新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、お元気でしょうか。学校の冬休みまであと1週間!な藤和木弘です。

鈴「作者はようやくSSRの後れを取り戻せそうね。どうも、皆さん、臨時アシスタントの光木鈴よ。」

絵里奈「学生さんはこれから受験だねー。頑張ってね!どうも、みんなー。同じく臨時のアシスタント、福内絵里奈だよー。」

と言っても、受験生は小説見る暇なさそうですけどね(笑)さて、今回は89話をお送りします。

鈴「改変…あたし達が光に消えた後のことね。」

絵里奈「改変って一体何なんだろうねー。」

それは本編で明らかになっていく予定ですが……今回は始まりからネタバレしそうなくらい、重要人物出ますからねー。まぁ、わざとどんな姿か分かりづらくしているつもりですよ。光樹サイドの黒幕とも言えるやつは。

絵里奈「分からないんだねー。」

鈴「初めから分かってたら面白くはないわね。でも、一応分かっているとは思うんだけど…。」

それは言っちゃダメですよ…。では本編へ!


第89話 始まる改変、草原での目覚め

 

 

女神、ならびに光樹達が光に消えた後、とある場所にて人が集まっていた。集まっていたのは金色の鎧を纏う、巨大なメカ。それに加えて赤い装甲と一本のブレードアンテナが頭部に装備された騎士ともいえるロボット。そして、黒い髪にスーツスタイルのシャツとスカートの少女と、その傍らにいる、暗い影を纏った「何者か」がその場にいた。

全員の姿は実に異常で、マトモと言えるのは黒髪の少女くらい、しかもその少女の目も、光がなかった。まるで、世界に絶望したかのような目をしていた。

それだけではない。部屋の内装も普通とは思えない物であった。金の装飾に高級そうな壁紙、天井の照明もまた豪華さを過度に表している。だが、それだけではなく、壁には様々なものが掛けられていた。例えば、金色の鎧を纏うロボットの座るイスの後ろには、額縁に飾られた、「時は金なり」という文字が書かれた紙。また部屋の別の壁にはその金色のロボの姿が描かれた絵が飾られていた。

言うとすれば、趣味の悪い部屋、であるその部屋に彼らはいた。しかし、それらに何事も動じない彼らの中で、黒髪の少女が話を始める。

 

「世界は書き換えられた。さぁ、アフィモウジャス将軍よ、君は改変された新たな世界に何を望むんだい?」

 

金色のロボットに対して、その言葉は向けられた。しかし、その表情には不気味な笑みが映る。まるで、餌を求める蛇のような目で。

それに対し、机に手を付けていた金の装飾が目立つロボット、アフィモウジャス将軍は迷いなく、動揺も見せずに言う。

 

「金だ。持てる限りの富を、ワシは手に入れるのだ。」

 

「…金、か。いつの時代にも金の亡者はいるものだ。」

 

その言葉に、黒いツインテールの少女は反応を薄くしつつも、興味深そうな答えを返す。

だが、少女としては、もっと恐ろしいものを考えていたかのようだ。そこで、少女は更に深入りするように質問を投げかける。

 

「まさか、侵略戦争でも始めるのかい?」

 

侵略戦争という恐ろしい言葉に、一人の者が若干動いた。それは赤い装甲を持つロボット、シナンジュ王だ。彼は元々戦場を仕事とする存在、故に戦争という言葉に敏感であった。

…まさか、そのような言葉が飛び出てくるとは…。シナンジュ王は内心驚きを見せていたのだ。今のシナンジュ王は国家全体を巻き込むような戦争を求めてはいなかった。過去の戦争が、シナンジュ王に戦いへの誘いを拒絶していたのだ。

しかし、シナンジュ王は黙る。信じていたからだ。アフィモウジャス将軍が、そのようなくだらない争いを好むような人物ではないことを。とはいえ、シナンジュ王自身も己の今ここにいる理由は分かっていた。アフィモウジャス将軍の作る世界、金で動く、無駄な争いの起きることのない情報管理された世界のために戦う。戦うだけの老兵にとっては、ただそれだけで動くのであった。

そして、先程の問いに、アフィモウジャス将軍は王の予想通りの答えを吐く。

 

「戦争、か。武力による争いなど、旧世代の争い成り!現代の戦争とは、すなわち情報戦!そしてまた、情報は武器にも富にも成る!それ故の、秘密結社アフィ魔Xである!!」

 

その力強い言葉に、シナンジュ王もまた安心を見せて顔をコクンと頷かせる。一方、その言葉を聞いて、少女は意外と思っているような反応を見せる。

 

「…なるほど。見た目によらず、君はインテリなようだ。じゃあ、シナンジュ王。君はこの世界で何を求めるんだい?」

 

そこで唐突に話の相手はシナンジュ王に移った。まさか、自分にもくるとは。そう思いつつも、先程の考えていたことを含めて、王は話す。

 

「私の望む物、か。私が望むのはただ一つ。人の総意たる器となる存在を守ることだ。」

 

「おやおや、意外だね。昔は自分自身がその総意たる器になろうとしていたんじゃなかったかな?」

 

その言葉に、シナンジュ王は驚きを感じる。少女が自身の昔を知っているとは考えてもいなかったからだ。一体、誰からその情報を…。シナンジュ王は少し考えたが、今は質問に答えた方がいいと判断し、先程の言葉に続ける。

 

「…確かに、昔はそうだった。だが、今は違う。昔の戦争のような、人と人が、そして機械と機械が争っても、何も変わらない。今はそういう時代なのだ。その中ですべてを制するのは情報戦に制した者。それはすなわち、今のアフィモウジャス将軍。彼こそ、人々の気持ちを受け止め、その流れを制御し、正しき道へと誘う、総意たる器。そう私は信じている。」

 

「なるほどね。だから、君は…」

 

「そうだ。私にできるのは、戦うことと、指揮をとること。力こそが私の全てなのだからな。私は、アフィモウジャス将軍の剣だ。」

 

シナンジュ王は少女へと、言い放つ。それしか出来ない。それが彼という機械なのだから。

その言葉を聞いた黒髪ツインテールの少女は笑みを浮かべつつ、言葉を返す。

 

「美しい関係だね。でも、約束を忘れてもらっては困るよ?」

 

「分かっておる。アレを手に入れればいいんだろう?」

 

「それならば、既に我らの部下が動いている。心配はいらないはずだが?」

 

ふと、本来の目的である「とある物の捜索」についての話に、二機はそのようにして答える。実は彼らはこのゲイムギョウ界を自分達が動きやすくできるようにしてもらうように依頼していたのだ。だが、それには条件があった。それは、彼らは応えると共に、こちらの世界の四か国に散らばるとある物一式をすべてそろえることだった。

なぜ、それが交換条件だったのか。気になるところはあったが、シナンジュ王達はそれに深入りすることなく、それを呑んだ。今の世界が、自分達の目的にとって必要なことであったから、その目的を叶えるために。

と、そこでくぐもった、というよりボイスチェンジャーを通したような機械音声が響く。

 

『あぁ、もう知っているよ。忍者ステマックスとローゼン・ズール…いや、ここは騎士ローゼンかな?』

 

いきなりの声ではあったが、既にその声は何度か聞いたことがあったため、少し驚きつつも平静を余裕で保つ。相変わらずの声に王は毎回本当にこの者が信じられるのだろうかと思ってしまう。今回のことはこの者達がいたからこそ出来たこと。あまり疑いたくはなかったが、それでも好奇心、もしくは危機感により、黒いもやに覆われたその男に目を向ける。だが、いつまでもそんなことを思っていてもキリがない。自分達を手助けしてくれた恩人なのだから、恩を返さないわけにもいかないシナンジュ王はためらいつつも、黒いもやの男に肯定する。

 

「…そうだ。彼らは私達の露払い、それに隠密行動を行う。どちらかと言えば、ローゼン自身は騎士と呼ばれることを望んでいるので、騎士と呼んでやってほしい。」

 

『…ふふふ、そうだな。彼は騎士だよ。いつの時も、ね。』

 

「………。」

 

黒いもやの者の言葉にシナンジュ王はまたも考えさせられる。まるで、いままでの活躍を見てきたかのように。当然ながら、ローゼンはまだ自分達の組織がある程度行動できる状態になる今よりも前から、組織の細かな準備を行ってきた。当然それを今目の前にいる者も知っており、別に言葉におかしなところはない。

だが、どうもその言葉が気になっていた。深い意味で言うなら、何もかもを見通しているような。そんな風に王は思う。

そんな所で、それを察したのかは分からないが、黒いもやの人物は口を開く。

 

『とはいえ、我らは長き時間の間待ち続けていたのだ。それが揃う時を…この時が来るのを。我らに逆らうもの全てを抹殺し、今度こそ…』

 

何かを言いかけた黒いもやのかかった存在だったが、そこで口を閉ざす。一体何をしゃべろうとしたのか。気になるシナンジュ王だったが、それに触れる前に相手の方が言う。

 

 

 

 

「…と、いうわけだ。君達には期待しているよ。アフィモウジャス将軍。それに、ラステイション軍元大佐、かつてのラステイションの赤い彗星、シナンジュ王。」

 

 

 

 

 

 

 

 

光に飲み込まれたのち、光樹は遠い意識の中に居た。意識はまだはっきりせず、まるで夢の中にいるようだった。

そんなあやふやの中、耳に遠くからの声が聞こえてくる。

 

『…樹君………光……樹…君っ…………!』

 

(何だ…この声……。どこかで聞いたような…懐かしい…?声……?)

 

その声を聞いて懐かしさを感じる。聞いたことがないはずなのに、聞いただけで心地よさを感じる声に、光樹はいつまでも聞いておきたいと思う。

その声に浸って、まだ目を覚まさないでいようと考える。もう少し、この声を聞いていたい。何故か、記憶が戻りそうな気がしているのだ。

そこで光に飲み込まれる前に起こった頭痛のことが思い起こされる。あの時、光樹の頭の中には、いくつものビジョンが入り込んできていた。特に、二人の少女…かつて中学校で同じクラスだった光木鈴と福内絵里奈の顔を見た時に、強く記憶が蘇ってきたのだ。

蘇った記憶の内容としては、彼女達と話している姿。その場所は鉄の壁が張られていた廊下のような場所で、どこかの基地のように感じた。

気まずそうに、あるいは楽しそうに会話する姿が沢山流れ込んできたことには驚きであり、記憶が蘇ったことに喜びを感じるが、それでもまだ困惑していた。

困惑する理由は二つ。何故彼女達がそこにいたのか、そして、何故彼女達がガンダムを纏っていたのかだ。記憶の流れからはなんとなく予想は出来たが、確信とまではいかない。その事が頭の中を駆け巡る。

その時だった。

 

 

 

 

「いい加減に…早く起きなさいッ!!!!!!」

 

「!?うわぁぁぁ!?い、一体何が…」

 

耳元を貫くほどの大声に、光樹は驚き一気に意識を覚醒させる。起きるとそこは草原だった。見渡す限りの緑の草原。それは光樹がこの世界に来た時の、ネプテューヌと初めて会った時のような何の変哲のない草原だったのだ。

いきなりの大声で状況を掴めていなかった光樹だったが、後ろで肩を掴んでいる感覚を知った光樹が後ろを振り返ると、そこに多くの知らない人物達がいた。その人数は先程頭に浮かんだ鈴と絵里奈を含めて9人。いきなり知らない人間が7人もいるとなると、光樹も若干身構えるが、すぐにその必要はなくなる。

彼らの顔を見た瞬間、頭の中に記憶が戻ってきたのだ。それにより、その場にいた人物に対し、思い出した内容が確かかどうかを確認する。まずは、高校1年生の時に知り合った者達に名前を出す。

 

「お前達は…米山真奈に岡野真由美?それにそっちは、松木悠…だっけ?」

 

「!光樹、知ってるの?」

 

「光樹君、もしかして、記憶が…?」

 

その言葉にショートカットの少女である真奈と髪の両側をおさげのようにしたツインテールにしている少女の真由美、その二人が反応する。その反応を見て、光樹はそれで間違いないことを知る。それに遅れて、悠も笑みを見せて聞いてくる。

 

「俺達のことを見て、思い出したんだな。けど、その反応、ひょっとしてまだ記憶が?」

 

「あ、あぁ。ごめん。まだみんなが何でここに来ている理由が分かってない。」

 

「それは残念やな。まぁ、全部が全部、同時に思い出せるわけでもないしな。」

 

その会話に割って入ってきたのはスポーツ刈りを踏襲しつつも、髪は少し長めにしている少し大柄な少年だ。話し方には、少し関西弁に近いものが入っていたが、それはその少年のクセであり、特に大阪方面が出身というわけではない。その事を光樹も思い出していた。

そのように話した青年に対しても、光樹は思い出した名前を口にする。

 

「上手くいかなかったのは、俺も残念だって思うよ、敦也。」

 

光樹がそう言うと、敦也は嬉しそうにして腕を頭の上で組む。名前をちゃんと思い出してもらえたことに嬉しさを感じているのだろう。光樹としても、ちゃんと名前が合っていたことに安堵する。

すると、次に光樹の両側に二人の少女が立つ。唐突に挟まれる形になったため、光樹もなんだろうと思ったが、その二人もまた、光樹の記憶を確かめるようなことを聞く。

 

「流石です。記憶を失っても、大切なことは思い出す…。相変わらず、仲間思い。」

 

右側にいた、髪をポニーテールとしてまとめている少女が呟く。…というよりも、静まり返る程の大人しさで話す。小言のようにも聞こえるが、彼女はあまりしゃべらないかなりの無口さであるため、そのようなしゃべり方となっていたのだ。その特徴で、光樹も彼女の名前に確信を持つ。彼女の名前は…岡島理恵、だろう。光樹はすぐにその名前で合っているかどうかを聞く。

 

「君は確か…岡島理恵、だったか?あんまり学校の方では話したことなかったと思うけど…。」

 

「えぇ。そう。確かに学校の方ではあんまり話してはいない。けれど、組織では話はしていた。それも、かつてパートナーとしても活動したこともある。」

 

真摯な眼差しで放った言葉には、光樹も虚を突かれる。まさか、自分のパートナーとして、戦ったことがあるようなことを言われるとは。そうなると、記憶が戻っていないことをますます罪悪感を感じさせる。

が、そこで光樹に声をかけた人物がいた。

 

「気にしないで、光樹。そんな顔をしたら、私の方が悲しくなるから。」

 

「……君は…………佐川……京香?」

 

佐川京香。それが彼女の名前だったと記憶している。おぼろげながら覚えている名前。そして、自身が少し気になっていた少女だった。

そんな彼女がここにいるのも驚きだったが、着ている服を見て悟る。自身と同じく、GKSWAXPという組織に所属しているから、この場にいるのだと。

だが、そんな彼女の言葉を聞いて、疑問を感じる。彼女が後半に言った、「私の方が悲しくなる」という言葉にだ。なぜ、悲しくなるというのだろうか。気になる光樹はそのことについて聞く。

 

「というか……佐川さん、どういう意味だ?悲しくなるって……。」

 

その言葉に京香は口を閉ざす。その様子は、まるで話したくないことを聞かれ、対応に困っているかのように。

その姿を見て、光樹もまずいことを聞いたと思ってしまう。すると、そこに話に割って入った人物がいた。

 

「……簡単な理由よ。光樹、アンタが記憶を失い、このゲイムギョウ界に流されたのは、京香と共に戦った時の戦闘のせいだからよ。」

 

それは、光樹を起こした人物でもあった鈴だった。京香の話から、いきなりの展開だったため、光樹も驚く。特に、自分が記憶を失ったこと、そしてゲイムギョウ界へとやってきたのは、彼女との共闘時の戦闘が原因であることに。

具体的には何がどうなって、そうなったのかは分からない。記憶を失っている光樹には知る由もない。だが、その表情から、何か嫌なことがあったからだろう。それを詳しく聞きたい光樹だったが、そこで重要なことに気づく。女神だ。思えば、先程から女神の姿が見えなかったのだ。

あの時、女神達もあの光に飲み込まれたのは、薄れゆく意識の中でも視認していた。だからこそ、女神もこの近くにいるはず……。

そう思っていると、目の前にいた、とある男の後ろから聞いたことのある声が響く。

 

「う……ん……?あれ?ここ、どこ?わたしたち、確かアリーナにいたはずだよね?」

 

「!!ネプテューヌ!?」

 

その人物の名を呼んだ。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。

鈴「シナンジュ王……ガンダムの世界にいた、「あの人」と似ているわね。」

絵里奈「だね。「あの人」は自身が器になろうとして、バナージ君に負けちゃったけど、こっちは将軍さんに任せる形だね。」

鈴「そうね。あいつは自身が人の意志を統べようと……箱を……。」

あの人は箱を使ってジオンを反映させようとしていましたからね。でも私的にはOVAより小説の戦闘の方が好きですね。

鈴「うん、あたし、戦闘の事に関しては言っていないからね。」

とはいえ、鈴さんも中々起こし方雑でしたね(笑)。

鈴「仕方ないじゃない。あの馬鹿は…。」

絵里奈「まぁまぁー。次はネプテューヌちゃんと話すところからかな?」

第2の物語もいよいよ始まりそうです。さて、今回はここまで!

絵里奈「次回は土曜日ー!」

鈴「ジャンヌもレイも帰ってくる日よね。」

あぁ、ジャンヌさん…帰ってくるんだー!!

鈴「でも、実際にするんでしょ?告白的なこと。」

う、うん。でもまぁ、振られることに関しては、私は慣れてますからね。

絵里奈「そんなこと言ってるとー、また失敗しちゃうよー?」

あ、はい。ではまた次回!

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