新次元ゲイムネプテューヌVⅡ SSRと言う名のG(凍結)   作:藤和木 士

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どうも、皆様、ご機嫌いかがですか?遂に昨日、プレミアムバンダイにて頼んでいた詩姫の聖夜祭が届いて、気分は上がっているけど、体調不良で体はダウン中の藤和木弘でございます。

鈴「全く……来るまでの一週間、面倒なことを一生懸命やった結果がこれなんだから、ジャンヌに怒られるわよ?どうも、皆さん。臨時アシスタントの光木鈴よ。」

絵里奈「光樹君と似たところあるよねー。作者さん。どうもー、みんなー!同じく臨時アシスタントの福内絵里奈だよー!」

やべぇ、意識朦朧としてアシスタントを打ち間違いそうになる(;´・ω・)

鈴「重症じゃない……とりあえず、今日の話はあたし達の戦闘シーンね。」

絵里奈「でも、ここで倒しちゃうのかな?ゴールドソフツ。ここで倒しちゃったら、話が進まないよね?」

大丈夫、「あの方々」がなんとかしてくれますよ。それでは、本編へ。


第88話 記憶にない仲間、光に包まれて…

「おやおや。今度は女の子が相手か?そんな機械を纏っちゃって、俺達は容赦しないぜ?」

 

「あら、随分と威勢のいいことね。あんな未熟者を倒した程度で粋がるんじゃないわよ?」

 

ひやかしのようにも聞こえた白を含めたトリコロールの機体に、鈴は挑発で返す。鈴としては、この程度のやつを倒したところで、勝ちと思ってもらうにはいかなかったからだ。それに加え、先程の戦闘、いくら光樹が記憶を失いつつも使えるといっても、あれはきついものがある。なら、その穴埋めくらいはしなければ。

そう思っていた鈴に対し、青銅色の機体…ではなく、かつて自分と会ったことのある機体が前に出る。

 

「まさか、貴女がこの場に出てくるとは…しかし、今回は見逃しはしません。」

 

その声と共に、かのロボット、「ジェスティ」が腕のソードを展開して突撃してくる。

あんまり、あの子とは戦いたくはなかったけれど、仕方ないわね。あたしは少し息を吐く。それから、後方にいた絵里奈に光樹の救助を指示する。

 

「絵里奈。光樹は頼んだわ。こっちはあたしと勇也で抑える!他のメンバーのうち第2世代は女神の護衛、第3世代は何かあった時のサポート!」

 

『ラジャー!』

 

「うん、りょーかーい!」

 

「俺も戦うのかよ…まぁ、鈴だけじゃ、不安だな。いくぞ!」

 

その声かけが終わると同時に、鈴は迫りくるジェスティを迎撃する。もう一人の勇也は、鈴に冷やかしをかけていたトリコロールの機体と戦闘に入る。

ジェスティは右腕のソードを振り下ろす。対して鈴は右腕部のANファングクローシールドを振り上げる。その形で両者は交差する。一瞬の交差の後、突如ジェスティの右肩部から火花が散り、爆発を起こす。

 

「ぐぅ…やりますね。しかし…」

 

ジェスティが賞賛する。鈴が切り抜けに勝利したのだ。だが油断は出来なかった。ジェスティが含みのある言葉を吐くと、正面より接近警報が響く。その方向に目を向けると、目の前から黒と赤の機体がウイングを展開してこちらに迫ってきていた。鈴の目にはどうもブラックエースとレッドジョーカーを混ぜたような機体に見えた。奇しくも、この発想は先程の光樹と同じものであった。

だが、鈴はそれに対し、落ち着いて対応する。撃ってくるキャノンガンのような武装から放たれる弾丸を両下腕部に装備されているANビームループメイカーのビームトンファーモードで弾いていく。攻撃と迎撃の間にも両者の距離は詰まる。

そして、ある程度距離が縮まったところで、BAとRJを混ぜた敵がもう片方の腕をソードに変形させる。

その行動に、鈴は既視感を覚えた。なぜなら、自身も行ったことのある行動であったから。しかし、そんなことを懐かしむことなく、鈴は自身のガンダム、R-EXEグレイガに背部のANソードカノンⅢを手元に送るように指示を送る。

 

「グレイガ、ソードカノンを。」

 

『了解!』

 

すぐに手元にANソードカノンⅢがアームで移動し、鈴の左手に握られる。アームの接続を解除すると同時に、鈴はそのカノンで目の前のファイナライズもどきの機体の剣を受け止める。互いの剣が火花を散らしていくが、徐々に鈴はその刃を敵の懐へと滑らせていく。

そして、ソードの根元にまで滑らせると、鈴はグレイガの出力を上げる。すると、受け止められていた剣はソードとの切り結びを解除し、敵の腕の装甲を滑る。そのままの加速力でANソードカノンⅢは敵の左腹部を斬る。その切れ目からは、こぼれだす赤い粒子が。

その一瞬の出来事に、ファイナライズもどきの者は信じられずに倒れる。

 

「ぐぅ…僕が…こんな…?」

 

「…あんた達とは…戦ってきた年季が違うのよ。」

 

敵の言葉に、鈴はその言葉で切って捨てる。鈴としては確かに彼らは強いとは思った。だが、出力が「強い」だけだと同時に感じてもいた。出力に技量が伴っていない。それでは様々な戦いを今ここにいるメンバーの中でも長く経験してきた鈴にとっては未熟。その言葉しかなかったのだ。

一方、鈴と共に彼らを相手にした勇也も、既に戦闘を終わらせていた。勇也を相手にしたトリコロールの機体と白い甲冑型のロボットは今、膝を付いていた。勇也にとっても、この程度は朝飯前。伊達に鈴と同じだけの時間、ガンダムを纏っていたわけではなかったのだ。

その圧倒的な戦闘能力に、彼らは動揺を見せる。

 

「こんなにも強いやつら、だったとはなぁ。これは俺達も本気で行くしかねぇか?」

 

「そうかもしれない。この二人だけでも強力なのなら、最後の切り札も…。」

 

鈴の耳に聞こえた、敵の本気を出すという宣言。それに対し、鈴は思う。なら、最初から使えばよかったのに、と。

一応、切り札は最後に取っておくもの、というのは鈴にも理解できた。だが、それは元々の実力が、技量と共についてから言うもの。今の力すら上手く使えない者に、鈴は負ける気はしなかった。それはもちろん、今の光樹に対しても、であった。

その敵が体勢を立て直そうとする中、余裕を感じた鈴は後方の方に目を向ける。後方にいるのは、ガンダムR-ZXを身に纏う絵里奈に、第2世代のガンダムマイスターことマスター、第3世代、現在のSSRシリーズのマスター達。それに加え、先程無残にやられた光樹も。

絵里奈は光樹の方に寄り添っているが、光樹は肩を借りつつも、立ち上がろうとしている。まだ戦うつもりなのだろう。それに気づいていた絵里奈も制止する。

 

「だ、駄目だよー、光樹君。無茶しちゃ…。」

 

「う…くっ……なんか…頭が…うっ!!」

 

光樹は頭を押さえ、苦しそうにする。鈴の記憶が正しければ、特に頭部に対して致命的なまでの攻撃は受けなかったはずであった。ならば、それは戦闘が直接の原因による痛みではない。考えられるのは、記憶喪失ということなら、ZEROシステムの過剰使用、もしくは、記憶が戻ろうとしているのか。

前者は負荷を耐えきれるだけの精神力が失われている中で、無理やり使用しているなら、という考えの元、そう思っていた。だが、鈴は後者の方ではないかと勘ぐった。光樹は苦しそうにしつつも、未だその口調はやさしさのあるものだったからだ。ゼロに吞まれているのなら、そんな口調ではない上に、苦しいということすらも表情にも言葉にも表すことはないはずだ。

だがしかし、そんな戦闘を行うには不可能ともいえる状態で、光樹は再び立ち、歩こうとする様子を見せる。相変わらずの無茶だと思っていたが、今は記憶がない状態。ならここで無理をさせるわけにはいかない。いくら馬鹿光樹でも、今は事態が違う。ここで光樹を失うわけにはいかない。すぐに鈴は光樹に対し言い放つ。

 

「無茶はよしなさい、馬鹿光樹。今のあなたじゃ、帰って邪魔よ。」

 

「な…大体、お前らはなんなんだよ!ガンダムも使うし、それに、その声、どっかで聞いたことが…。」

 

光樹は頭を抱え、苦悶の声を呟く。なんとなく「聞いたことがある」所まで分かっているのなら、ここは分からせた方がいいかもしれない。そう思った鈴は、コンソールの操作を思考して行う。コンソールに行った行動はただ一つ、頭部フェイスユニットの一部開放。要するに、顔を見せる、ということだった。

戦闘中に生身の体を見せるというのは、プロテクター戦ではかなり危険な行為だ。それに、相手は機械の機動兵器ばかりの今の戦闘状況では、一瞬の隙を突いての攻撃も危険な状況だった。

しかし、今はそんなことを言っている場合ではなかった。光樹の記憶を戻せるなら、自分達の望む方向としては正しい道なのだから。

そうして、頭部のマスクユニットが解放される。マスクユニットを解除すると、ホログラムのように表示される、鈴の顔が外へと露出した。それ以前の時には、光樹は頭を痛め、何がなんだか分からないという様子だったが、それを見て、表情を一変させる。

 

「…!?なん…で?」

 

光樹もどうして目の前にその人物がここにいるのか、不思議に思うかのように表情を唖然とさせる。鈴としては、ややオーバーな反応とも思ったが、鈴は前提となる理由を思い出す。光樹記憶を失っている。ならこの反応は想定ないだろう。

さて、どんな反応が返ってくるか、どこまで思い出してるのかしら。あたしを含めた全員が固唾を呑んでその言葉を待った。

そして、言葉が発せられる。光樹の口から。

 

「…光木……鈴!?何でだ…何で、お前がガンダムを!?」

 

光樹の口から飛び出したのは、鈴の名前となぜ鈴がガンダムを纏っているのかという質問。それは、光樹が自分のことは覚えているということの証拠であった。

だが、鈴がガンダムのマスターであることを知らないことを言っていた。ということは、人物の名前は知っていても、GKSWAXPのことは忘れてしまっている、ということだ。茫然とした様子で動きが停止した光樹に対し、鈴が声をかけようとする。だが、その前に、いち早く行動をした人物がいた。

 

「光樹君…!鈴ちゃんのこと、分かるんだねっ!?」

 

絵里奈だった。絵里奈は光樹の言葉に反応して、自身もまた頭部のマスクユニットを解除する。

 

「ちょ…絵里奈さん!?いきなり過ぎですよ!?」

 

その行動には二代目SSRNPマスターの真奈も驚きの声を上げる。二人を守っているのに、その二人の内一人がいきなり、しかもあの絵里奈がまたも奇想天外すぎる行動を行っているのだから。

しかしながら、その行動により、絵里奈の顔を見た光樹がまたも驚きを見せる。

 

「…え!?君は…福内絵里奈!?い、一体…何で……。」

 

「…ぇえぇ…やっぱり私達との思い出…ううん、私達が何でここにいるのか、分からないの…?」

 

光樹の言葉に、絵里奈が落胆する。無理もない。絵里奈としては、今の光樹との関係があるのはGKSWAXPが、光樹という総司令がいたからこそのものなのだから。

とはいえ、それに構っていられるほど鈴は暇ではなかった。すぐに前を向き、本気を出そうとしているジェスティとその仲間達を注視する。

その時。

 

 

 

 

「…時は満ちた。オレはこの時を待っていた。」

 

「!?」

 

いきなり、脳内にそのような声が響く。何故頭に響いたのか、それを鈴は知っていた。鈴の能力だ。

どこからのものかと頭を振って確かめようとする鈴の脳内に、更に流れていく。

 

「もう、世界も守護女神も、そして機動戦士すらも、負の感情には逆らえない。」

 

「一体…どこのどいつが……。」

 

鈴は何とか見つけ出そうとするが、どこにもその姿は目に映らない。必死に探す鈴。しかし状況が動く。突然、スタジアムの方で光樹の戦い、そして、先程の鈴の戦いを静観するしかなかった紫の女神、パープルハートがとある方向に向けて言葉を呟く。

 

「あれは…!?」

 

「……何…?」

 

鈴も釣られてその方向を見る。すると、そこには黒い服を着た少女がいた。それだけなら、また乱入者だと思った。だが、そこで鈴はおかしなことに気づく。

少女の顔だ。少女の顔は、どことなく、というよりも明らかに今声を出した女性、パープルハート…ではなく女神化する前の姿であるネプテューヌに似ていた。紫の髪に色こそ違うものの、頭にはコントローラーのような髪飾りをつけている。

身長や色さえ変えれば、そっくりそのままネプテューヌではないかと思う。しかし、その少女が「虚空」に向かって言い放つまでは。

 

「ダメだよ!それだけはやっちゃダメ…!」

 

何を言っているの?と鈴の考えは変わる。何をやってはいけない?それはさっき自分が聞こえた声に対しての反応なのだろうか。そして、少女は「誰」に言っているのか。少女の視線の先には誰もいない。まるで先程声を聞いたかのようなのに、叫ぶ方向はその状況からまるで当てはまらない、見当違いの方向。

それに合わせ、少女がノートをこちらに向ける。すると、自身の周りを光が包む。

 

「何なの!?」

 

鈴は動揺する。いきなり出てくるのもそうだが、彼女は一体自分達に何をする気なのか、それだけが頭の中を駆け巡る。

そんな中、同じように光に飲み込まれたと思われる光樹が、呟く。

 

「大人ネプテューヌ…!?どうし…て……」

 

光と共に、光樹の言葉が途切れていく。気絶したのか、はたまたこの光のせいで音が聞こえなくなっていっているのか…。

その光の中で、鈴は浮遊感を感じる。巻き込まれた以上、この光に委ねるしかない。そう思っていた鈴の耳元に、声が二つ、響く。

 

「さぁ、はじめようか。世界の―――ゲイムギョウ界の改変…そして……」

 

 

 

 

 

 

 

 

『新たな、そして繰り返される戦争を…な。』

 

 

 

 

 

 

 

 

光が視界を覆い、平衡感覚を失う。鈴は完全に光に飲み込まれたのであった。

 

 

TO BE CONNTINUED

 




今回もお読みいただき、ありがとうございます。さて、鈴さんが完全にベテランの風吹かせてますね。

鈴「当然よ。あたし達初代SSRNPのメンバーは、NP黎明期から戦い続けているんだから。」

絵里奈「私も同じくらいだけど、あそこまでは出来ないなー!」

鈴「…あなた何を言ってるのよ……。少なくとも、射撃戦闘じゃ、あたしよりも数段上でしょ…。」

絵里奈「えー、でも鈴ちゃんも砲撃は得意でしょー?」

鈴「同じ射撃型でも、あなたの方が相手にしたらきついって……。でも、なんで絵里奈はこういう性格なのか、ちょっと恐ろしいと思うわ。」

絵里奈「うー。また言ってるよー。」

この会話についてですが、そこら辺はまた本編の方でお話できるかと思われます。さて、今回はここまでとさせていただきましょう。私も体力限界…。

絵里奈「うん、りょーかーい!次回は日曜日だよっ!」

鈴「ちなみに、その日は投稿時間がどれくらいになるかわからないらしいわ。いつもの時間ではなくて、夜遅く、それも22時になるかもってことだから、よろしくね。」

ではまた次回!

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