」

と貴虎が葵を止めた。

「何故?」

と葵が尋ねる

「まだ彼に”アレ”を預けるのは危険だ。もしものことがあったらどうする。」

と貴虎が言う。

「いや、でも・・・」

と葵も食い下がるが

「今日は彼と話をするだけのはずだ。彼の意思は嬉しいが、少なくともまだ、リスクを冒させる訳にはいくまい。」

と貴虎が言う。

「そうだね・・・じゃ、今日はここまでだ。帰ってかまわない。」

と少し残念そうに葵が言う。

「お、おう・・・じゃあまた明日来るよ。続きはその時にな。」

そう言って俺は貴虎と共に本部をあとにした。

 

廊下を歩きながら貴虎が俺に話しかける。

「すまなかったな。君に決断を迫ってしまって。」

「いいって。もう腹は決まってたし。」

と俺が答える。

「そうか・・・ああそうだ。あとこれを。」

そういって貴虎が一台のスマホを渡してくる。

「これは?」

「我々との連絡用だ。基地局が壊れても衛星を使えるようになっている。何かあればこの端末に連絡する。」

「おう。あんがとな。じゃ、また。」

と出口まで来た所で貴虎に言う。

「ああ、彼女にもよろしくな。」

そう言って俺達は別れた。

 

 

 

一方、本部では

 

「はあ、彼にこれを使って貰いたかったけどなあ。」

と葵が残念そうに言う。

彼のデスクの上には一台のベルト、ゲネシスドライバーとレモンエナジーロックシードが置かれていた。

「戦極凌馬の最高傑作か・・・。」

と呟く葵に

「彼ならきっと使えますよ。」

と光実が言う。

「そうだね。でも、まあ貴虎の気持ちも分かるけどね・・・。」

と葵が呟く。

 

 

すると

 

急にブザーが鳴り、ディスプレイにある場所の位置情報が映される。

「これは!」

「ああ、その通り。クラックの反応だ。場所は・・・湾岸の倉庫エリア!」

「わかりました!兄さんと龍崎さんにもこのことを!」

そういって光実はデスクの上のベルトとロックシードを掴んだ。

 

 

ーーーーー

 

 

「はあ。疲れた。」

そう呟きながら俺はアパートに帰る道を歩く。

 

するとポケットのスマホが震えだした。

 

「ん?何だ・・・ってこれは!」

そこにはクラック出現の旨と場所が送られてきていた。

 

「湾岸の倉庫エリアか・・・クソっ!結構遠いな!」

車等があればまだしも走ってでは時間がかかるしインベスとの戦闘にも備えて体力も残さなければならない。

 

「クッ!どうしたら!」

そこに重厚なエンジン音が響く。

「ん?」

不思議に思い、音のした場所にいくと、

 

「うぉお!なんだコレ!」

そこには白の大型バイクが止まっていた。

しかも流線型でなんか未来っぽい。

「おお!カッケぇ!ん?」

シートにメモが貼付けられていた。

 

『君への贈り物。好きに使って。』

 

「おお!ラッキー!よし行くぜ!」

俺はヘルメットをし、グローブをはめてから全速力でバイクを走らせた。

 

 

ーーーーー

 

 

そんな彼を見ている者がいた。

「気に入ってくれたかな?頑張ってね。龍の力を受け継ぐ者。」

そう言ってその人物は姿を消した。

 

ーーーーー

 

 

そのころ倉庫エリアでは・・・

 

「まずは街の方に行こう。舞。」

そう紘太が言う。

「うん。」

と舞。

 

すると

 

「グゥオォーン!!」

という叫びと共に巨大な鉄棍が紘太達の前に突き刺さった!

 

「うわぁ!何だ!?」

「こっ、紘太!」

舞が指差した所には筋骨隆々の角を生やした怪物・・・シュテンインベスがいた。

「グゥオォーン!」

そう叫ぶと紘太達に向かって突進してくる。

「くっ!」

間一髪かわすも再びシュテンインベスが襲ってくる。

「あいつの追っ手か!うわっ!」

俺は弾き飛ばされフェンスにぶつかる。

「グハァッ!」

「紘太!」

舞が叫ぶ。

シュテンインベスは後ろを向くと舞に掴み掛かる。

そう、それはまるで舞を捕まえるかのように・・・

「やめろぉ!!」

 

次の瞬間!

 

「どぉりゃぁー!!」

と右からやってきた大型バイクがシュテンインベスにぶつかり、奴を弾き飛ばした!

 

「グオォーン!」

とシュテンインベスが吹き飛ばされる。

「き、君は?」

とバイクに乗っていた少年に聞く。

「ああ、俺は・・・って自己紹介してる場合じゃねえや!早く逃げて!」

とバイクの少年が言う。

「君はどうするんだ?!」

と俺が聞くと

「ああ、俺にはこいつがあるからな!」

と言って少年がバックから取り出す。

・・・大きめの筆箱を。

「へ?」

思わず声をあげる。

 

「ん?・・・やっべぇ!ドライバー忘れてた!」

と十馬は焦っていた。

どうやら本部に置き忘れていたようだ。

「しょうがねぇ!いくぞ!」

「グォーン!!」

俺はインベスに殴り掛かるが腕でもってなぎ払われてしまう。

「ぐはっ!やっぱ生身じゃキツいか?」

それでも今自分が引く訳にはいかない。

「貴虎たちが来るまで持ちこたえねぇと!」

「うおぉ!」

と再び奴に向かっていく。

 

目の前で何度倒されても立ち向かっていく少年。

その少年を前に紘太は言う。

「あいつ・・・俺たちを逃がすために・・・。こんなところであんないい奴を死なせる訳にはいかない!」

そう叫ぶと同時、紘太は手に異様な感覚を覚えた。

「っ!戦極ドライバーにロックシード!・・・やってやる!変身!」

 

『オレンジ!』

『ROCK ON!』

『オレンジアームズ!花道、オンステージ!』

 

次の瞬間、紘太の姿は橙色の鎧を纏った武者、アーマードライダー鎧武へと変わっていた。

 

「ここからは俺のステージだぁ!」

そう言ってインベスに鎧武が突っ込む。

 

「あのアーマードライダーは!」

俺は驚いた。

かつて見た、あの鎧武者のライダーが現れインベスと戦い始めたからだ。

 

「こんな時にっ・・・俺は何もできないのか?あのライダーにまた助けられるだけなのか?」

心が悔しさとやるせなさで一杯になる。

 

「龍崎さん!」

と今、俺が来た道から光実が走ってくる。

「光実!ちょうどいい!この人を頼む!向こうでアーマードライダーが戦ってるんだ!」

と光実に倒れている少女を預けながら言う。

「えっ!舞さん!?どうしたんです!?紘太さんは!?」

どうやら二人は知り合いらしい。

「ミッチ・・・私は大丈夫だから、紘太を・・・痛っ!」

「舞さん!怪我してるじゃないですか!」

「でもお願い!紘太は今、力をほとんど無くしてるの。このままじゃ!」

と少女、舞が懇願する。

「・・・分かりました。龍崎さん、舞さんを頼みます。」

と光実が向かおうとする。

「キシャア!」

「何っ!」

いつの間に現れたのか三体ほどのインベスが俺たちに襲いかかってきた!

「くっ!このままじゃ紘太さんも舞さんも・・・!そうだ!」

と何かを思いついたらしい光実は持っていたバックからベルトと錠前を取り出した。

そして

「龍崎さん!これを使ってください!」

とそれを投げる。

 

「これは?!」

それは戦極ドライバーと違い、赤を基調としたベルトと綺麗な半透明のパーツの目立つロックシードだった。

「それを使って紘太さんを助けてください!この場は僕に任せて!」

と光実が言う。

「紘太っていうのか・・・あのライダーに変身してる人は。・・・分かった!任せろ!」

そう言って鎧武とインベスの入っていった倉庫に入る。

 

十馬が倉庫に入っていくのを見届けると光実は目の前のインベス達に向き直った。

そして言う。

「舞さん、見ててください。強くなった僕を!今度こそあなたを守ります!変身!」

 

『ブドウ!』

『ROCK ON!』

『ブドウアームズ!龍・砲!ハッハッハッ!』

 

そう言って光実が変身したアーマードライダー龍玄とインベスとの戦いが始まった。

 

 

倉庫の中ではシュテンインベスと鎧武の攻防が繰り広げられていた。

 

「グゥオォォーン!!」

「ぐはぁ?!」

変身できたとはいえ鎧武は劣勢だった。

「くっ!せめてもう少し力があれば・・・!」

と紘太が重い体をどうにか操り言う。

「グオーン!!」

シュテンインベスの放った一撃に鎧武は変身解除してしまう。

「くっ・・・!もうだめなのか?!」

 

そのとき

 

「おらぁぁ!」

突然先ほどの少年が走ってきてそのまま見事な飛び蹴りをくらわせる。

「グォ?!」

不意を突かれたのか奴が姿勢を崩す。

「君は・・・何故?!そこまでするんだ?!」

紘太は問う。

「何故かって・・・?きまってんだろ!俺は三年前あんたに助けてもらった!今度は・・・俺の番だ!」

そう言って俺は先ほどのベルトを腰に巻く。

そして叫ぶ。

「変身!!」

 

『レモンエナジー!』

『ROCK ON!』

『レモンエナジーアームズ!ファイトパワー!ファイトパワー!ファイファイファイファイファファファファファイト!』

 

次の瞬間、アーマーを装着した俺の姿はマントを付けたアーマードライダーに変わっていた。

そしてロックシードが光ったかと思うと全身に赤と黒のラインが入っていく!

 

「あれは・・・たしか戦極凌馬の!」

と紘太が言う。

 

「その戦極さんが先代か。そういや葵も言ってたな・・・なら!」

 

そう言って新たな琥珀の聖騎士は自らの名を名乗る。

 

「俺はアーマードライダー、デュークⅡだ!」

 

 

 

 

続く

 

 

 

 

 

 

 

 




以上、第2話でした。
デュークって王冠+ヒゲがデザインされてるんですよね。
ヒゲはよく見ないとわかんなかったぜ。

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